するとその言葉に、月光がこちらを見る。大兎のひどく疲れた顔を見る。そしてなぜか、今日初めての微笑を彼は浮かべると、言った。
この、悪魔やら魔物やら妖魔やらがはびこる宮阪高校の生徒会室を統べる男がこちらを見て、ほんの少しだけ楽しげに、
「……地獄へようこそ、鉄大兎君」
もう月光の俺様歪曲ツンデレ具合と、大兎&月光の軽口の応酬でご飯10杯イケる。
「いつか天魔の黒ウサギ」シリーズの番外編で、普段の学園でのドタバタ騒ぎをメインにした短編集。とりあえず本編を読んで2巻以降ひたすら「月光のツンデレが足りない」「月光のデレが足りない」「月光が足りない」と叫び続けてきた私にとってはニヤニヤの止まらない一冊でした。
とにかく最初から最後までひたすら俺様生徒会長メイン!本編のシリアス時に時折垣間見せる彼特有の歪曲したデレは影を潜めてしまうのが残念ですが、ソレを補って余りある大兎との軽口の応酬!!他生徒に対しても発揮される、歪曲全開なツンデレぶり!!そしてこっちでも軽くウザイバカップル(大兎×ヒメアの意)
……しかし、後書きを読んでいて本編を読んでずっと感じていた違和感に漸く納得が行った。最初は月光が主人公だったのね……通りで大兎が主人公っぽくないわけだよ。いや、性格とかは間違いなく主人公なんだけど、どうも立ち位置が脇役っぽいというか、大兎よりも月光の方が素直に主人公として感情移入できるキャラなんだよなあ…
キャラクターには惹かれるのにイマイチ本編のドシリアス具合についていけてなかった私には、これ以上になく美味しかったです。非日常に身を浸すうち、普通の学生だった大兎の視点が少しずつ変わっていくのも興味深かった。とりあえず月光のツンデレ具合が気になる腐女子の皆さんは本編1巻読んだらこっち読めばいいと思います!!
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いつか天魔の黒ウサギ 紅月光の生徒会室 1
あらすじ
恋だ青春だと楽しいハズの高校に、俺様生徒会長・紅月光が降臨!
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彼の前ではクラスメ??...
[現代異能バトル][ラノベ][超人]いつか天魔の黒ウサギ 紅月光の生徒会室1
いつか天魔の黒ウサギ 紅月光の生徒会室1 (富士見ファンタジア文庫) 作者: 鏡貴也,榎宮祐 出版社/メーカー: 富士見書房 発売日: 2010/02/20 メディア: 文庫 クリック: 8回 この商品を含むブロ...