[著]川口 士 [絵]一之瀬 綾子
鬼ヶ島で人間と共存しながら平和に暮らしていた鬼達は、突如として一人の人間に滅ぼされた。
そして人間に囚われた鬼の頭領の子・温羅は自分達を滅ぼした人間達への復讐に燃えながらも、父の御首を奪い返す為、そして鬼ヶ島を襲い、人間に反旗を翻した桃生を倒す為、神器の奪還に協力する事になるが…
ストーリー、キャラクター、展開等パーツを見れば物凄く面白いハズで、確かに一気読みできるだけの読ませる力もあるのだけれど、これだけの材料が揃っていて全く読み終わった後に「面白かった…!」という気分になれないのは何故だろう。鬼ヶ島で人間と共存しながら平和に暮らしていた鬼達は、突如として一人の人間に滅ぼされた。
そして人間に囚われた鬼の頭領の子・温羅は自分達を滅ぼした人間達への復讐に燃えながらも、父の御首を奪い返す為、そして鬼ヶ島を襲い、人間に反旗を翻した桃生を倒す為、神器の奪還に協力する事になるが…
桃太郎のストーリーをアレンジした設定の和風ファンタジーで、桃太郎と日本神話を上手くミックスした敵キャラたちとの異能バトル、復讐に燃えていた温羅が同行する梓の優しさに触れて少しずつ元の優しい鬼の姿を取り戻していく展開等、燃えられるべき場所は多々あったはずなのに何も伝わってこない。兎に角ストーリーが淡々と進み、それを「読まされている」という感じが否めない。バトルシーンとかでも気がついたら敵が死んでました、って感じてしまう位のあっけなさ。
「つまらない」のではなく「合わない」んだなあ。なんというか、この小説の「美味しさ」というのは高級フランス料理のフルコース。凄く美味しいし色々な味で楽しませてくれるのですが味がお上品過ぎる、味付けも庶民派の私には薄味すぎる、そして1回に出てくる料理の量が少なすぎてイマイチ食べたりない…という感じ。
どちらかというと私はその辺の中華料理屋で気安く自分の食べたいものをどーんと食べたい派なので、結構厳しかったです。ついでにいうと濃い味派。っていうかラノベってある程度そういう所あるよね…?
要素要素は凄く面白かったし、その辺は結構色々な書評サイトさんで取り上げられているので今更言うまでもないでしょう。特に川揚のキャラは非常に良かったと思う。やはり「合わなかった」というのが本当のところみたいです。
コメント
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