禁酒法撤廃目前のアメリカ。多くのマフィアが幅を利かせるきっかけになったこの法律の改正により、彼らは様々な方向転換を迫られていた。ガンドール・ファミリーは自分たちのシマで無許可で様々な事をやっているチンピラ集団に《拷問師》チックと食客のマリアを向かわせる。一方、イブは海に沈められた兄・ダラスをようやく見つけ出したのだが……というお話。
チックとマリアのコンビが可愛いすぎる。両手の鋏と笑顔を絶やさぬ《拷問師》と無邪気な人斬りコンビのちょっとテンポがズレたやりとりがツボには待って仕方ありませんでした。
あと、不死者を『喰らう』ことの意味、そして受け継がれたセラードの記憶に悩み、戸惑うフィーロの姿が印象的。フィーロの活躍は1巻以降あんまりなかった印象だけど、次の巻では本気出した姿が見れるのかなーとおもうと、とても楽しみ。
別々の組織の構成員となったかつての兄弟の因縁やちょっとした行き違いにより再び激突しそうなフィーロとダラスも気なるんだけど、ラストで満を持して登場した「あのひと」の迫力やばい。シャーネが出てきた時点で期待せざるをえなかったけど、あのヒキにはニヤニヤが止まらなかった!!
過去の因縁、現在の因縁が絡み、交わった先に一体何があるのか。下巻が楽しみです。