黄昏色の詠使い3 アマデウスの詩、謳え敗者の王 | 今日もだらだら、読書日記。

黄昏色の詠使い3 アマデウスの詩、謳え敗者の王

[著]細音 啓 [絵]竹岡 美穂

「孵石」を研究している研究所が灰色名詠士により襲われる事件が相次いだ。次の狙いがトレミア・アカデミーではないかと予想した教師達は、学校を一時的に閉鎖するという決定を下す。事情を知らないほとんどの生徒達は不安に思う半面、突如振って沸いた休校を暢気に喜んでいたが、既に"敵"は学園寮内に侵入していて…!?
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人を石に変える力を持つ「灰色名詠」の名詠士と対決するお話。同時にクルーエルの持つ力が徐々に明らかになってきました。突然真精を呼び出したり、2巻で自らの力に不安を覚えていたりしたのできっと凄い潜在能力を秘めているんだろうなあとは思っていましたが、その才能は想像以上のもの。なんか妙なフラグも立っているようで今後本当にどうなってしまうのか…。

1巻・2巻は良くも悪くも「綺麗で優しい」お話で面白くて確かに大絶賛だったんだけど何か1味足りない気がして、ラノベサイト杯で投票した際も他の4作品と比べると1レベル下がる印象だったのですが、この3巻で一気に面白くなってきました。どこが、と聞かれると難しいんだけど。特にただ「綺麗だな」としか思っていなかった“讃来歌”のセラフェノ音語に明らかに知っている単語が(本編中に出てくる単語とは違う意味で)入っているのに気づかされた時には思わず震えた。あとがき曰くセラフェノ音語には今後の伏線や重要な事実が隠されていたりするらしい。…だ、誰か解読してー!!(他人任せ)

新キャラのサリナルヴァさんに萌え。白衣にハイヒールで典型的な研究者気質で、でも武道派なお姉さんタイプだなんてどれだけ私を萌えさせれば気が済むんですか!彼女の活躍に密かに期待w

ラストバトルでは、強大な敵である灰色名詠の使い手に対し、絶体絶命の状態からエイダが、サリナルヴァが、ミオが、クルーエルが、ネイトが…とそれぞれがお互いを信頼して相手に戦いを託していく姿が印象的でした。まさに「黄昏色の?」シリーズならではの美しさ・優しさが伝わってくるバトル。特にクルーエルからミオ、ミオからネイトへのそれぞれの戦いのリレーは本当に素晴らしかったです。ネイトが悩みながらも初めて自らの「コトバ」で無事名詠に成功したのは皆の協力が不可欠だったわけで…ほんとこの辺りでは身悶えました。間接的ではあるけれどアーマとクルーエルのやりとりがまた良かったです。

そしてラノベサイト界隈でも話題騒然な(笑)ラストのあの台詞!
まだまだお互い「子供」同志なネイトとクルーエルの淡い恋を印象付ける、最高の殺し文句だったと思います。ああ、なんていうかほんと可愛くて微笑ましい!今後の二人の行方も注目ですね!!


…ところで今回、何か既視感を感じるなあと思っていたのですが、
Alles ist im Wandelさんの感想を見て激しく納得してしまいました。

都合二回あった奴との遭遇の場面は、なぜか脳内で甲田節になってました。

正直近頃の「グリム」よりも甲田節入ってた気がします。

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コメント

  1. 黄昏色の詠使い(3)

    アマデウスの詩、謳え敗者の王posted with 簡単リンクくん at 2007. 7.23細音 啓著 / 竹岡美穂画富士見書房 (2007.7)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る 二巻で起こった事件の犯人との対決なのですが、 その中でいろいろと意外な事実と不穏..

  2. 読了本棚 より:

    アマデウスの詩、謳え敗者の王

    トレミア・アカデミーに不審者が侵入した。先日の研究所襲撃事件の時と同様に校内の人を石化する……という事態。灰色名詠の使い手は自らを「名も無き敗者」と称し、クルーエルやネイト達にも襲い掛かる————

  3. [書評][細音啓][黄昏色の詠使いシリーズ][神秘/奇跡/魔法][アクション][★★★]黄昏色の詠使い(3) アマデウスの詩、謳え敗者の王

    アマデウスの詩、謳え敗者の王 (富士見ファンタジア文庫 174-3 黄昏色の詠使い 3) 作者: 細音啓 出版社/メーカー: 富士見書房 発売日: 2007/07 メディア: 文庫 ストーリー アカデミーの生徒たちが補講を行った分校近くにあった研究施設が丸ごと一つ壊滅させられた事件から少