[著]細音 啓 [絵]竹岡 美穂
赤・青・黄・緑・白の5色の媒介を元に、自分の心を形にして詠びだす「名詠式」。とある夕暮れの教室で、全く新しい色・“夜色”の名詠式を考え出そうとするイヴマリーと5色を極め“虹色”の名詠を目指すカインツはある“勝負”と“約束”をした。…そして10年以上の歳月が流れ、ある名詠式の専修学校にイヴマリーと同じ“夜色名詠”を使う少年・ネイトが現れる。クルーエルは次第にそんな彼に興味を抱き…
“文学少女”の挿絵を担当されている竹岡美穂さんのイラストに釣られて購入したのですが、ストーリーも描写も文章も、とにかく“綺麗”な物語でした。イヴマリーとカインツが約束を交わすシーンやクルーエルが発表会で名詠式を披露するシーンなど、魅せられたシーンが非常に多くありました。というよりも、名詠式の詠唱が物凄くツボ。読んでいて「ああ、まだ終らないで欲しいなぁ」と思ってしまった作品は久しぶりです。赤・青・黄・緑・白の5色の媒介を元に、自分の心を形にして詠びだす「名詠式」。とある夕暮れの教室で、全く新しい色・“夜色”の名詠式を考え出そうとするイヴマリーと5色を極め“虹色”の名詠を目指すカインツはある“勝負”と“約束”をした。…そして10年以上の歳月が流れ、ある名詠式の専修学校にイヴマリーと同じ“夜色名詠”を使う少年・ネイトが現れる。クルーエルは次第にそんな彼に興味を抱き…
名詠式という一種の召喚魔法的な技術がメインで、内容はバッチリファンタジーなのですが、ヒロイン?のクルーエルが周囲に対して凄く普通に“どこにでも居そうな女の子”で感情移入しやすいキャラで、彼女に釣られてどんどんストーリーに引き込まれてしまいます。友人やネイトが自分だけの目標を持って頑張っているのに、“なんとなく”でここまで来てしまった自分への焦りはあるんだけど、実際に何をしたらいいのか判らない…みたいなのは凄く判る気が…。
そして、他のキャラクターも物凄い魅力的。
特にイヴマリーのキャラクターは凄くツボでした。素敵なツンデレだ!!(笑)
イヴマリーがカインツにコートをプレゼントする場面のイヴマリーは典型的なツンデレでとっても可愛らしいのですが、あまりの嬉しさにうっかりそのコートがトレードマークになってしまうまで、10年以上愛用し続けるカインツがまた微笑ましいのです(笑)また、プロローグで出てきた使い捨てキャラかとおもったクラスメイト達があんなところやこんなところでしっかり活躍してくれるのもなんだか嬉しいポイントでした。
ラストはちょっと全体的に(敵が強大だった所為か)「皆都合よく自分の力に覚醒しすぎだよ!!」とか「あれだけ凶悪なもの呼び出しておいて、爆心地で気絶した奴が何で生きてるんだよ!!」とか思いましたがその辺の不満点を補っても余りあるほどの面白さでした。オススメ!
コメント
イヴは夜明けに微笑んで
イヴは夜明けに微笑んでposted with 簡単リンクくん at 2007. 1.25細音 啓著富士見書房 (2007.1)この本は現在お取り扱いできません。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る 竹岡美穂さんのイラストで手に取ったが、これは良かった。 まさに切なさのサファイア。 わりとハ..
イヴは夜明けに微笑んで/細音啓
イヴは夜明けに微笑んで細音 啓 富士見書房 2007-01by G-Tools 【赤青緑白黄。五色の触媒を用い、対象を讃える<賛来歌>を詠うことでその存在を呼び寄せる名詠士。赤色名詠士クルーエルは、転校生ネイトと出会う。彼は夜色名詠という異端の名詠を目指していて..
少女の選んだ方法『イヴは夜明けに微笑んで』
イヴは夜明けに微笑んで
細音 啓
赤・青・黄・緑・白。
五つの色の内いずれかを讃美し、詠うことによって召還を可能とする技術、名詠式(めいえいしき)。誰もが確立された五色の道を歩もうとする中で、たった二人だけ、別の色を欲した少年少女がいた。
少年は五色を使いこなす『虹色使い』を、そして少女はどの色とも違う『夜色使い』を目指していた。二人は互いを知り、認め合うと共に一つの勝負を思いつく。それは、どちらが先に自身の目的を達成するか。そして、先を越された方が成功した相手を迎えに行くという約束を結び、少年少女は別の道を歩む。
それから約十年の月日が流れたある日。名詠式の専修学校に通う少女クルーエルは、夜色の名詠式を学ぶ異色の転校生、ネイトと出会う。更には五色の名詠式を使う『虹色使い』まで学校に現れ……。
招き寄せたいものを、それと同じ色の触媒を通して召還する『名詠式』。それが技術として確立され、専修学校の就職先として実際に存在する世界の物語。詩的な讃来歌(オラトリオ)と、二人の間で交わされた切ない約束が織りなす召還ファンタジー。
作者は細音啓(さざね・けい)さん。第一八回ファンタジア長編小説大賞の佳作受賞作品だ。
序章で描かれる少年と少女の物語がとても切ない。
積み上げられた道を歩くのではなく、更にそこから翼を広げて飛び立とうとする二人の気持ちが静かに描かれているのだ。物語はここから始まり、そして本来の主人公達に受け継がれていくという構成。これは作品のスタートとしては成功の部類に入るだろう。
ただし、それ以降の物語の流れが少々惰性的なものを感じた。ラストに関しても、多くの人物に焦点を当ててしまったために、結末自体がぼやけてしまった感が否めない。
物語の構成上、仕方のないことと言えばそれまでだが、もう少し人物の焦点の当て方についてさじ加減を考えた方がいいのではないかと。デビュー作であることを考えれば、そういうことはこれから徐々に学んでいって欲しいところだ。いずれにせよ、今後が注目される作家さんであることは間違いないのだから。
無理だと知りながら、それでも成し遂げようと考え抜いたあげくに、約束の少女がどのような方法を選択したのか。この作品の見所は、彼女の選んだ方法にあるだろう。ぜひ、続編に期待したい。
イヴは夜明けに微笑んで 感想
イヴは夜明けに微笑んで細音 啓 富士見書房
彼女は、ずっと考えていた。人と関わらず、孤独な人生。それで、いいのかと。だから、決めたのだ。自分の“心”を形にして詠び出せる、名詠式を学ぶことを。そうすれば、少しでも彀å〓〓Ũūď〓¨ċĽijĊ〓ċ〓〓IJ〓〓D
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イヴは夜明けに微笑んで
物体の名前を詠うことで呼び寄せる召喚術・名詠式。その専門学校に通うクルーエルは、寮の近くで迷っていた少年・ネイトに出会う。転校生であるネイトはまだ世間には認められていない夜色名詠を使うのだというが————
イヴは夜明けに微笑んで 感想
イヴは夜明けに微笑んで細音 啓 富士見書房 2007-01by G-Tools
[書評][細音啓][イヴは夜明けに微笑んで][神秘/奇跡/魔法][アクション][★★★★]イヴは夜明けに微笑んで
イヴは夜明けに微笑んで 作者: 細音啓 出版社/メーカー: 富士見書房 メディア: 文庫 えーと、正直作者による「あとがき」の書き出しの微妙なイタさの為にこの本を今まで敬遠していたんですが、間違いでした。面白かったです。 あらすじ つまり相手を讃える言葉を紡いで望ん