宝島社様より献本をいただきました!
これはなんというか、文字通りの「怪作」。
「マウス」を自称する主人公が高校時代の恩師の娘を救う為、様々な伝手を使いながら横浜港を奔走するお話……なんだけど、読み始めて10Pもいかないうちに、主人公の装飾過剰気味な一人称文体に耐えかねて投げ出しそうになった。ほんとうに、目が滑って仕方なかった……
このままずっとこの文体が続くなら最後まで読みきれないかも……と思っていたんだけど、少しずつ他のキャラクターが出てくるたびに、不思議と読みやすくなっていく。分かり辛かった物語が段々はっきりと、クリアになっていく。正直序盤と終盤では文章を書きなれてきて読みやすくなったという印象もあったんだけど、それだけじゃなかったとおもう。少しずつ物語の全体像が見えてきて、面白くなっていって、少しずつ目が離せなくなって来る。特に、マウスの独白だけでは中々見えてこなかった彼の不器用な愛情・歪んだ優しさが、彼の居ない所で、他のキャラクターの目線を通すことで段々と見えてくるのが良かった。なんて懐の広い男なんだ、マウス。
そして最後の展開は、信じられないほどに熱い。最初に読み始めたときに感じた斜に構えたイメージからは想像も付かないような終着点に、ワクワクした。
とりあえず、この物語を手に取った人は決して最初で挫折しないように。最初10P、20Pのところでやめてしまうのは勿体無いです。1冊全部、とは言わないけどせめて2?3キャラ出てくるところまで頑張って欲しい。ほんと、途中で印象変わるから。
テンション上がってしまったので追記。
何気にこの「ファンダメンダ」、良い男子萌え作品だと思うんです。
ホモとかオカマとかそういう過剰装飾を排除してよく見るとなんだかんだで良い「親友」なマウス&ミチルとか。ネーネを挟んだ奇妙な三角関係を築きながらもなんだかんだで共闘していく「悪友」関係なマウス&ぴがろとか、大変美味しいと思うのです。特にミチルちゃんの過去話とクライマックスでのぴがろとマウスの信頼具合はやばかった。
……何がいいたいかというととりあえず誰か腐女子属性の人はこれを読んで私と男子萌えを語れ。
コメント
すばらしいですよね!
大好きです!!