「メモリーロンド」の一件で傷ついた理恵も回復し、なんとかこれまでの日常を取り戻した武紀たち。ところが、今度は春海が隠し事をしているようで…。不安に思っていたところ、春海と夏海の実父だという男が現れ、二人を引き取りたいと言い始める。それは、既にこの世から消えたはずの、武紀が展開しなかった「ファンディスク」のシナリオ通りで…!?
ギャルゲーの世界を現実に投影してしまった主人公と、彼の手によってこの世に投影されたヒロイン達が織り成すラブコメ第三巻。今回は、あらすじの通り春海・夏海姉妹を中心とした都筑家家庭崩壊(?)編。2巻読んだときに「そういえば、すっかり春海夏海姉妹が空気だなー」とか思っていたら、そこからこんな物語が展開するとは。オープニングの淋しそうな姉妹の姿がとても印象的でした。
春海・夏海の実父が登場し二人を引き取ろうとするという、武紀が展開しなかった「ファンディスク」の内容と酷似した現実の展開から、更にこの物語のシステムに対する疑惑が提示されていく、謎解き的な展開が面白かったです。今回は結局……でしたが、火種自体は残したままの終わり方となったので、これが今後の伏線へと繋がっていくのかな?とはいえ、ゆうきが自分のシナリオを評して「ファンディスクらしい甘々展開」と言った通り、ファンディスクで破滅的な展開になる可能性は低そうな気がしますが…
武紀がヒロイン達の中から「誰か一人を選ぶ」事で現在展開されている「シナリオ」にも終わりが訪れてしまうのか、それともただ現実の人間と同じように誰かを選んだ後もこれまで通りの日常が続いていくのか。それとも今回おぼろげに提示された「ハーレムエンド」という新たな展開を選んで未知のシナリオに突入するのか…、今後の展開が非常に楽しみです。
それはそうと遂に高橋愛子ルートの可能性が垣間見えたわけだが!!
今回も良い男前だった高橋愛子さん、個人的には是非とも正ヒロイン昇格していただきたいものですがいかがなもんでしょう。いやまあ、攻略不可ヒロインだからこそ輝くキャラって感じもするんですけど。
FBオンラインで連載中の「シルバーブレット」側のキャラクターもさりげなく関わってきたみたいなので、そろそろあちらの外伝も読むべきかなぁ。文庫化してから読むか、先にオンラインで読むか結構悩ましい…。
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ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! Extradisc
それでコンビニ店員・普久乃原さんの一日を描く番外編はどこですか?(真顔)
シルバーブレットの完結編エピソードに番外編3編を収録した短編集。シリーズの後日談エピソードになる「それぞれの未来」が色々な意味で胸熱なのですが、誰のエピソードよりも普久乃原さんの現状にガタッしてしまったあたりに大変な業を感じます。あんたコンビに店員て……コンビニ店員て……なんだよそれ美味しいじゃねえかよ!!本編のアレとかアレとかが何もかもが吹き飛ぶこの衝撃!!!
ギャルゲーと間違えてFPSを投影してしまった翔也のイトコの物語「運命歪曲のエクスチェンジ」が面白かった。異世界に迷い込んでしまったような状態になって、「主人公」が死んだら「コンティニュー」は出来るけど、ゲームと同じようなご都合展開にはならなくて……という辺りは本編と一緒。自分のためでなく、一緒に戦ってきたヒロインの為にコンティニューを選択する主人公がかっこよかった。っていうかゲームクリア後どうなったのかが気になるなあ現実世界のセラフィーナさんとなんだかんだで一緒になってそうな予感しかしなくてニヤニヤする。あとそもそもゲームを取り違えた原因があるあるすぎて笑った。この調子でBLゲーを投影しちゃったウッカリさんはどこかにいま(以下略)
シルバーブレットの完結エピソードは秀之さんが武紀とは逆の意味で「ヒーロー」すぎて泣けてくる。最後まで美味しい所持って行きすぎですよこの人は本当に……!!最後まであくまで一般人の範疇で大事な人全員を守るため戦ってご都合主義的ともいえるハッピーエンドを手にした武紀と、チート的な異能を手にたった一人の女性を救う為に戦って自分や色々な物を犠牲にしながら目的を果たした秀之。表・裏の主人公というだけでなく様々な意味で対称的な二人だったなあと思います。暎那ちゃんがやってくれたと信じてるけどその姿がきちんと拝めないのがちょっと寂しい。
ラストバトルは本編の武紀視点とこちらの秀之視点、どちらを欠いても成立しない話でそれを両サイドから別の物語として読めるのが新鮮で面白かったんだけど、同時に片方だけで読むとやや物足りない感が否めなかった気がする。ピースの欠けたパズルのようなイメージというか……後でもう一度本編最終巻を読み直したいところです。
色々な意味で波乱を巻き起こした「フェアリーテイル・システム」だけど、“何者にもなれないはずの彼ら”が様々な経緯を経てそれぞれのヒロインを得て彼女達の為に戦い、仲間や友人を得て失ってしまっていた“関係性”を手に入れ、自分という物語の“主人公”として立ち上がっていく姿は本当にかっこよかった。割とどのカスタマーもなんだかんだでカッコよくなっていってしまうから困る。「運命歪曲のエクスチェンジ」みたいな、他のカスタマーを主軸にした物語ももっと読んでみたかった気がします。
最後に武紀さんいつまでも末永く爆発しろ!!
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc8
シリーズ本編完結編。ナイス・ハーレムエンド!2つに分かれた世界のどちらも選ぶために少しずつ問題点を洗い出して埋めていく展開が楽しかった。まさか、FanDiscで出てきた武紀の割りと残念な超記憶力が伏線になっていたとは……。あと普久乃原さんは良い男ツンデレ。
ゆうきの正体の件は何となくそれじゃないかなーと予想してはいたんだけど(というか初読時からなぜか疑いもなくそうだとおもってた)、予想以上に重い設定だったのでびっくり。個人的には「元の姿」の挿絵も見たかったなあ。
世界統合直前の、街頭運動中の人に絡まれるシーンはちょっと無理矢理な展開に見えなくもなかったけど、世間の逆風にもめげずに彼ら自身の幸せを掴む為のやりとりとしては良かったんじゃないかなと思うのです。正直、やはり武紀の理想には賛同できないですが(自分がヒロイン達のポジションになったらたぶん納得できないと思うって意味で)、でも、それが彼らの幸せの形であるというのならそれも良いんではないかと思わせるやりとりでした。まあここまできて誰か1人しか選ばないエンドっていうのもありえないですよね。
そして最後の最後まであの人の水面下での活躍が素晴らしかった。ネタバレになるのであまり深くは語りませんがてっきり今回はもう出てこないかとおもったら……まぁ!!
「だけど、お前はそれで満足できるのか?」
「もっと望め。もっと求めろ。もっと夢を見ればいい。お前は理想主義者なのだから」
(P273〜274)
フェアリーテイルシステムを掌握するための戦いは明らかに「シルバーブレット」側のお話で武紀はあくまでゲストキャラでしかなく、本編ではかなりばっさり削られているんだけど、武紀のピンチにタイミングよく駆けつける秀之さんマジ裏主人公。真の完結編となる「ExtraDisc」でこちらの戦いの様子も描かれるのではないかと思うので、とても楽しみです。
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc7
負荷軽減の為、分割されたヒロイン達のレイヤーを行き来していた武紀は元の世界に戻ろうとした拍子に別の「世界」へと飛ばされてしまう。そこは武紀の両親をはじめとして様々な人が犠牲となった“8年前の事故”の起らなかった世界。ヒロイン達の代わりにそこにいたのは死んだはずの両親と、“恋人”の高橋愛子で——というお話。
「高橋ルート」がまじ破壊力やばい!!!!!
「もしも」の世界でいよいよ正ヒロイン昇格な現実産ヒロイン・高橋さんがヤバい。素直じゃない所はもちろんあるけど、武紀への恋心を隠さない高橋さんのまっすぐな愛情と信頼がやばい。デートやら痴話喧嘩やら萌えポイントは大量にあるんだけど、個人的に2人の高橋愛子の会話にはニヤニヤが止まらなかった。さりげなく幼馴染の彼女もヒロイン戦線に加わって武紀さんマジフラグ建築士。
明かされたフェアリーテイルシステム誕生のきっかけと2つの「世界」の真実。片方の世界を「選択する」権利を委ねられた武紀が恋人と両親のどちらを取るかで葛藤する姿は心が痛くなるんだけど、最終的に「全員を幸せにしたい」という武紀だからこその結果に辿り着いてくれて本当によかった。
それにしても高橋さんの猛攻もすごかったけどそれ以上に正樹と武紀、二人の“主人公”の親友具合がやばい。武紀が何かやってくれることを信じて自らの存在を削ってでも武紀の帰る場所を守ろうとした正樹に、彼の予想を超えるところまでしっかり信頼通りの行動を見せる武紀の行動にニヤニヤが止まりませんでした。263Pでうっかり悶えたのは私だけじゃないはずだ。
正樹と武紀はもちろんなんだけど、どこの並行世界へいっても関係性の変わらない翔也の安定感とか、有能なのにシスコンという残念な“裏主人公”秀之など、本当に男子の活躍が美味しいシリーズになってきて困る。いよいよ「シルバーブレット」シリーズとのリンクも強くなって来て、両シリーズともに続きが楽しみです。
「好きなライトノベルを投票しよう!! 2010年下期」に投票します
いちせさん主催のこちらの企画に参加します。
平和さんが主催されていた「ラノサイ杯」の企画終了を受けて立ちあがった類似企画だそうです。
明日締切なので投票を考えてる人はお早めに!
類似企画としてTwitter主導のラノツイ杯もありますよ!こちらも明日締切です。
今回は余裕ないのでコメント短め……orz
既存シリーズ
■ フルメタル・パニック! ずっと、スタンド・バイ・ミー上下(⇒感想) 著:賀東招二 挿絵:四季童子 個人的には、2010年はこれ抜きに語るわけには。 最高の完結編でした。とりあえず、読め。 「君さえいれば、武器などいらない」 【10下期ラノベ投票/9784829135532】 |
■ 魔王城五限目(⇒感想) 著:田口仙年堂 挿絵:鉄雄 こちらも最高の完結編でした。 子供たちを守ろうと立ち上がった心優しき「魔王」の活躍に胸が熱くなる。 あと伯爵マジtndr。 「俺は魔王だ。君を魔王城まで連れ去りに来た」 【10下期ラノベ投票/9784047266544】 |
■ Re:3 バカは世界を救えるか?(⇒感想) 著:柳実冬貴 挿絵:一葉 モカ 次第に明かされていく熾烈な過去に、臆しつつも立ち向かおうとするバカがかっこいい! あと光一と「能力泥棒」の好敵手と書いて「とも」と呼ぶライバル関係が最高!! 今最高に続きが楽しみなシリーズです。 (バカになれ。じゃないと世界は救えない) 【10下期ラノベ投票/9784829136003】 |
■ GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン3(下)(⇒感想) 著:川上稔 挿絵:さとやす(TENKEY) 先を歩む者達が次代を担う若者たちに託した想いが、凄すぎてもう。 ネタにされるほどの超ボリュームすら苦と感じさせない「最初から最後までクライマックス」感。 アニメもとっても楽しみです。 「次に歴史を動かすのは、私達の方よ」 【10下期ラノベ投票/9784048687355】 |
■ ココロコネクト カコランダム(⇒感想) 著:庵田定夏 挿絵:白身魚 中盤の、事態急変以降の展開の閉塞感が本当に凄かったです。 異能がきっかけで事件が起きて、異能ではないところに収束するのが面白いなあ。 物語の一区切りとなる4巻「ミチランダム」も凄かった。 「たとえそれによって……オレがこの文研部を去ることになったとしても……オレはオレを貫く」 【10下期ラノベ投票/9784047267756】 |
■ バカとテストと召喚獣8(⇒感想) 著:井上堅二 挿絵:葉賀ユイ 雄二と明久、マジ一心同体。 なにはともあれクライマックス目前のやり取りにつきます。悪友マジ悪友。 「ぬかせ。王様(キング)に協力するのは歩兵(ポーン)の義務だろうが」 【10下期ラノベ投票/9784047267275】 |
■ ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc6(⇒感想) 著:田尾典丈 挿絵:有河 サトル 全ヒロインを平等に愛そうとする武紀と、一人のヒロインを選んだ「主人公達」が熱い。 シリーズを通して、ラブコメより対峙もの・バトルものとして美味しくなってきた印象が。 電脳系異能バトルが展開される「シルバーバレット」シリーズにも注目です。 「信じるぞ、親友!!」 【10下期ラノベ投票/9784047268197】 |
■ ラ・のべつまくなし 3 ブンガクくんと腐埒なるキホーテ (⇒感想) 著:壱月龍一 挿絵:裕龍ながれ ラノベ作家×腐女子の恋愛ラブコメ。 とにかく主人公とヒロインの甘いやりとりがたまりません。今季床掃除部門大賞。 様々な人の「ラノベ」観にも注目。等身大な腐女子像も印象的でした。 『あなたにとって“ライトノベル”とはなんですか? →』 【10下期ラノベ投票/9784094512205】 |
新規シリーズ
■ ファンダ・メンダ・マウス(⇒感想) 著:大間 九郎 挿絵:ヤスダスズヒト 好き嫌い分かれそうだけど、ツボにハマったら癖になる何か。 読みづらい独特のテンポの文章が心地よく感じられるようになるのが本当に不思議。 『殉教者』マウスと彼に惹かれた人々が繰り広げるお祭り騒ぎに痺れる。 「分かった?これがマウス、私の愛しいマウス。お母様の教えに忠実な狂信者。お母様の教えしか信じず、お母様の教えを守ることにすべてを捧げる原理主義者、狂おしいほど愛おしいお母様の奴隷」「私の愛しい、愛しい、ファンダ・メンダ・マウス」 【10下期ラノベ投票/9784796678865】 |
■ アンチ・マジカル?魔法少女禁止法?(⇒感想) 著:伊藤ヒロ 挿絵:kashmir 魔法少女アニメで育った世代の懐かしく暖かい何かをぶち壊してくる「アンチ・魔法少女」。 某漫画風にいうとまさしく「夢もキボーもありゃしない」。 色々な意味でインパクト抜群な作品でした。まどか☆マギカが好きな人はぜひともこれも読め。 『いいこと、よく憶えておきなさい。人はね??魔法じゃ幸せになれないの』 【10下期ラノベ投票/9784758041683】 |
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! addon シルバーブレット2
高橋愛子の兄・秀之の視点から「フェアリーテイルシステム」の謎に迫る外伝「シルバーブレット」シリーズ第二巻。
たった2人の「家族」と眠り続ける「恋人」を救う為、自らの身を削ってでも奔走する秀之の姿が相変わらず文句なしにかっこいい!今回は『能力インストール』により異能を使える秀之に加えて異能を使える『ビジター』達、更には本編から出張なあの人が大活躍で圧巻の異能バトルを繰り広げてくれました。特に「エターナルイノセンス」ではやや設定的に浮いてて、設定的にも立ち位置的にも本編では一歩引いてる印象の彼女の活躍にはニヤニヤが止まりません。挿絵がいい仕事しすぎだった。
その一方で肝心の「電子妖精」や「フェアリーテイルシステム」はどんどん設定やら目的やらが現実離れしてきて(もちろん、ゲーム世界の人間を現実に投影してる時点で現実離れしてるんだけど)、色々な意味で凄い。今回明かされたフェアリーテイルシステムのなりたちが真実だったら物凄い展開になりそうだし、システムの恩恵を受けてほぼ不老状態なキャラが居たり、フェアリーテイルシステム・電子妖精共にまだまだ思惑が見えてこない。これ、本編外伝含めどうやって風呂敷をたたむんだろうかなぁ……
時間軸が進んだことでギャルゲヱ本編とのリンクも本格的になって、そちらとの絡みも気になるところ。考え方の全く違う二人の「主人公」の絡みも気になるのですが、本編最新刊の展開を考えると……ほらあの最後のあの人のデレとかあの人のデレとか……
色々な意味で、続きがとても楽しみです。
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! Fandisc
? 都築さんマジ一級フラグ建築士!!! /
ギャルゲーのヒロイン達を現実世界に「投影」してしまった主人公・都築武紀と彼の呼び出したヒロイン達+αが織り成すラブコメ、今回は物語の隙間の物語を集めた短編集。ヒロイン達のたわいも無いお喋りという形で過去のエピソードを語るという形式なのですが、全体的にシリアス度の高い本編よりもお色気メインのちょっとエッチなエピソードが多くて軽く楽しめる感じ。特に春海と夏海メインの短編は某富士見のお色気ラノベを思い出させるギリギリ具合。
しかし、武紀がフラグ建築しすぎでやばい。本編を読む限り落ちてるのはゆうき除くヒロイン4人にせいぜい高橋愛子くらいだと思っていたらそれどころじゃなかった!!むしろ落ちてない女子キャラいないんじゃないの位のいきおいでほとんどよりどりみどり状態だった!!高橋愛子さんのデレはまだしも、よもやのゆうきデレに噴いた。本当にびっくりした。こいつ、こんなにジゴロなキャラだったっけ……?
個人的に一番好きなのは咲と愛子の友情が描かれる「いつか花咲く、愛もある」とラストの「攻略仕様のアンチノミー」。前者はとにかく不器用な愛子さんが可愛くて可愛くて!!愛子好きなら必読の一編。攻略仕様の?は、エターナルイノセンスをプレイした武紀が当時攻略した順番を知りたいとヒロイン達が言い出すお話なんですが、すっかりヘソを曲げたヒロイン達のご機嫌を取る為に武紀がエターナルイノセンスのゲーム内でヒロイン達を攻略した際に言う主人公のセリフをヒロイン達に言う…という話なのですが、歯の浮くセリフに舞い上がるヒロイン達の姿が可愛かった。そしてゲーム内のセリフ覚えすぎな武紀さんマジパネエっす。
「投影前」のゆうきに関しては、このまま本編とは関係ない扱いでスルーされるのかな、と思っていたんだけど最後を読む限り今後の本編で触れてきそうな感じ。個人的には「実は投影前は男だった説」を推したいんだけどそうじゃなくても何かひと波乱ありそうな予感。次巻が楽しみです。
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! addon シルバーブレット 1
FBオンラインで連載されている、シリーズ最大の謎である「フェアリーテイル・システム」の謎に迫る外伝シリーズの文庫化。僕らの現実産ヒロイン・高橋愛子さんのおにいちゃんの話だよ!!
高橋愛子の兄・秀之を主人公にして物語が進行するのですが、なにこの秀之のスーパーヒーロー具合……!!フェアリーテイルシステムを解析する傍ら、現実に顕現していないキャラクター達の異能を時間限定で『インストール』するというソフトウェアを開発し、トラブルに巻き込まれた「設定者」や「ヒロイン」たちを影から助けるという、設定からしても激しくヒーロー性の強い主人公なのですが妹に目がないという一点を除けば殆ど敵なしの完璧具合。
ヘタレで普通の高校生な主人公がままならない現実になんとかかんとか立ち向かっていく本編とは打って変わって、完全な現代異能バトルものになっているのが面白いなぁ。妹の愛子に正体を隠して戦い続ける秀之の姿はまさしく正義のヒーロー的。本編とのリンクも気になる所ですが普通に読んでいてスカッとするタイプの王道ヒーローモノなので安心して読めました。
そして本編から変わらぬ、安心の愛子クォリティ。
もう愛子可愛くてマジ困る。不良少女なのに案外常識人とか、兄にツン全開な妹っぷりとか、強そうに見えて年相応の女の子らしいメンタリティとか……!!本当にギャルゲヱは本編も愛子をメインヒロインに以下略。
個人的には秀之の親友・義人と秀之の関係をもうちょっとですね……!!「幼なじみの腐れ縁」「無二の信頼関係」「軽口たたきながら戦える仲」という自分のツボを直撃する共犯者的な悪友関係だったので、義人の出番が少なめだったのが残念でならない!!しかし、義人を無条件に信頼して無事を確信している秀之の言葉や、終盤の大逆転の様子にはニヤニヤが止まりませんでした。
次巻では義人と秀之の濃厚な絡み(※男子の友情的意味で)を期待してます、ほらだって、ギャルゲヱ本編も男子萌え率上がってきてるからこっちだってきっと……!!
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc5
ほぼdisc4からの続き。「エターナル・イノセンス」の本来の主人公・真田正樹が消えてなんとかこれまで通りの日常が戻ってきた……と思いきや、咲の様子がどうもおかしくて…というお話。
咲のピンチに立ち向かおうとする武紀達に要所要所で力を貸してくれる人(あるいはキャラクター)達との絆が、それこそギャルゲー風に言うとこれまで遭遇してきた事件によって少しずつ「フラグ立て」されたものだと思うと感慨深い。高橋さんの周囲の人脈だって1巻で咲の事件を解決していなければありえなかった人脈なわけだし。特に2巻で「敵」として登場した普久原の再登場&活躍にはニヤニヤが止まりませんでした。あと、なんといっても正樹かっこいいよ正樹!!!相変わらずのかっこつけ具合と有能ぶりにゴロゴロしました。本当に、正樹×武紀をおしたい……(やめてください)
3巻までは武紀・ゆうき・藤田という「設定者」同士のつながりはそれなりにあったものの、基本的にヒロイン達(+α)と武紀の間だけで繰り広げられていた閉鎖的な世界観が、4巻・5巻と来て一気に広がったような気がする。個人的には少しずつ男子キャラの活躍が増えてきて、ニヤニヤが止まらない。
また、物語の核心である「フェアリーテイル」システムにも少しずつ話が及んできて、今後の展開も楽しみなところ。外伝である「シルバーバレット」はなんだかんだで読んでいないので、来月発売のaddonでの本編補完が楽しみです。
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc4
女子ばっかりだったギャルゲヱでまさかの男子推し回だと!!
ギャルゲーの世界を現実に投影してしまった主人公と、彼の手によってこの世に投影されたヒロイン達が織り成すラブコメ第4巻。今回は武紀が投影したゲーム「エターナルイノセンス」の本来の主人公・真田正樹が現れ、ヒロイン達との関係が書き換えられてしまう……というお話。
彼の登場により失われた絆を取り戻そうと必死になる武紀の奮闘は悪くないんだけどどうにもモヤモヤしてしまうのは、やはり腐っても女子の1人として「好きな男の子には自分だけを見て欲しい」という思いがどこかにあるからか。正樹の考えは極端すぎるけど、それでも彼の言葉の方が圧倒的に正論のように思えて、複雑な心境だった。
そんな中、着々とフラグを立てるのが作中唯一の「現実産」ヒロイン・僕らの高橋愛子さんでした。だから武紀は高橋ルートに行けと何度言ったら!!今回も高橋さんは本当に可愛かったです可愛かったです。そして彼女とのフラグが着々と立っている気がするのですがどうなるんだこれ。まさか高橋さんも含めたハーレムルートに突入してしまうのか、それとも最終的にはやはり高橋エンドなのか。個人的には高橋さんが一番好きなので高橋エンド大歓迎ですが。
そして今回、さりげなく美味しかったのがこれまで目立ってこなかった男子陣の活躍。世界改変がどう現実に影響を与えてもかわらず武紀の「友達」として存在する翔也とのやりとりにも萌えるのですが、何よりラストの正樹と武紀の友情やべえええええええ!!!!!(ゴロゴロゴロゴロゴロ)典型的な「喧嘩から生まれる友情」具合にニヤニヤが止まりませんでした。元々男子萌えを一切期待していないこのシリーズだけに、不意打ちだった。本当にご馳走様でしたカップリングは正樹×武紀でお願いします。
あと、何気にバカテスっていうか姫路さんネタが?……と思ったらオマケページを読んで納得。
担当さんがバカテスの人と同じになったのか…。