ページ 189 | 今日もだらだら、読書日記。

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少女には向かない職業

オンライン書店ビーケーワン:少女には向かない職業少女には向かない職業

発売:2005.9
発行:東京創元社
[著]桜庭 一樹
GYAOでドラマ版をネット配信するとのことで読んでみました。
その前からタイトルに惹かれるものはあったのですが?…。

「中学二年生の一年間で、あたし、大西葵十三歳は、人をふたり殺した。
夏休みにひとり、それと、冬休みにもうひとり。
武器はひとつめのときは悪意で、もうひとつのときはバトルアックスだった。」

という印象的な文章で始まり、主人公こと大西葵がいかにして人を2人殺すに至ったかという顛末を描いています。ミステリー関係のレーベルから出てる割には特に謎解き要素はありませんが富士見ミステリーも似たような感じなのでそんなものなのかな、ミステリーレーベル。

きわめて普通の女の子がちょっと変わった女の子に出会い、変わっていくという過程は同氏の「推定少女」と似たようなイメージですが、「推定少女」よりも格段に救いがありません。また、全編通して描かれる各キャラクターの行動や心情が非常にリアルで、“殺人”という非日常を描いた小説でありながらそんな事件はどこにでも転がっていそうにも思えて別の意味でゾっとするものを感じます。特に女の子内の「グループ行動」の醜さって奴は色々な漫画でも取り上げられるネタではありますが人殺しのシーンよりもゾっとしました。

また「ド田舎」+「ゴスロリ少女」というのも情景を想像すると非常にミスマッチで異常性が引きたってて良いです。ただ最近都会っ子にはゴスロリ少女はちょっと珍しいくらいの存在程度でしかない気がするので田舎とセットでちゃんと想像しないと「なんでゴスロリ?」って感じになりそうな…私は↑の単語の組み合わせで真っ先に「下妻物語」を思い出してしまいました。

どこか稚拙な殺人計画といい、等身大の少女達のリアルな心が感じられて面白いと思います。オススメ!

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蒼穹のファフナー(再読)

蒼穹のファフナー蒼穹のファフナー

[著]冲方 丁 [絵]平井 久司
Amazonで詳しく見る
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アニメ「蒼穹のファフナー」のノベライズ。
以前友人に借りて一度だけ読んだことがあるのですが、当時はアニメ版を見る前で良く判らないまま読んでいたので自分で買って再読してみました(積読本の予備を鞄に入れるの忘れて帰宅中暇だったので…)

ストーリーはアニメの設定を下敷きに書かれたオリジナルのストーリーになっています。キャラクターもメイン以外のキャラはほとんど出てこないし人類軍も出てきません。またマークゼクスが永久欠番になってたり、甲洋や真矢に超能力的な力が備わっていたり、と細かい設定に違いがあります。

アニメでは何の活躍もせずに死んでしまった蔵前がかなり出張っている事(RIGHT of LEFTではメインキャラらしいですが…)に加えて翔子の話の比重が非常に大きいです。特に翔子は重要キャラの割にあまりキャラクターの掘り込みがされないまま逝ってしまった観があるので好きな人には必見かと。(小説版の翔子ちゃんは健気で天然でめちゃくちゃ可愛いです(笑))また、真矢がヒロインに格上げされてますねー。全体的に女の子の扱いがよくなってる印象。

逆にアニメと違って総士と一騎の絡みは殆ど無いのでそちらに萌えな腐女子さんには辛いかも?(前半は下手するとアニメ版よりも総士×一騎ですが)というか総一萌えしたいなら同氏の「ストーリー創作塾」が一番萌えられるかと!

この他、色々アニメでは深く語られていない設定や設備・各キャラクターの行動の真意や心情が丁寧に描かれていますのでアニメ版が好きだった人にはオススメです。メインキャラでも咲良達3人や乙姫は出てこないのでその辺が好きな人には微妙かもしれませんが…(いつかもう一作くらい出してその辺を補完して欲しいな?(笑))

■参考リンク
 ・「蒼穹のファフナー」初読感想

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天空のアルカミレス

オンライン書店ビーケーワン:天空のアルカミレス天空のアルカミレス

発売:2006.4
発行:メディアワークス
[著]三上 延 [絵]純 珪一
「シャドウテイカー」の三上さんの新シリーズ。

シャドウテイカーはどちらかというと守られ主人公と戦うヒロインというカンジだったのですが、今回は主人公がちゃんとヒーローしてます(笑)ヒロイン二人も妹的存在な幼馴染と謎の転校生で偉くストーリーも王道展開をひた走ってます。個人的には断然ツンデレと見せかけてかなり天然、な日向子推しです。

しかし、このタイプの主人公を際立たせるには多少は仕方ないんだろうけど、日向子の戦闘力がなんというかかませ犬すぎる…最初から出てきたのが最強部類の敵だったから仕方ないとはいえもう少し戦闘的な見せ場があっても良かったんじゃないかなあとか思ってしまうのですが(雑魚敵一匹をかっこよく倒すような見せ場くらいあっても良かった気がする)
逆に礼菜は無力キャラですが色々秘密がありそうなので今後が色々と楽しみ。東京アンダーグラウンドの某正ヒロインみたいに「序盤で攫われたまま出番ナシ」っていう展開だけは避けて頂きたいですが…というか全体的にこの話、東京アングラに似てるなあ。

王道展開大好きなのでめちゃくちゃ今後が楽しみです。

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ガンソード 夢見る頃をすぎても

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発売:2006.1
発行:角川書店
[著]倉田 英之 [絵]植田 洋一
2005年秋から放映されていたアニメ「ガンソード」のノベライズ作品。
アニメ本編第一話の前となる話だそうです。

メインキャラクター?の3人を主人公にした短編的な小説が3本。3本とも全く毛色が違い、またアニメ本編前のストーリーとなっているためアニメを見ていないと判らないといったような部分が全く無く、またアニメを全部見た人にも美味しい内容となってます。アニメを見たことが無い人はそのままアニメへ?という形になっており、ノベライズとしてはかなり理想的な形じゃないでしょうか。

2章のカルメンの話もかなり好みな話なのですが、やはりなんといってもラストのヴァンが主役の短編がぶっとびすぎで面白いです。
というか、あれって明らかに天才バカb(強制終了)
版権は大丈夫なのか!?

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召喚士マリアな日々 熱湯編

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発売:2005.12
発行:富士見書房
[原案]安田 均 [著]北沢 慶 [絵]四季 童子
「ファンタジアバトルロイヤル」で連載された召喚士マリアの外伝的短編集。

面白かったけど、本編が元々こんなノリだから他の作品の外伝に比べてイマイチ破壊力がないような気が。ただ本編のギャグノリ(つうか、エロノリというか…)が増えただけの縮小版という感じなので短編のありがたみが無いなあ。(その前に読んだ「9S SS」がかなり個人的に神だったので、比べてしまうというのはあるかも)

特に書き下ろしの「サザンクロースによろしく」が微妙。もはや途中からノリがあかほりさとるみたいなノリになってる上、サザンクロースの中の人はひょっとしたら既存のモンコレ系のシリーズに出てる人なのかなんなのか、特に正体を思わせる描写も無いのに明らかに途中から「読者のみんなはもうこいつの正体わかってるよね!」ってノリでドン引き(前半で“ラ…もとい”的表現があったから、多分シリーズ関連作品を読んでいれば当然皆知ってる人なんでしょう。マリアの兄貴ともかかわりある人だったようですし。)

明確な同一シリーズじゃない以上「マリア」シリーズ以外のシリーズを読んでいることを前提としたネタはやめていただきたいんですけど、わがままなんでしょうかね?。

そして全編に渡って展開される、本編では書くの我慢してたんだろうなあ?と思われる百合全開なサービスシーンの数々…レズハモウイイデスorz

面白いことは面白かったけど格別どこが面白かったってのがないんだよな?…シリーズ全体から比較するとやっぱイマイチです。
四季童子さんの描くメイドマリアに萌えたのでそれでいいy(強制終了)

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とある魔術の禁書目録(インデックス) 10

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発売:2006.5
発行:メディアワークス
[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ
間髪居れずに後編読了。

いや?今回、兎に角男三人が熱すぎる
9巻のやりとりでもかなり熱かったですが今回は更にヒートアップしてますね。路地裏でステイルが当麻を叱り付けるシーンなんかまさに熱すぎ。基本的に女の子が出張っているこのシリーズでは珍しい漢率の高さだったと思います(笑)

逆にラストは展開が展開だったのでイマイチ盛り上がりや熱さにかけると感じたのですが、あの終わり方は終わり方でよかったかと。逆に、静かな熱さというか、ジーンとくるものを感じました。そしてエピローグで黒幕達の思惑が少しだけ明かされるのもそれまでのじんわりほの暖かい展開からの対比を感じて引き立ってる気がします。とにかく個人的には全く文句なしです。
つか、いつも当麻が相手をぶん殴ってイイこといって終わりというのでは流石にマンネリ感ありますしね。

残念だった点を挙げればやはり吹寄が最後までゲストキャラのままで終わってしまった点でしょうか。事件を何かの拍子にかぎつけて一番いいところで乱入してくるとかそんな展開を期待してたんだけども。今までは各巻必ず中心核となるヒロインが居てそのキャラを守るために当麻が奮闘するというパターンだったけど、今回はインデックス・姫神・吹寄と当麻の「原動力」たるキャラが3人も居た為か、なんだかその辺が薄いというかなんというか…うーん。当麻は正直「みんなのため」に動き回るキャラではなくて、毎回対象が違うにしろ「一人の誰かの為」に動くキャラだと思うのですよ。全体的に、7巻までのシリーズ展開と8巻、9巻10巻は毛色が違う感じがするので、色々模索中なのかもしれませんが。

ただ、今まで存在の薄くなりがちだった姫神や小萌先生に焦点が当たったのは高評価です。いや、特に姫神は一度ヒロインを張ったにもかかわらず、明らかに性格的にも「薄い」なあと感じていたので…。
そして今回の隠れた裏主役はやはり小萌先生かと(笑)前巻の棒引きの顛末といい、今回の奮闘といい、美味しい所もっていきすぎです。もっと美味い事ステイルさんと絡ませて出してあげて欲しい!

そして今回もローマ正教の人は素敵壊れっぷり。
リドヴィアはうまいこと生き延びててまたどこかで立ち塞がってきそうで怖いです…。

あとはやはり運動会のエピソードが前巻の最初だけであっさり終了してしまったのがちょっと残念。設定からしたら、この運動会だけで1冊ラブコメちっくな短編集(ないんえす?みたいな感じの)が書けそうだと思うんですがどうですか!?

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とある魔術の禁書目録(インデックス) 9

オンライン書店ビーケーワン:とある魔術の禁書目録(インデックス) 9とある魔術の禁書目録(インデックス) 9

発売:2006.4
発行:メディアワークス
[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ
学園都市内の学校が合同で行う超・大規模な運動会“大覇星祭”に魔術師が侵入し…いつもの展開で当麻達が事件を追うことになる、という話。このシリーズでは初の「前編」。

後半の王道お約束的盛り上がりは次巻持ち越しの分、今回は各キャラクターの動きが熱いです。当麻・土御門・ステイルというメインで動く3人は勿論、新キャラの吹寄や小萌先生に至るまで基本的に熱い。特に序盤の棒引きでの小萌先生とクラスのみんなのやり取りがいい味出しすぎです。更に最早ラブコメ担当…というよりもツンデレ担当の御坂最高!!すっかりヒロインの座をインデックスから強奪してしまっているような気がします。

しかし、珍しく漢率の高い巻でしたねー。中盤で展開される漢3人のやりとりは非常に燃えます。吹寄の活躍は次巻になってしまうのでしょうが、割合好きなタイプの女の子なので次巻に期待。彼女が倒れたときの当麻と吹寄のモノローグが非常に好感。


なにはともあれ、このシリーズは「燃え」があればOKと思うのですが、どうですか。
端的に言えば当麻や周りのキャラが熱いこといって王道展開をやらかしてくれればそれでよいのです。ある意味このシリーズの「萌え」なんて飾りみたいなものです。
偉い人にはそれが(略)

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召喚士マリア5 偽りに悲しみを、叶わぬ願いに真実を。

オンライン書店ビーケーワン:召喚士マリア 5召喚士マリア 5

発売:2006.4
発行:富士見書房
[原案]安田 均 [著]北沢 慶 [絵]四季 童子
マリアの「初恋」のお話…というか今までアルと繰り広げてきたラブコメの数々はノーカウントなんですか!?ってツッコミはおいておいて(いや、あれはきっと“友情以上恋愛未満”ってことなのかな?と自力で納得で。)

序盤は結構いつも通り(?)のラブコメ展開が続きますが、後半は非常に重いです。表紙のイラストを見た限りでも明らかにガルドさんとこのまま良好な関係を築いて三角関係がさらにもつれる!!みたいな展開はないのだろうな?と思っていたけど、予想通り…というか予想していた中でも一番切ない展開に胸がキュンとなりました。

また、同じ召喚士のガルドに触発されてマリアが成長していく過程も必見かと。シリーズ第一巻では召喚すら満足に出来なかったマリアが今回の話では同時召喚に成功。新たな召喚もマスターして、今後の成長に期待?(笑)

しかし、最近は主人公が最初から大きな力を持っている話が増え、この話みたいに地道な成長を描く話は貴重となってきた気が…。

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とある魔術の禁書目録(インデックス) 8

オンライン書店ビーケーワン:とある魔術の禁書目録(インデックス) 8とある魔術の禁書目録(インデックス) 8

発売:2006.1
発行:メディアワークス
[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

(都内本屋にて)
お、「禁書目録」新刊出たんだ?。今回はどんなキャラが出てくるのかな?(ペラッ)

ちょっと!店員さーん!これ中身間違ってるよ!
中身が「マリ●様がみてる」になっちゃってるよ?!!
え?違う?それじゃああれでしょ?
最近電撃で始まった「ストロベリー・パニ…それも違うの?

なんて冗談はさておき。

今回はお姉様こと御坂美琴を(ある意味妖しく)慕う常盤台学園の後輩、白井黒子が大好きなお姉様の為に孤軍奮闘する、というお話…と書くとまるで百合小説ですが、そんなことで引いてこの本を閉じてはいけません。

なぜってこの小説は「萌え」の皮を被った最強の「燃え」小説だからなのです。

元々、毎回王道的燃え展開だらけの燃えシリーズではありましたが、今回の燃えっぷりは半端じゃない。というか「女同士の友情」をこんなにも清々しく描けるのは最早才能ではないだろうか(個人的なイメージとして、女の友情ってどこかどろどろしているというか…兎に角そういうイメージが。)

一言で感想を言えばやはり燃え、です。
勝てない相手に、虚勢を張りながら敢然と立ち向かう黒子の姿が非常に燃え。
レストランでの対決シーンの挿絵の黒子に萌え萌え。
とりあえず、黒子MOE!(両方の意味で)

同時に今回可哀想なくらいに出番が無いながら、最後の最後でいいところ総取りな当麻に燃え。黒子という比較的「一般人」な立場から話を展開させることで、今まで他の最強キャラ達に押されてすっかり霞み気味だった当麻の能力のありえなさや、美琴の「超能力(レベル5)」が引き締まった感じで非常に美味しいです。この事件の解決は当麻が居なければ成り立ちませんでしたし。(しかも打ち消す能力がド派手だっただけに、元々地味な当麻の能力が非常に引き立って見えましたね?。)

オマケ。すっかりミサカシスターズの尻に敷かれてしまった一方通行の今後やいかに(笑)激しく気になります。

今回は本当に女の子キャラ率90%以上はあろうと思われるストーリーですが、燃え度はシリーズ内最高じゃないでしょうか。

とりあえず燃えたい人にはオススメですよ!!

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クビキリサイクル—青色サヴァンと戯言遣い

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発売:2002.2
発行:講談社
[著]西尾 維新 [絵]竹 
以前から読みたいと思いつつ、踏ん切りがつかなかったところを友人に貸してもらい、ようやく読むことが出来ました。

「ファウスト系」というとどうにも最初に読んだ奈須きのこの「空の境界」が性に合わなかったらしく、「回りくどく小難しく感情移入しづらい」というイメージがあったのですが確かに初めはくどくど気味で入り辛かったけど中盤からは一気に物語りに引き込まれました。ミステリーは基本的に殆ど読まないので新鮮というのもあったと思う。トリックがどうのとか自分で全く考えないで読んで行く性質なので、皆がどんなに簡単だというトリックでも殆どわからなくて新鮮に読めるんですよね(その分、トリックを自分で解く楽しみというのは殆ど経験したことが無いんだけども…)

お金持ちのお嬢様が“天才”と呼ばれるVIP達を絶海の孤島に集め、サロンのようなモノを作っていた所に殺人事件が起き、友人の付添いでやってきた主人公達も巻き込まれる、というのがおおまかな粗筋。島に集まっているのは天才の名前に相応しく変わり者ばかりで、それぞれのキャラクターの強烈な個性にクラクラしてしまう程。かなみさんあたりはある意味天才の歪んだイメージとしてはオーソドックス過ぎる気はしたけど…。

そして出番の殆どない“名探偵”こと哀川潤がまた素晴らしい個性の持ち主。本当に出番自体は少ないのに私の中に強烈な印象を焼き付けてしまいました。元々こういうキャラが好みだっていうのもあるけど。彼女の存在だけで一気に続刊を読みたくなったくらいです。赤音さんと潤さんが激しく好みです。

しかし、脇役が個性的すぎる所為なのか、主人公が悪目立ちしちゃってる気が…。主人公としては結構異質なタイプだとは思うんだけど、ちょっと諦観しすぎっていうか「戯言だよな」って言いすぎな気がしますよ!(「戯言シリーズ」っていうくらいだから言わなかったらタイトルに偽りありになっちゃうけどさ…そしてこういう主人公なのが戯言シリーズなんだろうから、しょうがないんだけどさ。)

とりあえず鬱主人公と呼ぶには感情の起伏がなさ過ぎるので(鬱になるのは自分の後ろ向きな感情を制御しきれない場合ですし)、このタイプをこのサイトでは勝手に低体温主人公と呼ぶことにしました。あと「殺愛」と「閉じられた世界 絶望系」の主人公も一緒に括るといいと思うよ。

さすがファウスト系の看板作品というだけのことはあり、面白かったです。
今回では明かされなかった主人公の過去とか、姫名さんの残した今後への伏線?っぽい発言もかなり気になるので続編も積読消化したら徐々に読んで行こうと思います。

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