[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ
災厄を呼ぶ箱・「風の終わり」を取り戻す為に参戦した天下一武道会(略してテンカブ)決勝戦、シマロン側の戦士として現れたのは行方しれずの“あの人”…。あまりの事態に動揺する一行だが、決勝戦でピンチに陥ったユーリが法力の強い武道会会場で強引に魔王としての力を引き出し、事態は更に混乱して…!?
長かったカロリア編もこの巻で終了。災厄を呼ぶ箱・「風の終わり」を取り戻す為に参戦した天下一武道会(略してテンカブ)決勝戦、シマロン側の戦士として現れたのは行方しれずの“あの人”…。あまりの事態に動揺する一行だが、決勝戦でピンチに陥ったユーリが法力の強い武道会会場で強引に魔王としての力を引き出し、事態は更に混乱して…!?
何はともあれ、やっぱりコンラッドとの話は凄く衝撃的でした。なんとなくコンラッドは誰が敵に回っても味方に居るんだろうなあ…と思っていたし。いっそのこと完全に敵意を示してくれればいいのに、態度だけは今までとおりの優しいコンラッドだから余計にユーリには辛かったんじゃないかなと。色々とこれも裏がありそうですが、いつかまたコンラッドとユーリの仲良しコンビの姿が見れるといいな、と素直に思います。しかし武道会後のユーリの選択は、村田じゃないですが「やっぱり」って感じでしたね(笑)
そして妙に印象的な最後1ページ。
それまで殆ど描写されてこなかったけど、やはり「有利」として人間の世界に居るあいだはあの世界存在自体を疑ったことが何度もあったんでしょうね。既にあの時点で何回も眞魔国に渡っているはずの有利が今更「眞魔国」のある世界の存在を改めて認識する、というシーンが非常に印象的でした。そして同時に眞魔国の存在がユーリの中でどれだけ大切になっていたかというのを再確認できるシーン。“夢だったんじゃないか”と考えて不安に思う程あの世界が大切なんだな、と。たった2行でそれを痛い程表現出来ているのがやはり凄い。そしてそれをあっさり見抜いて、多分あの時有利が一番欲しかったであろう言葉をくれる大賢者様は偉大(笑)
「魔王」としての力に振り回される姿以上に、前巻から少しずつ表現されてきた「有利らしくない発言」というのが今後の伏線になりそうな気がしてドキドキ。一応カロリアでの騒動はカタがつきましたがコンラッドの事も含め、暫くは重い展開が続きそうですね。今後もすごく楽しみなシリーズです。