女神リレナの力で、ジークとリーゼロッテの結婚式に画面ごしではなく直接参列することになった遠藤くんと小林さん。初めて直接顔を合わせた4人は結婚式の合間、控室で思い出話に花を咲かせはじめて……!?
幕間・後日談を詰め込んだ糖度全開の完結編!
アニメ放送が無事に終了した「ツンリゼ」の本編では見られなかった幕間の物語や後日談を中心に書き下ろしを含む様々な短編を詰め込んだ完結編。この手の書店特典や公式サイトの限定SSを後からまとめてくれるの本当にありがたいですよね。行動範囲内に書店がなかったり複数買いのハードルが高かったり、そもそも後からハマったりするとどうしようもなかったりするので……全作品で義務付けてほしい。相変わらずニヤニヤの止まらない物語ばかりで、良かった!以前よりもツンが抜けてラブラブになったリゼたん&以前よりもわかりやすく嫉妬深くなったジークのカップルが相変わらず可愛すぎるのだけど、彼氏彼女になった遠藤くんと小林さん、婚約者同士となったフィーネとバルドゥールの距離感の変化も良かった。遠藤くんは2巻の終わりでちょっと呼び方変えてる気配を匂わせてましたけど、遠藤くんと小林さんが自然にお互いのことを下の名前で呼び合ってるの、めちゃくちゃニヤニヤしますよねえ!!フィーネ母とレオン先生の大人の恋、リーゼロッテの末の妹・ツェツィーリエとファビアンきゅんの幼い恋の行方にもニヤニヤ。更に遠藤くん・小林さんペアの声が自分以外の所に降りるとちょっと不機嫌になるジーク、なにげにリーゼロッテよりも嫉妬深いのでは?いやそこも可愛いけれど!!基本が脳筋思考なリーフェンシュタール家のみなさんがバトってる時最中にフィーネの所にふたりの声が聞こえてくる短編がかわいすぎて好き。
何より、ゲームでは少しずつ古の魔女の呪いで少しずつ闇に落ちていくはずだったリーゼロッテの手記がこんな可愛く優しい内容に変わっていったことが嬉しくてたまらない。中盤、少しだけおかしくなる兆候が手記から見て取れるだけに、ふたりの実況・解説によって変化したジークの行動によってその悪意から守られていくリーゼロッテの姿に、ジーク側の視点からその経緯を知っていてもじんわりしてしまうんですよね。というか終盤、両思いになった嬉しさで【闇】なんぼのもんじゃい状態になってるリーゼロッテがテンション高く古の魔女の呪いをスルーしていく様子が最高に微笑ましい。めちゃくちゃテンション高いじゃん!!(そしてこれは確かにジーク本人には絶対見せられないやつ)
2巻のラストではゲームをクリアしたとこでお互いのつながりが途切れてしまう……という結末にホロリとして、3巻も基本的にそこは同じなのだけど、2巻以上に「またいつか会えるよ」という希望を感じる終わり方に変化したのが本当に嬉しかった。ゲームが完結した後にもフィーネが二人の声を聞いたりしているし、遠藤くん・小林さん両名の視点からも時々ゲームの世界に繋がってたみたいなやりとりがあるので完全に途切れたわけではないっぽいんですよね。リレナの魔力次第みたいな雰囲気だったからこれで終わりではないはず。何より、【実況の遠藤くんと解説の小林さん】がもたらした数々の偉業と奇跡、とあるのだからこの後にもなにかあったと信じても良いはず。
乙女ゲーム世界を舞台にした物語ならではのエンドロールに、またホロリとしてしまった。本当に素敵な完結巻でした。良かった…!