ページ 96 | 今日もだらだら、読書日記。

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ココロコネクト ヒトランダム

 

文研部に所属する五人、八重樫太一・永瀬伊織・稲葉姫子・桐山唯・青木義文は、奇妙な現象に直面していた。前触れなく起こった青木と唯の“人格入れ替わり”。それは次々と部員全員に襲いかかり、彼らを異常な日常に放り込む。戸惑いつつもどこかその状況を楽しむ太一たちだったが、心の連鎖は彼らの秘めた心の傷をも浮かび上がらせ…。平穏が崩れたその時、五人の関係は形を変える!第11回えんため大賞特別賞受賞作品、愛と青春の五角形コメディ。 (「BOOK」データベースより)

ちょっと変わり者で人並みに悩みも持っているけど普通の高校生な5人組が、不定期にお互いの人格が入れ替わってしまうという不思議現象に遭遇して……というお話。

良い意味で5人の反応が「どこにでもいる高校生」的でニヤニヤする。不思議現象の大元を突き止めるわけでも、それぞれの抱える「悩み」を完全に解決させるわけでもないんだけど、その悩みを他人に打ち明けて共有する事で上手いこと消化し、自分の悩みと付き合っていこうとする5人の姿に胸が軽くなる思いがした。本人が物凄い異常だと思っていることも他人からしたらなんでもない事だっていう事はいっぱいあるよね。シリーズ名通り、他人と他人の「繋がり」がお互いを救う鍵になっていくというのが凄く良かったです。

それにしても主人公の太一君は典型的な一級フラグ建築士だよなあ。
基本的に彼が他の4人の悩みを聞いていくポジションだからこうなるしかないんだけど。

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空色パンデミック1

 

「見つけたわよ、ジャスティスの仇!!」「…はい?」高校受験の朝、駅のホームで僕はその少女と出逢った。彼女―結衣さんは“空想病”。発作を起こすと正義の使者とかになりきってしまうらしい。以後なぜか結衣さんは何かにつけ僕の前に現れる。空騒ぎに付き合ってられない。最初はそう思っていた。彼女を守るため世界を敵にまわして戦うことになるなんて、思いもしなかった―。えんため大賞優秀賞受賞、狂騒と純真の「ボーイ、ミーツ、空想少女」。(「BOOK」データベースより)

発作的に自らの空想の世界の住人になってしまう「空想病」の少女・結衣。高校受験の日に偶然彼女の「空想」に巻き込まれてしまった主人公は、何故かその後も彼女につきまとわれることに。なんだかんだで彼女の空想につき合わされていくうちに……というお話。

ちょっと不思議要素を孕んだ、それでも普通の少年少女達が繰り広げるボーイミーツガール……だとおもって読んでいたら、後半以降の展開に度肝抜かれた。結衣の空想が世界に広がり、空想が現実を侵食し、どこまでが『空想』でどこからが『現実』かわからなくなっていく。足元が揺らいでいくような感覚。空想が空想のまま終らず、周囲の人たちの認識を捻じ曲げて現実までをも書き換えていくのが凄かったです。

そしてこの作品のキモは色々な意味で最後の1Pだと思うのです。いえ、あまりにも自然に書かれているので最初全く気付かなくて、読書メーターの感想を見ていて読み直して噴出したのですが!!この落ちてるように見せかけてちっとも落ちてない最終ページ凄い。もうなんていうか「最終ページが本編」と断言してもいいくらいじゃないか。

2巻がここからどう展開していくのか、とても楽しみです。

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サマーウォーズ クライシス・オブ・OZ

   
原作
細田 守

ネット上の仮想世界OZで、“キングカズマ”として名を馳せる佳主馬は、ちょっとドジなアバター“マキ”と出会う。しかも“マキ”の本体である真紀は佳主馬がいるネットカフェの隣席におり、彼女が兄から預かったデータを狙う男たちに襲われていた。真紀を助けた佳主馬は、男たちから逃げるうちにそのデータがOZに莫大な被害をもたらすものだと知るのだった。真紀とOZを守るため、佳主馬と“キングカズマ”は戦いに挑む。日本中を感動させた名作アニメのオリジナルストーリー。(「BOOK」データベースより)

カズマを主人公にした「サマーウォーズ」の前日譚。OMCに挑戦してチャンピオンとなったものの、自分が何のために戦っているのかわからなくなっていたカズマが「OZ」の世界で助けた女の子を偶然リアルでも助ける事になって……というお話。

物語の舞台が「OZ」よりも現実世界を中心に描かれているせいか、最強アバターであるキングカズマというよりも年相応の男の子らしい中学一年生の佳主馬の一面が強調されていて、とても可愛かった。真紀の女の子らしい一面に触れてドキドキしたり、『敵』に負けて茫然自失となったりする姿がどこか微笑ましい。人よりちょっと大人びていて、頭も回るし、運動神経も良いけどやっぱりただの子供なんだなあ、とほっこりするシーンが多かった。

そんな佳主馬の孤独な戦いに助力する人々の姿が原作通りの爽快さで、読んでいて本当に楽しい!!特に栄おばあちゃんは相変わらず良い所持って行きすぎで困る。一家勢ぞろい、とまでは行かないけどやっぱり一筋縄ではいかないところを見せ付ける陣内家がマジ最高。そしてカズマを裏からサポートし続けるあの人の正体に途中で気付いてニヤニヤ。

そしてクライマックスのチャットバルーンを使った演出に震えた。ずっと「ひとり」で戦ってきたキングカズマが、自分が決して1人で戦っているのではないと気付いた瞬間。そしてなぜ自分が誰かに勝ちたいと願い続けるのかと自覚する姿に胸が熱くなりました。

サマーウォーズは複数のコミカライズ・ノベライズが出ているけど個人的にはこれが一番面白かった気がする。というかノベライズものでは久しぶりの大当たりだったなあ。超オススメ!!

しかし映画といいこの本といい、本当に理一さんは自衛隊という名で何の仕事をしてるんですかw

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魔王城五限目

 
鉄雄

魔王の遺児、歩く災厄―魔人。そう呼ばれる子供たちを守るため、「魔王」となることを決意したエイゴ。国王に直談判するため王都に向かって進軍を開始するが、その行く手には、義勇軍と正規軍の大部隊が待ちかまえていた。一方、王都で二十年前の魔王戦争について調べるハイナートとギビングは、その過程で、英雄のある秘密を知ってしまい―。過去の魔王の想い、英雄の願いと罪。すべてを知った魔王エイゴが選ぶ道とは!?好評シリーズ、感動の大団円。(「BOOK」データベースより)

魔王城シリーズ完結編。「魔人」の子供たちを守るため自ら「魔王」を名乗ったエイゴが、子供たちの居場所を作る為、国王の元を目指す……というお話。

エイゴたちの戦いが佳境に入るのと同時に、20年前の魔王と英雄の事情が明かされるんだけど、エイゴと同じように迫害される魔人達の為に立ち上がった心優しき「魔王」と彼を倒さなければならならず、その後良かれと思った行動が思わぬ結果を生んでしまった悲しき「英雄」の姿に胸が痛くなりました。エイゴ達の事情にしても、お互いにちょっとずつすれ違った結果が大きな悲しみを生んでしまったというのがやりきれない。

「英雄」を慕うあまりに取り返しのつかない過ちをおかしてしまったハイナートの最期に同情する気は起きないけど、最後に少しでも報いがあったことにほっとした。「吉永さん家」でもそうだったけど、本当にこの人の作品には「悪人」が居なくて、誰も彼も憎みきれないなあ。

エピローグはもう、エイゴの「ただいま」と思い思いの未来を得た子供たちの姿だけで感無量すぎるんだけど、最後の「魔王」エイゴの台詞に震えた。世界はそう簡単に変わらないけど、彼等の想いが結実したような幸せなエピローグに胸が熱くなった。

「俺は魔王だ。君を魔王城まで連れ去りに来た」


最高の物語を、本当にありがとうございました。




以下やや腐向け感想↓
今回は正直後書きも壮絶に破壊力高くて、ラストの1Pには思わず涙ぐんだりしてしまったのですが、各キャラの後日談が非常にやばかった!!

伯爵のその後やべええええええええええええ!!!!!
これは、憎まれ口叩き合う腐れ縁やら俺様に見えて実は苦労症キャラが大好きな私への挑戦状ですか!!エイゴと伯爵のじゃれ合いを妄想するだけでご飯10杯いけます。エイゴが他所の街に魔人拾い(違)しにいってるあいだにしょぼくれてる伯爵可愛いよ伯爵マジ可愛いよ!!!後日談のスピンオフ外伝化はまだですかとりあえず伯爵メインで1本書いたらいいとおもうんですマジそれやるべきだとおもうんです!!!

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忘却の覇王 ロラン

 

戦争に終止符を打つための婚儀から王女を救い出す――王室警護隊長ロランの選択は、帝国の存続を揺るがす危険な賭けだった。失われた世界の遺物、LT兵器。歴史から姿を消した魔族。敵軍総帥アメンティの野望。さまざまな謎と思惑が交錯する中、ロランは自らの運命と出会う――。「レイン」シリーズの吉野匠が贈るファンタジー巨編、開幕。

政略結婚させられそうになった王女の命により、彼女を結婚式場から盗み出した王室警備隊長ロラン。ただ逃げるだけなら簡単な頼まれごとだったのだが、エトワールは自分のせいで窮地に陥る母国を救い出せ、というとんでもない難題をつきつけてくる。危機的状況を打開するため、ロランはとんでもない計画を思いつくが……!?という王道ファンタジー。挿絵が「PandraHearts」の望月さん!!ということで久しぶりの表紙買いでした。

お転婆だけど心優しい王女・エトワールと腕利きだがやや(?)俺様なロランの(元とはいえ)主従とはとても思えないやりとりが美味しかった。わがままで自分勝手なように見えて実は心優しく責任感の強いエトワールと、なんだかんだで彼女の悲しむ顔を見たくないロランが時折見せるお互いへの気遣いにニヤニヤする。途中で二人の旅に加わったシオンを交えての三角関係なやりとりもポイント高し。

ファンタジーな世界観設定や本線の物語の展開にはあまり興味を持てなかったんだけど、まだまだ序盤という感じなのでこれから面白くなるのかなという気も。魔法の設定とか一部置いてきぼりをくらってる感が凄くあったんだけど、この辺は気にしてはいけないのか。

2巻を買うかどうかは、運よく発見できるかにもかかってる気がする。ガンガンノベルズってマジで、影が薄いというか売ってるところをあまり見かけないのですけど……。

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天使から百年 魔人と主人と廃棄物

 

「あたしはカイの魔人で力。あなたの敵は、あたしがやっつける」魔人・フジシロユイカは、カイに笑ってそう告げた。「今すぐ理解して欲しいのは、あたしは、あなたのものだってこと」この世界にはロードリーという、敵がいる。異形の彼らに対抗する適性が認められ、ターヴィス学院に強制入学させられた、英雄の末裔の少女・カイ。戦うために、彼女は別の世界の魔人と契約した。光と共に現れた自分の魔人を見て、カイは思う。人を殺す敵に立ち向かうなんて、こわい。本当は逃げたい。ここよりマシなどこかへ行きたい。でも、できることがあるなら。―それをやるしかない。これは、世界に立ち向かう方法が見つからない、少女たちの物語。(「BOOK」データベースより)

異形の存在「ロードリー」に対する適正のあると判断された人間たちを半ば強制的に生徒とし、それに立ち向かわせるため設立されたターヴィス学院に入学する羽目になったかつての英雄の子孫・カイ。入学式の日に突如現れたロードリーに立ち向かったところ、魔人を名乗る少女が現れて……というお話。

戦う事を忌憚し、自らを恥ずかしい目にあわせる(※戦闘シーンがとてもエロい)魔人「フジシロユイカ」に対して警戒と拒絶心丸出しなカイが少しずつ1人の少女としての「藤代唯香」に触れ、仲良くなっていく様子にとてもニヤニヤする。全体的に重苦しいものの漂う世界観の中、女の子二人ならではのキャッキャウフフなふれあいが一筋の清涼剤でした。

また、魔人システムの初成功例として常にロードリーと最前線で戦わなければいけないという過酷な運命を背負わせてしまった二人に対して、少しでも彼女達の負担が軽減されるようとする周囲の人たちの心遣いが温かい。特に同級生のジャンセンが微笑ましいのなんの。ユイカとの初対面でのヘタレ全開なやりとりには爆笑しましたが、ヘタレで役立たずながらも少しでも二人の役に立とうと奮闘する姿に心温かくなりました。

しかし、終盤の展開が些か急激すぎて、正直何がおきているのかさっぱりわからなかった……ユイカの住んでいる世界(=現実の日本?)に飛ばされた時は一瞬本気で何が起きたのか解らず。そして突然全ての始まりである時代の話に回想でぶっとんで……次巻はタイトル的にそのまま過去話なのか?うーん……とりあえず、次の巻で色々解らずモヤモヤしっぱなしなのが解消されるといいなあ。

それにしても、ユイカの戦闘シーンがエロい。
カイのキメ台詞(?)である「お帰しして」という言葉の上品さと、実際やってくる攻撃のエロさ・ユイカ側の台詞の下品さのギャップがさりげなく美味しいですね!

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はるかかなたの年代記 双貌のスヴァローグ

 

「…僕って、トラブルに引き寄せられる体質だったっけ!?」フラムスティード学院の入学式に向かう途中、女性顔に悩む少年・ユウは不良に絡まれる子供をかばう、菫色の瞳の少女・カティアと出会う。超常能力“換象”を用いてユウとカティアを傷つけようとする不良から、同じく“換象”で彼らを救ったのは、クリスという名の少年だった。これをきっかけに友情を育み、共に学園生活を送ることとなった三人。だが、ユウには誰にも言えない秘密があった。それは、ある時から彼の身体に“チョールト”と呼ばれる人格が共生していること。しかし、カティアとクリスにもそれぞれ秘密があって?はるかかなたの物語が、今この時より紡ぎ始められる…。 (「BOOK」データベースより)

地球からはるかかなた離れた惑星で“換象”という超能力を得て、開拓された世界。とある事件をきっかけに、<チョールト>と名乗る人格と共生するハメになった少年・ユウ。元に戻る方法を探すため国際教育機関・フラムスティード学院に入学したが、入学式の日に不良に絡まれている同級生と出会って……というお話。

チョールトには高いの能力があるけど本人は学園内では落ちこぼれ程度の能力しかなく、チームメイトとなった二人もかなりの優等生というような状況でも他人の威を借りて奢る事も卑屈になることもなく、ただ前向きに努力しようとするユウの姿が印象深かった。そして軽口を叩きながらも彼の努力を正当に評価して見守っているチョールトとの関係がとても美味しい。ユウの中で行われる、ユウとチョールトのやりとりにはいちいちニヤニヤが止まりません。

天才型でその身に大きな秘密を秘めた少女カティア、高い能力ではなく工夫と努力で生徒達の頂点に立つ努力型のアレットという二人のヒロインも可愛い。お互いがお互いを護り合おうと誓ったユウとカティアの関係も大好きだけど、ユウの道行きを指し示す「先輩」であるアレットがユウの居ない所で覗かせた少女らしい一面が可愛いの何の……その外にもとにかく魅力的なキャラクターが多くて、各所で惹きつけられました。

ただ、唯一残念だったのはユウとカティアとクリス、3人の物語のようでいて最後の1人であるクリスが殆ど空気になってしまっていることか。中盤意図的かと思われるほど彼が絡んでくる描写がなかったのでひょっとして………なんて思ってしまったけど正体をにおわすだけで終ってしまったぜ!!次巻があるなら是非ともクリスの活躍をお願いします。っていうかユウとクリスの男同士の友情推しを是非、お願いします。

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GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン3(中)

 

蘭西領のIZUMOにて動き出した各国と個人の複雑な関係。その中で武蔵が取る選択とは?そして彼らが向かう先に、それぞれ待っているものとは?六護式仏蘭西との戦闘がIZUMO上で展開する中、欧州覇者となるルイ・エクシヴや、その妻、毛利・輝元の参戦を経て、ついにはミトツダイラの母である巨乳の人狼女王までが戦闘に参加してカーチャン無双の時代がここに…!この戦闘を経て、一体、誰が何処に向かうのか。中世の日本と世界各国が同居する“極東”を舞台に繰り広げる学園ファンタジー第6巻。

だめだ、「さん、はいっ」が忘れられない
そんなわけでようやく登りきったぜこの830Pを………まだまだ1000P越えなかったから今回は薄かったよね、なんて絶対言わないんだからな!!なシリーズ第3弾という名の第六巻。今回は全体的に、公衆の場で開けない挿絵が多かったですね!!

今回は上巻からちょくちょく登場してきたM.H.R.R.とP.A.ODAの一部面々が本格顔見せ。キャラも増えるし戦局も増える。ネイトのカーチャンこと人狼女王に誘拐された武蔵総長を助けに行ったネイト+点蔵カップル+ナイト、松永久秀の策によりマルデブルグへと向かう事になったその他の武蔵面々+αの二方面だけでも把握が一杯一杯なのに、そこに国境付近で激突する瀬戸内海戦を追加するのは酷いと思うの!!正直最後の100Pくらいは戦局の把握が追いつかなくてちょっとおいていかれ気味だった。

今回はやっぱりP.A.ODAとM.H.R.R.の男子達の動向から目が放せませんでした。境ホラにもついに男子萌えの時代が!!M.H.R.R.側は傀儡美味しいですもぐもぐなマティアス&昼行灯の香りを漂わせるゴースト・前田、P.A.ODA側は御市様LOVEで破天荒な柴田&前回あんなに豪胆に登場しておいたのに今回いきなり下っ端臭を漂わせ始めた佐々の両コンビのやりとりがたまらない。特に柴田と佐々は、仲悪し(と書いてなかよし、と読む)で背中合わせな先輩後輩具合に普通にニヤニヤが止まらない!

そのまま俺が轢き掛けたので、襟首掴んで持ち上げたのであった。
そうしたら、人妻が連射してきて成政が頑張った。結果として、俺は無事だ。
「だったらいいか」
そして成政が重いのでとりあえず放り捨てようとすると、振り向かれた。
「おいコラ、先輩だろうと礼くらい言え。命救ってやったろうが?」
「今、貴様の命を俺の不機嫌から救ってやったから帳消しだぜ……!」
「汚え——!!」


その一方で、歴史再現により決定付けられている互いの将来についてのちょっとシリアスなやりとりも良いなあ。敗北する未来を逃げずに受け入れた上でM.H.R.R.の二人にその後を委ねようとする二人の姿が印象的。本当に、この2人のコンビは今後の登場が楽しみすぎます。

とりあえず他は語り始めると長くなってしまうので印象深かったポイントを一言で言うと「土下座対決で爆笑」「人狼女王夫婦パネエ」「点蔵メアリ/立花夫妻のナチュラルお惚気攻撃」「フラグをたてまくるヒロイン男(全裸)」「ストーカー眼鏡の執筆速度に嫉妬」ってかんじでしょうか。シェイクスピアは本当に……今からでも遅くはないので転校しろといいたい。いえでも、こんな微笑ましい遠距離恋愛を続けてくれるならずっと英国にいるべき……キュン……。

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フルメタル・パニック!11 ずっと、スタンド・バイ・ミー(上)

 

ついに明かされたウェスパードの謎。歪んでしまった時間を元に戻そうとするレナードとかなめ。その行いに単純な善悪論を超えたものを感じ、歯切れの悪い宗介。戸惑いながらもかなめを取り戻す、最後の戦いが始まる!

約2年半ぶりの新刊ひゃっほおおおおおおお!!!!!
待ちに待った「フルメタル・パニック!」シリーズ本編完結編・前編。アマルガム本拠地となったメリダ島に最大級のTAROSが建設されようとしていた。レナード・かなめが起こそうとしている「歴史改変」を食い止めに行こうとするテッサ達だが、その動きを分断する為にアフガンに核の脅威が迫り……というお話。

しかし色々な「線」が終わりに向けて収束していく様は圧巻。さりげなく登場するあんなキャラやこんなキャラたちの登場に胸が熱くなる。特にセイラー艦長率いる<パサデナ>とテッサの戦いは、事前に『ベリー・メリー・クリスマス』を読み返しておいて本当に良かった。あとは、やはり「つづく?」から1年後のどこか寂しげな陣代高校の様子がしょっぱなからカウンターパンチだったなあ。校長先生の言葉にはしょっぱなから泣いた。

長かったお祭りがやっと終るかのように、終わりへと向けて動いていくそれぞれの姿が印象的でした。クルツの死を引きずるマオ、カリーニンの代わりを務めてきたクルーゾー、1人の少女が本来背負いきれない重責に耐え続けたテッサ、テッサにどこまでもつき従おうとするマデューカス、そして宗介……と、誰も彼もに死亡フラグが透けて見えるのは演出なんだと……ブラフなんだと信じたい!誰が死んでもおかしくない状況だけど、なんとか全員で切り抜けてほしい。特に、クルツを失ったマオの様子が痛々しくて……なれない冗談で必死に慰めようとする宗介の不器用な優しさが胸に痛くて。

「ねえ、お願いがあるの」
「これが終ったら、もうやめなさい。あたしらみたいなろくでなしのことは忘れて、ちゃんと自分のために生きて。銃なんてもう二度と持たないで。人に優しくして、心から笑えるような男の子になって」
鼻をすする音。彼を抱きしめる力がぐっと強くなる。
「あなたになら出来るはずだから」


少しずつ成長し、宗介と共に悦びも悲しみも分かち合い人の死を悼み、着実にAIを越えた「自我」を持ち始めたアルが、最後の戦いにどのような力を見せるのか。宗介はかなめを救い出す事が出来るのか。そして何より、笑う事も泣く事も「出来ない」宗介が心から笑って泣いて、普通の少年として生きていく事が出来るのか。全ては来月の完結編へ。
もう来月が楽しみでなりません。

だったら自分は何者なのか?
それなら決まっている。ここまでの戦いで確かに実感した。
俺は兵隊だ。






最後にネタバレ防止に保護色で一つだけ叫ぶ。
生きてた!!クルツ生きてたよひゃほおおおおおおおおおおお!!!!!!下巻楽しみ!!!クルツ復活ちょうたのしみ!!!!!かっこよくマオ姉さん助けに来てくれるんだよねそうだよねええ!

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アンチ・マジカル 魔法少女禁止法

 

『魔法少女禁止法』制定から10年。一切の魔法少女活動が禁止された世界で、引退を拒否して非合法のまま活動を続ける魔法少女がいた――。 気弱で女の子みたいな所のある少年・佐倉真壱は、彼女に助けられたことがきっかけで女装魔法少女となり、元魔法少女達を狙って起こる事件を追いかけることに……。

「魔法少女」が実在し、そして不要になった世界。多くの魔法少女が自ら杖を置き、魔法少女活動が非合法となった社会で最後の魔法少女として戦い続ける少女と彼女に憧れて魔法少女になった『少年』のお話。

早い話が立ち向かうべき敵を倒してしまった魔法少女たちがその後も異能を持ち続けたらどうなってしまうのか。一握りを除いて決して幸せな未来をつかめたわけではない彼女達の「その後」の姿。(多くは異能と戦う為に与えられた)力が同じ人間に向いたらどうなるのか。まさしくこの作品で言う「第三世代」の魔法少女アニメで育った人間としては着眼点や発想が物凄く面白くて、一気に読み進めてしまいました。自らの立場を利用してのし上がった者もいれば全てを忘れて一人の少女としての幸せを掴む者もいる。その一方で「1人の少女」に戻る事が永遠できなかった少女達の姿が容赦なく痛々しい。

ただ、着眼点はや容赦のない展開は面白かったんだけど、時々擬音描写や残酷描写に独特な陵辱ゲー臭を感じてしまい、なんだかなあ……と思ってしまう事もしばしばありました。と思ったらまさしくそっち系のゲームのシナリオライターさんなのか……露骨な陵辱表現はありませんが、そっち方面の耐性が低い人にはかなり辛いかもしれません。ていうか同じ事をやるにしてももうちょっと表現をソフトにしてくれれば普通に面白いのに……

登場する「魔法少女」達も殆どが露骨に元ネタとなる作品・キャラクターを匂わせているので、素直にあの世代の作品を楽しんで読んでいた人には辛いものがあるかも。特に前述の通り、かなり悲惨な境遇になってしまうキャラクターも多いため、こういうのの元ネタが露骨に解ってしまうのはどうかなあ……と思わなくもなかったり。同世代ならば確実に通ってるだろうと思われるような有名作品からのパロディがとても多い分、ちょっと気になりました。

しかし、パロディだらけの一発ネタ作品かとおもっていたら、ひょっとしてこれ続くの?
色々気になる部分もあるので出たら買っちゃいそうだけど……。
続かないんだとしたら随分消化不良なおわりかただ。

以下、わかる限り魔法少女の元ネタメモ。
うろ覚えな上に同年代なら素でわかるだろうからいらないだろうという説もありますが……
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