029 | 今日もだらだら、読書日記。

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はたらく魔王さま!

 
029

世界征服まであと一歩だった魔王サタンは、勇者に敗れ、異世界『日本』の東京・笹塚にたどり着く。そんな魔王が日本でできること。それはもちろん“世界征服”!!―ではなく、駅前のファーストフード店でアルバイトをしながら生活費を稼ぐ、いわゆるフリーター生活だった!その頃、魔王を追って時空を越えた勇者エミリアもまた、テレホンアポインターとして日本経済と戦っていた。そんな二人が東京で再会することになり―!?六畳一間のアパートを仮の魔王城に、今日も額に汗して働くフリーター魔王さまが繰り広げる庶民派ファンタジー。第17回電撃小説大賞“銀賞”受賞作登場。 (「BOOK」データベースより)

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勇者との戦いに敗れ、異世界に逃げ込まざるを得なくなった魔王サタン。その世界に潜伏し、元の世界“エンテ・イスラ”に戻り再び世界征服することを狙うが逃げ込んだ異世界“日本”には魔力と呼ばれるものがみつからず……というお話。

異世界では恐怖の魔王として恐れられていたはずなのに、日本ではマクドナルドの店員。六畳一間のマンション(とは名ばかりの安アパート)に参謀のアルシエルと男二人のアパート暮らし。今の目標はA級クルー!!というどこまでも地に足がつきまくりな設定が大変素敵。とりあえず戸籍を作るところから地道に始める魔王の姿が微笑ましいです。実際、魔力である程度人を操れるなら戸籍を作るついでに1万円ちょろまかしてそのお金で……とかじゃなくもっと上手い使い方があったんじゃ…!!と思わなくもないのですが、その辺は気にしたら負けです。

保健に入っていなくて病院で高額な医療費を請求された!とか、職務経歴がないとまともなバイトで雇って貰えない!とか、日雇い派遣の仕事が軌道に乗り始めたと思った途端に派遣会社が会社適用法とか、魔王勇者モノなのにこんなに身近な話題でいいのか……といいたくて仕方が無い様々なネタが身に沁みます。

その一方で、勇者を追いかけてきて今ではテレアポOLしてる勇者とのバトルとか、更に彼らの裏で蠢く陰謀とか……と、ちゃんと「魔王勇者モノ」な展開も用意されているのが面白かった。“魔力”の正体はある意味納得なオチだったけど、異世界に渡った魔王の性格が丸くなってしまった理由とかアパートの管理人さんの正体とか、まだまだ物語に裏はありそうな予感。これは是非続きを読んでみたいです。

ていうか男3人、六畳間暮らしの様子がとっても見たいので是非続編をお願いします!!!
個人的に、せっかくの男二人六畳間暮らしなのにアルシエルとの絡みがイマイチなのが残念だったんだ…!!


はたらく魔王さま! 2

 
029

店長代理に昇進することになり、ますます張り切る魔王。そんなある日、魔王城(築60年の六畳一間)にご近所さんができる。隣の部屋に、和装の女の子が引っ越してきたのだ。魔王に恋する女子高生・千穂と、魔王の命を狙う勇者は、いろんな意味で心穏やかではいられない。時を同じくして、魔王が勤めるファーストフード店の向かいに、競合他社が進出してくる。売り上げで負けたら減給だと言われた魔王は戦慄し、店長代理の職務を全うするため奔走することになる。謎の隣人とライバル店の登場で、魔王城は大混乱!?フリーター魔王さまが繰り広げる庶民派ファンタジー、第17回電撃小説大賞銀賞受賞作第2弾。 (「BOOK」データベースより)

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かつて異世界を征服しようとした魔王とその手下達が日本で堅実にフリーターやりながら再起を図ろうとするシリーズ第二巻。今回はひょんな理由から店長代理を任された魔王が、開店したばかりのライバル店と凌ぎを削るお話。

前巻を受けて魔王宅に同居することになった側近・ルシフェルこと漆原がマジでナマイキ可愛い。ショタっぽい容姿でニートで金遣いの荒いスーパーハカー(違)とか萌え要素が揃いすぎてなにこれふざけてるの!!温厚な千穂にすらゴミのような扱いを受ける残念さ、そんな扱いを受けてもめげないふてぶてしさがまた可愛いです。

良い意味で1巻に引き続きお約束な展開と言うか、前半のフリーターは辛いよ話と後半のファンタジーでバトルで異能な展開のギャップが面白いお話でしたが、魔力を集める為に取った手段で思わずふきだした。そりゃ人間も魔力の1つや2つ放出するね!!見に覚えがありすぎて……笑える半面わりと笑えません……でした……(白目)


はたらく魔王さま! 3

 
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魔王城(築60年の六畳一間)の庭に、異世界からのゲートが開く。そこから現れた小さな少女は、魔王を“パパ”、勇者を“ママ”と呼んだ。まさか二人がそんな関係だったなんて…とショックを受ける芦屋や千穂。だが、一番混乱していたのは魔王と勇者だった。少女は魔王城で預かられることになり、真の意味で大黒柱となった魔王は、子育てに挑戦。さらに、親子(?)三人でのおでかけもあったりで、恋する女子高生・千穂は、やっぱりヤキモキしてしまうワケで―?フリーター魔王さまが繰り広げる庶民派ファンタジー、波乱必至の第3弾。 (「BOOK」データベースより)

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 日本にやってきた異世界の魔王&勇者とその仲間達が六畳一間で繰り広げる庶民派ファンタジー第三巻。今回は魔王を“ぱぱ”、勇者を“まま”と呼ぶ子供アラス・ラムスがやってきて……!?というお話。

 少しずつ、物語が核心部分に触れてきました。真奥の過去が明かされたり、恵美の持つ聖剣の正体が明かされたり。呑気に人間界で某ファーストフード店のA級クルー目指してて本来の目的忘れてるのかと思ってたけど、結構真奥もいろいろ考えてるんだなあ。なんだか魔界側にも天使側にも事情がありそうでまだまだ一波乱起こりそうな展開。

 しかしそれはそれとして、アラス・ラムスの爆弾発言から一時的に「夫婦」として振る舞うことになった真奥・恵美と彼らを取り巻く人々のドタバタが微笑ましすぎてニヤニヤが止まらない!恵美の立場にヤキモチ焼きつつも色々とほっとけない男所帯の子育てに色々アドバイスしてしまう千穂ちゃんのお人よしっぷりも可愛いのですがまさかの芦屋恋愛フラグ(ただし本人無自覚)に今後の展開を期待せざるをえない。自分のこととなると途端にわたわたする梨香可愛いです。

 一番可愛かったのは誰がなんと言おうと漆原だったんだけどね!!押しいれに避難するニート堕天使可愛いよことあるごとに皆からいらない子扱いされてむくれるニート堕天使残念可愛いよ家計が火の車なのにピザの宅配頼んでる漆原可愛いよ時々しか役に立たない漆原かっこかわいいよ!!!終盤の元大天使長の貫禄を見せ付ける漆原が可愛すぎて生きるのが辛いレベルです本当にご馳走様でした。

 漆原が押しいれの中から芦屋を懐柔して足につかってピザ食いながら事件を解決する「堕天使のメモ帳」(※神様のメモ帳のオマージュ)はまだですか!!


はたらく魔王さま!4

 
029

魔王さま、失業のうえ魔王城を失う!? 庶民派ファンタジー第4弾登場!  バイト先のマグロナルドの休業により、職を失った魔王。さらに住居であるアパートも、壁の修理のため一時退去させられてしまう。  職と魔王城を同時に失い失意の魔王は、大家・志波の勧めで、“海の家”ではたらくことに。しかも、魔王に想いを寄せる女子高生・千穂や、魔王の命を狙う勇者・エミリアまでもが魔王を追って海の家に現れて!?  夏で海でも仕事です!な、庶民派ファンタジー第4弾!

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 バイト先のマグロナルドが休業、アパートも改装工事で一時立ち退きを余儀なくされた真奥一行。途方に暮れかけた所に大家の志波から親戚のやっている海の家を住み込みで手伝って欲しいと頼まれる。ところがなんだか一筋縄では行かない予感で……!?というお話。

 「いらない子」「ニート」など一行にいいように罵られてきた漆原君、働くの巻き。しかし一生懸命「漆原でも出来そうな」簡単な仕事を割り当てられる漆原もさすがだけど、エンテ・イスラでも魔王軍内での立場は色々と微妙というか残念そうな漆原君マジ残念可愛い。元大天使だけにエンテ・イスラパートの方ではそれなりに活躍があるのがまた微妙なギャップ萌えなんだけど、割とそっちのパートのほうでも周囲の「いらない子」扱いは変わってないあたりが……。

 マグロナルドや日雇いバイトで鍛えたお仕事知識で色々とヤバそうな海の家を建て直す真奥の劇的ビフォーアフター的な「おしごと」話が死ぬほど面白いんだけど、その裏ではエンテ・イスラとベター・ハーフを巡る争いがそろそろ本格化しそうな勢い。今回は「魔王軍」設立のエピソードが明らかになったんだけどサタン・エルシエル・カミーオの3人の絆にはニヤニヤせざるをえませんでした。戦いもあったけど、知識や話し合いを得て解りあい、群れあうことで“魔王軍”と呼ばれるまでの大勢力に成長していった真奥=サタンが人間界でのふれあいを経て抱いた“野望”にワクワクする。というかやっぱりサタンモードの真奥はかっこいいなあ!!某時代劇風味のアルシエルの口上には笑った。

 海の家でのやりとりを経て志波の正体も少し見えてきたし、今後の展開が楽しみ……というか千穂ちゃんはマジで魔王軍の悪魔大元帥になればいいとおもいます!!恋する少女の強みでどんどん成長していく千穂ちゃんにときめきがとまらない。


はたらく魔王さま!5

 
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修理の終わった魔王城(築60年・六畳一間のアパート)がなんと地デジ対応に! テレビなど贅沢品と思っていた魔王だが、ついに薄型テレビ購入に踏み切る。家電に詳しくない魔王たちは、恵美の会社の同僚・梨香を誘い、大型電気店に向かうことに。なぜだか異世界の聖職者・鈴乃もそれに便乗し、魔王一行の“お買い物ツアー”がスタートする。そんな中、魔王に恋する女子高生・千穂に危機が迫っていた──!フリーター魔王さまが繰り広げる庶民派ファンタジー、第5弾登場です。(公式サイトより)

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 魔王さま、地デジテレビを買うの巻き。あらすじ読んだとき絶対この話のラスボスは1巻で出てきたNHKの集金のおじさんに違いないとおもってたら既に大家サイドで解決してた!なんてこった!テレビの話は、むしろニート堕天使こと漆原が執着しないのがちょっと予想外だったのですがそうだよね……彼はネットの申し子……アニメ見るならネットで見るよ……(魔王城にある旧型PCで動画再生可能なのかはこの際置いておいて

 とりあえず序盤の一流ニート堕天使vs三流ネカフェ難民大天使で萌え死んだわけですが、物語はフリーターネタが減ったせいか予想以上に天界・魔界入り乱れてのシリアス展開。恵美の両親や千穂まで巻き込んでの総力戦でした。天界の話が絡むと漆原が活躍するなあ……「一流のニート」語りで盛大にふきだしましたが、双方の情報を整理する探偵役を務める中盤はびっくりするほどの漆原無双。味方側でも突き抜けて年齢を重ねている事もあり、まだまだ色々魔奥や芦屋のしらないネタを握っていそうな感じ。

 人間側は千穂ちゃんがうっかり○○しちゃったり(アルティメットまどかにしかみえなかったのは私だけで良いです)、いよいよ本格的に梨香と芦屋にフラグが立ったり……でこちらも目が放せない。梨香さんは今回で履歴書が出ていよいよレギュラーメンバー昇格なのか。次巻もとてもたのしみです。

 シリアス分多めで魔奥の労働ネタは少なかったけど某うどんチェーンの話とか、新人バイトの教育の話とか、値切りの話とかなんだかんだで庶民ネタも忘れてはいないあたりがさすがすぎる。そろそろこういう小ネタで短編集とか出せるんじゃないですかね!本編シリアス気味だからそろそろ、ね!!ニート堕天使とネカフェ難民天使ズの怠惰な一日とか見たいですね!!

 ところで、大変個人的に今回の「あとがき」にぐっ……となりました。言葉にうまくできなくてもどかしいけど、あの震災ってやっぱり何かを決定的に変えてしまったんだなあというかなんというか。


はたらく魔王さま! 6

 
029

2階がカフェ形態となり、ついに魔王のバイト先のファーストフード店が再オープンする。張り切る魔王は、心機一転新たな資格に挑戦することに。そして、恋する女子高生・千穂もまた新たなことに挑戦すべく燃えていた。テレパシーである概念送受を覚えたいと恵美たちに相談したのだ。それは、天使や悪魔から接触があったときに、すぐに助けを求められるようにするためだった。だが、そんな千穂を見て鈴乃が選んだ修行場所は、なぜか町の“銭湯”で―!?フリーター魔王さまの庶民派ファンタジー第6弾。 (「BOOK」データベースより)

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 真奥の働くマグロナルドが“マッグカフェ”の機能をふまえてリニューアルオープン。そんな中、千穂が恵美と鈴乃に概念送受を習いたいと申し出て……というお話。久しぶりにマグロナルド従業員な真奥が見られたなとおもったんですがこのラノベ改めて、物凄いマクドナルド賛美ラノベですよね……アニメ化の際はマクドナルトとのコラボ企画を是非お願いしたい。

 あくまで「いっしょに戦いたい」ではなく、「自分が足を引っ張った時に最低限の予防線を張りたい」という千穂が高校生とは思えないほど大人だ……皆に護って貰うしかないこの状況って結構本人の気持ちとしては辛い状況ではないかと思うんですが、自分のできる事と出来ない事を冷静に見定めて、精一杯努力する姿がとてもかっこよかった。終盤のタンカもかっこよすぎたし、そろそろ異世界で宗教が立ち上がってもおかしくないレベル。

 千穂もかっこよかったけど、なんだかんだであまり底を見せない真奥が語る「新しい世界征服」の姿も面白い。フリーターしてるのはただ生活に困ってとかそういうのじゃないんですね。いやそういう面も重々あると思うけど。力ごなしに征服するのではなく、エンテ・イスラに経済の概念を持ち込むことで新たな秩序を作ろうとする姿がかっこいい。そしてちゃっかり恵美と鈴乃まで巻き込んじゃうしたたかさにニヤニヤがとまらない!!

 それにしても、サリエルが愛に一直線すぎて腹筋が辛い。この人もう木崎店長目当てに寝返りそうな勢いじゃないですかww


はたらく魔王さま!7

 
029

『訪問販売』―漆原が悪徳訪問販売業者に騙された!代金を取り戻すため事務所に乗り込んだ魔王の運命は!?『捨て猫』―帰宅した魔王が懐に抱えていたのは、銀色の捨て猫だった。飼い主を捜す魔王たちだったが…?『お布団』―アラス・ラムスの布団を買いに行くことになった魔王と恵美。仲良し家族といった雰囲気に、恵美は頭を抱えることに。『はたらく女子高生』―千穂がマグロナルドでバイトを始めたきっかけとは?まだ普通の女子高生だった千穂と、新人時代の魔王のお話。「電撃文庫MAGAZINE」掲載の短編3本に、書き下ろし中編1本をプラス。 (「BOOK」データベースより)

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 電撃文庫MAGAZINEに掲載された短編にちーちゃんと真奥の出会いを描く中編書き下ろしを加えた短編集。

 あらすじ出た時から物凄い期待してたんだけど、漆原が訪問販売に騙される「魔王、誠実な商売を改めて決意する」が色々な意味で期待以上だった。珍しく責任を感じてしおらしくしているのに、結局芦屋がいないと自宅すら警備できない自宅警備員・漆原さすがのニート駄天使すぎる。まだとても慣れているとは言えない人間達の社会に振り回される元魔王軍TOP3とは対象的に、横からやってきてキビキビと事態の解決を図る女子3人がとてもかっこよかった。そしてラストの漆原デレにニヤニヤせざるをえない。

 真奥が拾ってきた捨て猫に情が移ってしまう面々を描く「魔王、捨て猫を拾う」と真奥と恵美がアラス・ラムス用のお布団を買いに行って各所で夫婦扱いされたり微妙な距離感にわたわたしたりする「魔王と勇者、お布団を買いに」も相変わらずの地についた生活感満載でとてもたのしかった!そしてどたばたと楽しい物語の中、異世界の魔王とは思えない真奥達の人間臭さに困惑する恵美と鈴乃や、現在の家族のような関係がいつまで続くのかと様々な意味で考えてしまう恵美の様子がとてもよかった。

 「はたらく女子高生 ? a few days ago ?」は進路に悩む千穂が偶然放課後に立ち寄ったマグロナルドで起きたトラブルをきっかけにしてマグロナルドでのアルバイトに応募するお話なんだけど、千穂ちゃんと出会ったばかりの真奥の常識の抜けっぷりヤバイ。仕事に関しては気配りまで完璧なのに、それ以外の日常知識が抜け落ちすぎな真奥さすが過ぎる……色々な意味で、あれでも本編開始時の真奥は色々社会勉強した後だったんだなあと実感するお話でした。

 勿論バイト先の選択も良かったんだろうけど、その一方でバイト先でこれだけ和やかな人間関係を築けたのは彼女自身の人柄と、たゆまぬ努力のお陰なんだなあ。仕事を少しずつ覚えながら、なんだかんだで少しずつ真奥に惹かれていく千穂ちゃんが始めての気持ちに翻弄される様子がもだもださせられて大変可愛い。まだ自分の気持ちを自覚しきっていない千穂ちゃんの姿が可愛すぎる。

 その一方で木崎店長のかっこいい大人ぶりにひたすらシビれる話でした。物事の考え方も物凄く憧れるけど、彼女の人材を見抜く目ってわりと尋常じゃないよね。

「そんな先のことなんか考えなきゃいい。来年のことなんを言えば鬼が笑う。大人になったって一年先のことも分からないのに、君達のような子供にそんな大味な選択を迫る今の大人社会の尻の穴の小ささはまことに嘆かわしいな」
 そして木崎は、はっきりと言い切った。
「進路というのは、明日のために今日、何をするかを考えることだよ。一年先のことは分からなくても、明日自分が何をしたいかくらいは分かるだろう?」


はたらく魔王さま!8

 
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恵美がエンテ・イスラの実家へ帰省すると言い出した。心配する千穂、羽を伸ばす芦屋。一方魔王は、マグロナルドの新業態のため、免許取得を目指していた。しかし、戻るはずの予定日を過ぎても、恵美は東京に帰ってこなかった。動揺しつつも平常心を保とうとする魔王は、連絡を取る方法を探す鈴乃を後目に、試験を受けるため東京・府中の運転免許試験場へと向かう。道中、魔王はバスで謎の二人組と出会い…?その頃、千穂の通う高校でも問題が勃発していた。勇者不在の中、果たして笹塚の平和は守られるのか!?緊迫のシリーズ第8弾。 (「BOOK」データベースより)

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 恵美がエンテ・イスラに帰郷するといったまま、帰宅予定の日を大幅に過ぎたのに帰らない。なんだかんだいいつつも落ち着かない真奥達だが、原付免許を取りに行った真奥は途中で謎のおっさんと女の子の2人組みになつかれて……。表紙見てアラス・ラムス急成長!?とかおもったらそうじゃなかった…!!

 ここのところの展開を受けて、過去のわだかまりはあれど、お互い素直になりきれない部分は有るけれどもすっかり恵美や鈴乃を守るべき「同志」として認識している真奥が恵美の不在を受けて分かりやすく動揺する姿にとてもにやにやする。案外いろいろなところで管理職体質というか気の行き届く真奥が恵美を1人でエンテ・イスラに帰らせたのは仇敵関係であるからこそのお互いへの実力に強い信頼感を抱いているからだよなあ。

 これまで不気味に燻っていたエンテ・イスラや天界側の動きが一気に活発化する急展開の巻で、いざピンチの時に外さない活躍をしてくれる真奥のヒーロー力ときたら大変なものでしたが、正直芦屋のポジションがヒロインすぎてそれどころじゃない。アニメ化狙ったんじゃないのってくらいの素晴らしいタイミングで芦屋が圧倒的ヒロイン力を発揮していて動揺しました。じょ、女子もいるのに……恵美とか囚われのヒロインポジションなのに!!同じくらいに恵美父まじヒロイン。

 個人的にはこれに加えて漆原の滅多にみれない働きっぷりと挿絵に転がるしかなかったわけですが、次巻からはいよいよ笹塚からエンテ・イスラに舞台を移す…のかな?正直、労働ネタが拝めないのは凄く残念ではあるんだけど、様々な謎を含めて一気に盛り上がってきてここからどういった形で物語が展開していくのかとても楽しみです。

 しかし、芦屋ほんとヒロイン……


はたらく魔王さま!9

 
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異世界エンテ・イスラから戻らない恵美と、ガブリエルに攫われた芦屋を救うため、世界を渡る決意をした魔王たち。必死にバイトのシフトをやりくりする魔王は、鈴乃と何を持って行くかについて喧嘩したりしながらも、エンテ・イスラを目指しゲートに飛び込む。一方、恵美がオルバの手に落ちた理由とは何だったのか―。故郷の村へと向かった恵美が父ノルドの残した記録の中から気付いた秘密。それは、自らの母や、世界の成り立ちに関わるもので…? (「BOOK」データベースより)

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挿絵のアルシエルが性的(挨拶)

 サリエルさん天使バージョンやっぱりそれ公式なんですかとか全力で年齢隠そうとするエメさんババアかわいいとかおもってたら終盤の挿絵で撃沈したわけですがあのアル シ エル の お し り (遺言)

 ガブリエルに攫われたアルシエルとノルドを追いかけて異世界エンテ・イスラへと帰還する魔王&鈴乃と無力感にさいなまれる恵美、新生魔王軍の中で新たな真実にたどり着こうとする芦屋。様々な事実が明かされる一方で視点も3つに別れ、若干わかり辛い部分もありましたがそんな中でも一貫して漂ってくる生活感やばい。真っ先にシフトの計算を始める真奥と芦屋は流石のシンクロ具合という感じでしたが恵美とアラス・ラムスが食べ物&トイレに振り回される話がさもありなんすぎて……日本のトイレは綺麗ですよね、ほんと……。

 ここにきて漸く明かされた魔王軍の「エンテ・イスラ侵攻」の真実ですが、これまでの話から考えて当然といえば当然の、あまりにもありふれた理由から始まった侵略だったんだなあ。良かれと思ってやったはずの事が裏目に出てしまうのがもどかしい。そしてそれを当事者である恵美にこそ知って欲しくないという真奥の遠回りな優しさにきゅんとしました。そして立ってる、なんとかさんフラグがたってるよちーちゃん!!!

 日本に残ったちーちゃんがますます女神だったり、異世界に帰還し新生魔王軍やその裏にいる天使達と渡り合うアルシエルがかっこよすぎだったり、ちゃらんぽらんしてるとばかり思ってたサリエルの決意表明にギャー!!ってなったり(っていうか能力の相性的な問題があるとはいえガブリエルより強いんだってことに正直もえざるをえない)、水面下で暗躍して思惑がイマイチ見えてこないガブリエルさん超ハシビロコウ萌えるとか、ほんと色々萌えポイントありましたが8巻に引き続きまた凄い所での引き。異世界編もとても楽しいけど、次くらいで解決してまた笹塚での庶民派生活に戻って欲しいなあと思いつつ、続きを楽しみにしたいと思います。

 わ、和ヶ原先生!!そろそろ真奥さんに原チャリ免許取らせてあげてください!!


はたらく魔王さま!10+2.8

 
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恵美と芦屋を連れ戻すためエンテ・イスラへやってきた魔王と鈴乃は、アルバートと合流し、皇都蒼天蓋に近づいていた。しかしアシエスとうまく融合できなくなった魔王は、鈴乃から戦力外通告されてしまう。仕方なく千穂へのお土産を物色していると、アシエスに異変が起こる。同じイェソドの欠片であるアラス・ラムスに危機が迫っているのではと考えた魔王は、地球から持ち込んだスクーター「機動デュラハン参號」を爆走させ、力を行使できないことを知りながらも、恵美たちのもとへ向かうのだった!緊迫のエンテ・イスラ編。悪魔と勇者、そして天使と人間の戦いの行方は!? (「BOOK」データベースより)

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 このライトノベルの挿絵がスゴい!!2013
い、いや、ピンナップの魔王軍も美味しいんですけどそんなことより261Pヒドい!!(褒めてる)

 激動のエンテ・イスラ編クライマックス。恵美と芦屋が人間・魔族両勢力の頭に据えられての攻防を食い止めるため、帰還した真奥・鈴乃に意外な面子が加わった第3勢力が乱入!!というお話。

 舞台は異世界、物語も今回はちーちゃんや梨香をはじめとした日本メンバーは一回お休みでのファンタジー決戦なのにあふれ出るこの生活臭がさすがでした!バイトのシフト計算をしたり、帰ってからの鈴乃への借りで頭を抱えたり、ちーちゃんへのお土産を吟味する真奥の生活臭もすごいけど、『冷奴と茗荷』の符丁は色々な意味でズルいと思う。普段は案外かかわりの薄い芦屋と恵美が、形こそ真逆だけど共に真奥(魔王サタン)という人物への信頼で堅く繋がっているのが、そしてだからこそ彼の乱入を信じているからこそ全力でぶつかり合う事ができるという関係性がよかったなあ。

 改めてエンテ・イスラに戻った事で本当に憎まなければいけないのが誰なのかが、そして思いこみや感情論に囚われなくなったことで魔族達の本当の姿が見えてくる。遂に長年の因縁から解き放たれて自分の気持ちに素直になった恵美が可愛い!!アルバートの語る、この物語の中で唯一残存勢力すら残していない四天王の1人・アドラメレクの“人”柄に胸が熱くなる。あと、鈴乃とリヴィクォッコのやりとりが地味に好きなんですけど今後このふたり絡んだりしないのかしら!!

 激動の異世界編は終わったものの、色々な意味で今後が楽しみになるような伏線がたくさん張られていて、続きもとても楽しみ。大家さんの正体も気になるけどそろそろニートのターンがもう一回くらい来てもいいと思うし、大家さんの家に監禁(違)されたガブリエルの動向も気になる。エンテ・イスラの情勢もこのまま平和に……とはいかないみたいだし、様子のおかしいちーちゃんも気になるし、なにより最後に現れたあの存在は何なのか。新展開になるであろう次巻がとても楽しみです。


 ところで、BD/DVDの6巻限定版付属の書き下ろし小説『はたらく魔王さま!2.8』がとてもよかったです。5.5はちょっと原作本編にも絡む要素があって、これは出来ればBD特典ではなくて普通に出してほしかったなあ、と思ってしまう部分もあったのですが(内容はとても面白かったけど)、こちらは本編には絡まない、なおかつ原作を読んでいないアニメだけのファンでも過不足なく楽しめる内容でなおかつ3巻を読み返したくなるようなお話になっていて、「特典小説」としては内容も含めたいへんよかったと思う。

 漆原が正しく「ニート堕天使」してるというか、家庭内での無能っぷりにニヤニヤが止まらないのですがそれとは真逆で芦屋さんの有能ぶりに歯止めが掛からなくてやばい。ペリプラネータ・フリッジノーサの破壊力やばい。わざわざ通称じゃなくて学名使う辺りとかジワジワくる。

 男子萌え的に真奥主従の散髪話にはニヤニヤせざるをえなかった。日常エピソードにおける個人的最高レベルの萌えシチュエーションなんです散髪!!ありがとうございます散髪!!!
はたらく魔王さま! (6) (初回生産仕様:和ヶ原聡司書き下ろし小説同梱) [Blu-ray]

はたらく魔王さま! (6) (初回生産仕様:和ヶ原聡司書き下ろし小説同梱) [Blu-ray]
逢坂良太、日笠陽子、細田直人
発行日 :2013/12/04
ポニーキャニオン


はたらく魔王さま! 11

 
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魔王たちの尽力で異世界エンテ・イスラから無事帰還した恵美。しかし長期の無断欠勤により、テレアポのバイトをクビになってしまう。追い打ちをかけるように、魔王は救出に掛かった経費を払えと、請求書片手に恵美へと迫る。その額、なんと三十五万円!悪魔に借金などプライドが許さないのか、恵美は貯金を崩しながら新たなバイトを見つけ、返済しようとするのであった。一方その頃、大家のミキティによって病院に隔離されていた漆原の身体には、ある異変が起きていた…。フリーター魔王さまの庶民派ファンタジー第11弾。勇者の新たなバイトのせいで、勤勉な魔王がまさかの出社拒否に!?(「BOOK」データベースより)

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 エンテ・イスラから無事帰還することができた恵美だが、予定よりも大幅に長く異世界に居た結果、無断欠席でバイトをクビにされてしまっていた。しかも真奥が異世界での経費を請求しにやってきて……そんな彼女が選んだ「新しいバイト先」とは!?というお話。

 日本に帰ってきた恵美の態度がいままでと勝手違いすぎて振り回されるというかひとりで空回りする真奥さんが微笑ましすぎる。特に恵美の面接から彼女の出社当日に至るまでの真奥さんの本気の動揺ぶりがかわいすぎて、世界がヤバイ。このシリーズでこんなに笑ったのはじめてかもしれないってくらいに爆笑した。あのワーカーホリックの魔王様が「会社に行きたくなーい!」「はたらきたくなーい!」と合唱する様が新鮮すぎた。

 元はといえば魔王と勇者、わざと角を立てて対立することでバランスをとっていた感のあるふたり。それが、恵美が現状を受け入れてある程度割り切りをもったことで完全に真奥の一人相撲状態になってしまっているのがほほえましかった。しかし、これまでの関係がいかに真奥が「わざと魔王と勇者としての距離感を崩さない」ことで成立してきた関係なのかと改めて実感するエピソードでもありました。

 やっぱり、異世界を踏まえたシリアス展開も良いけど、日本の東京で勇者と魔王がドタバタしてる時が一番輝いてるなあと思ってしまった一瞬。いや、エンテ・イスラ編も面白かったんですけどね!!

 一方、そんなほのぼの(?)やってる横で、一気に二つの世界の謎が明かされてきてるわけなんだけど、それでも核心に至る所までは届かないのがもどかしい。事情を知っている風のミキティからの情報も大きいんだけど、ライラとのつながりが大きいエミリアの父・ノルドからの情報がかなり大きかった。というかライラさん予想以上にフリーダムな人だ……。次巻には天界側の事情をもっと知っているであろう「彼女」からの話も聞けるだろうし、そろそろ昏倒したままの「彼」も復活かな?と思うので、12巻を楽しみにしていたいとおもいます。

 しかし、ノルドが様々な便宜を計ってくれた“佐藤”って、ネカフェ難民してたガブリエルと仲の良かった“佐藤”と同一人物?これまであまり重要人物と思ったことなかったんだけど、この人も物語に絡んできそうだなあ。



 そういえば魔王さま短編のついでで買った「電撃文庫MAGAZINE 電子限定号Vol.1」掲載の和ケ原先生の短編「A SCREEN OF JUSTICE」が凄く面白かったです!ハンスとジョーンズのいかにも気心知れた悪友っぽい会話と、ジョーンズを煙に撒くハンスのトンデモ話にニヤニヤしてたら、最後の方で全力で突き落としてくる展開たまらない。もう本誌自体は配信してないみたいなのですが、公式サイトの試し読みは残っているみたいです。凄く好きなお話だったので、連載化とはいかずともそのうち何かに収録されるといいなあ。


はたらく魔王さま! 0

 
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赤い空と大地が覆う魔界の地。弱小部族出身の少年悪魔が、かつて魔鳥将軍と恐れられた老悪魔カミーオと激しい口論をしていた。少年の名はサタン。後に魔王サタンとしてエンテ・イスラ征服に乗り出すが、今は非力な一悪魔であった。サタンは二大勢力の蒼角族と鉄蠍族に対抗するため、強大な力を持つハグレ悪魔ルシフェルを味方にしようとしていた。ルシフェルとの出会いからアルシエルとの激突までを描く、魔王達の始まりの物語を書き下ろしで収録。さらに勇者エミリアの旅を綴った書き下ろし短編に、魔王達が日本に来てすぐの年末年始を描く「電撃文庫MAGAZINE」掲載の短編をプラス。庶民派成分控えめの特別編! (「BOOK」データベースより)

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 サタン、エミリアの過去編を収録した短編集。

「はたらく魔王さま達!-a long time ago-」
 少年時代のサタンが弱肉強食の魔界で、『知恵』を武器に一癖も二癖もある荒くれ者達を味方につけていくのがとても楽しかった!ただ力の弱い者が知略を弄すのではなく、最初は誰よりも弱いところから、少しずつ仲間にした魔族達から「学び」「成長」していく姿にワクワクする。特にルシフェルを仲間にするところとか、いかにもという感じで好き。良くも悪くもルシフェルの立ち位置は今も昔も変わってないのが美味しかったです。

 力を誇示するだけが全てだった魔族達の中で、唯一「知性」を使い一族を増強してきた鉄蠍族の長・アルシエルとの決戦がまた熱い。それでも、この物語の最後の時点ではアルシエルは忠実な魔王様の部下ではなくていつか寝首をかいてやると虎視眈々と狙う元敵将でしかないんだよなあ。個人的にはアルシエルがどうしてこんなにサタン様一筋(違)になったのか、この物語では語られなかった四天王・マラコーダ周りの話も含めて読んでみたい所。

 短いシーンだけど、ラストの千穂の言葉に対するアルシエルの反応が好き。なんかこう、細かいところで「人間」と「魔族」の考え方の違いが示唆されているのが興味深かった。

「はたらく勇者さま達!-a long time ago-」
 魔王を倒すために旅をしていたエミリア一行が、とあるトラブルに遭遇して……?というお話。あとがきでも触れられている通りまだ「正義」をやってた頃のオルバがとても新鮮なんだけど、そんなオルバがたまたま近くに居たベルに完全に振り回されてるのにニヤニヤした。この爺さん、悪役でもいい人でも割りと振り回され体質だよね……。

 そしてベルが色んな意味でフリーダムすぎて笑ってしまう。なんか結構異端審問官時代は黒歴史というか色々本人にとってはつらい思い出……みたいなイメージだったけど満喫してるじゃないですかー!!ラストのドヤ顔想像するだけで可愛いズルい。

「悪魔と勇者と女子高生-A happy new year-」
 クリスマスに、突発のバイトでコンビニのケーキ売りをすることになった真奥と芦屋。夕方になった頃、OLと思しき女性が現れて……?

 この短編集唯一の庶民派成分。物語が始まる前の年末年始、まだ面識のなかった真奥と芦屋、千穂、恵美が面識のないまま出会うお話。知らない人同士として出会う4人のやりとりがびっくりするほど新鮮で、本当になんてこともない、とりとめもない年末年始のお話なんだけど、それがびっくりするほど面白かった。他2編が魔王さま的に物凄く「非日常」な物語だけにほっとするというか安心感もあるなあ。


はたらく魔王さま! 12

 
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銀髪となった漆原の病室に集まった一同。皆の前で恵美の母親であるライラがこれまでのことを告白すると、勇者として、娘として、恵美の怒りが大爆発!過去の真相を知った恵美は、ライラとの大喧嘩の末に病室を飛び出してしまう。追いかける千穂と鈴乃だったが、二人は恵美を見失ってしまい…。一方マグロナルド幡ヶ谷駅前店では、新サービスのマッグデリバリーがスタート。レッド・デュラハン一号(店のバイク)で街を駆け巡る魔王も、母親と大喧嘩した恵美のことを気に掛けていた。庶民派ファンタジー、混沌の第12弾!勇者と天使の壮大な母娘喧嘩に挟まれて、魔王さま大ピンチ!? (「BOOK」データベースより)

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 母・ライラの話を聞き、怒りを露わにする恵美。彼女だけでなく、真奥も非協力的な態度を貫いていた。エンテ・イスラを巡る状況が膠着する中、マグロナルドではいよいよデリバリーサービスがスタートして……?

 復活した途端、自然に「お隣さん」の位置に収まってるガブリエルと、デリバリーが始まったのを良いことに大量注文で木崎さんを呼びつけるサリエルに笑ってしまった。ライラといい大天使勢がフリーダムすぎる。そして大天使側以上に人間世界に馴染みすぎなやりとりを繰り広げる芦屋と漆原のやりとりが微笑ましすぎて笑うけど本当にそれでいいのかこの人達。

 前巻から引き続きエンテ・イスラに関する様々な真実が明かされて、その一方で恵美の元後輩の清水真季や真奥のマグロナルドでの同僚・川田など、今まで殆ど描かれてこなかった周囲の人々の姿が鮮明に描かれているのが個人的には凄く面白かったです。恵美はなんというか……むしろ女子にもてるタイプですよね…。

 恵美親子の不和をきっかけに、これまで見据える暇もなかった“未来”のことを考える恵美や、そんな彼女の姿から自分の将来を考える千穂の姿が印象的でした。千穂の進路の話は色々胸に刺さるけど、大人になってみると真季が語るその進路選択の仕方は凄い納得できるなあと。

 これまでの「かつてのサタンを導いた大天使」のイメージが強すぎるせいもあるんだろうけど、自分が表舞台に立たず事態を裏から動かして窮地になればサタンやエミリアを頼り、ふたりに拒否られてノルドの背中で涙目になってるライラには「これはエミリアもキレるわ」としかいえないんだけど、サタンの考えを聞き、サタンの「やり方」に合わせた形で攻め方を変えてくるあたりには流石に年の功を感じるというか本当に図太いなこの人……恵美は強く生きて欲しい。

 ラブコメ的には空前の恵美回で、勇者の挟持とか色々見失いがちだった上に突然の母の登場と、母の側に立つ父の姿に目的も見失う恵美のデレが可愛すぎて凄いんだけど、これで恵美が真奥への好意を自覚してしまうとラブコメ的な意味でどう転がってしまうのか。アニメのおかげで千穂ちゃんの百面相が目に浮かぶようで微笑ましいけどほんとこれは先が読めないな……。