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勇者リンの伝説 Lv.1 この夏休みの宿題が終わったら、俺も、勇者になるんだ。

 
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ユースタシア学園―そこは大陸を跋扈するモンスターを駆逐するために設立された“冒険者育成機関”である。夏休み。勇者課程の落ちこぼれのリンと、勇者になりたい伝記士課程の少年・カイに出された宿題は、5つのクエストへの挑戦とその伝記の提出だった。しかし、STEP1「仲間を集めよう!」で揃ったのは、マッチョなニート戦士―「遊ぶことこそが生きるための生業であるという、その辛さがお前に分かるか!」と、ドSな巨乳召喚士―「この寄生虫が!」の二人で…!?これは、新進気鋭な魅力で溢れる勇者パーティーが繰り広げる冒険の日々をまとめた(愉快な)伝説の記録である。 (「BOOK」データベースより)

 勇者養成機関のユースタシア学園で、勇者としての将来を期待されていたのになぜか伝記士課程に振り分けられてしまったカイは夏休みの宿題に苦労していた。そんな中、勇者課程でおちこぼれまっしぐらな幼馴染のリンに夏休みの宿題を手伝ってといわれて……!?富士見ファンタジア文庫大賞の金賞作品。

 活字アレルギーな伝記士となまくら剣装備のアホの子勇者がボケツッコミを繰り返しながら微妙な仲間達とともに夏休みの宿題(クエスト5個達成)を目指すお話。勇者とその仲間達の冒険を楽しむファンタジーというよりは変な人達の頭おかしい掛け合いを楽しむお話でした。

 使い物になるのかならないのか良くわからないニーナさんの召喚術(※異世界の一般人を呼び出す程度の能力)もおもしろおかしかったけど、それ以上にポロリ担当系筋肉男子のジルが色々な意味で頭おかしかったです。はじけるきんにく!そしてファンタジー世界だけど色々世知辛い感じの世の中なのがジワジワくる。勇者課程卒業したといって勇者になれるとは限らないとか世知辛すぎますよ!?

 個性豊か(オブラート)な仲間達が集まってあらぬ方向に向かって暴走するバカ小説…とおもってたら最後でなんか綺麗に落としてきた。良い意味で軽く読めるお話なのでちょっと疲れたときの気分転換にはちょうど良いかも。面白かったです。


ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件

 
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『グリンダ・ドイルを廃業する』そんな言葉を残して、“万能の天才”グリンダは、同盟国への派遣を目前に失踪した。このままでは国際問題に―というわけで身代わりとして白羽の矢が立ったのが、グリンダの双子の弟、つまりこの僕、シャールだった。いや無理、僕男だし。天才の姉と違ってニート予備軍の浪人生なのに。抵抗も虚しく女装させられ、同盟国の王様一家の家庭教師をやることに…!?ファンタジー家庭教師コメディ待望の文庫化。 (「BOOK」データベースより)

 同盟国に行く予定だった天才少女の姉・グリンダが失踪。彼女の双子の弟のシャールが身代わりになることになってしまう。ドレス姿で王様の子供達の家庭教師をさせられることになったけど、子供達は一癖も二癖もある面々で……!?

 あらすじを見ると女装物っぽい感じだったけど、女装物というよりも入れ替わり物として面白かったー。天才の姉を持つ平凡な弟の苦悩とか、男だとバレそうになるハプニングが満載でとても楽しい。しかも、本人は一生懸命バレないように努力したりして気を揉んでいるというのに、殆どの人たちは“彼女”の行動を勝手に良い方に良い方にと“解釈”してしまうので、噂と誤解がどんどんあらぬほうに一人歩きしていく展開が面白かった。姉のような天才を理解できないと考える一方、「彼女が居ればなんとかなる」みたいな、どうしようもなく彼女の存在に依存しているシャールの弟ぶりも可愛かったです。

 個性豊かな王様の子供達や国の人たちに囲まれて、姉の戻りを待ちながらなんとかやっていく“彼女”なんだけど……一体何本のフラグを乱立させてるんですかこのフラグ建築士!!敵味方・性別すらも関係なくどんどんフラグが立ってしまう終盤の展開が面白すぎて!まだまだ入れ替わりは続きそうな気配ですが色々な意味でこれはどうなってしまうのか楽しみです。