[著]有川 浩 [絵]徒花 スクモ 前回の事件で負傷した堂上が、漸く退院して関東図書隊に戻ってきて暫くたったある日、図書館の書籍が盗まれるという事件が発生した。捜査の担当となった堂上班は、手塚と郁に大学生のフリをさせて張り込みを開始するが…堂上・笠原の「武闘派カップル」成立から、婚約までの様々なエピソードを語るスピンオフ短編集。 |
"ベタ甘全開スピンアウト"という公式紹介文に恥じない、なんともあま?いあま?い短編集。本編でも終盤になると少しずつバカップルっぷりを発揮しつつあった二人ですが、正式にカップル成立の後の話となるのでもう色々と全開です。本人は真剣に悩んでいるのにもう完全にオノロケにしか聞こえない会話に、柴崎と一緒にニヤニヤしつつ同時に酒もってこい酒ー!!と叫びたくなったり。
何より、本編「戦争」の頃は男勝りの健康優良児という印象だった郁が、堂上と付き合いだした事をきっかけにどんどん女の子らしくなっていく姿がとても可愛らしい。女の子らしい服のレパートリーを増やしたり、急に堂上の自宅に呼ばれてワタワタしたり、殆どしてなかった化粧を覚えたり…という、"女としての成長"がはっきりと見て取れる1冊でした。一方で、やっぱり田舎育ちの天然純粋培養な郁との関係がなかなか進まなくて、ヤキモキする堂上にニヤニヤ。それでも"はじめて"のエピソードにいたってはこの二人らしすぎる顛末に、思わず噴き出してしまったり。
図書館シリーズらしく、様々な考えさせる部分もありましたがやはりキモはベタ甘部分といって良いのではないかと。もうとにかく頭を軽くして、美味しく頂かせて貰いました。次巻ではメイン二人以外にも焦点を当てていくということなので是非とも手塚×柴崎の進展を!!!よろしくお願いします!!!