[著]西尾 維新 [絵]竹 玖渚友と決別したいーちゃんは、暴走した"人類最終"想影真心を今度こそ止めようと……世界を救おうと決意する。真心の狙いが「復讐」であるとすれば狙いはER3システム、狐面の男、そして自分自身であると予想したいーちゃんは、狐面の男や復活した哀川潤らと奇妙な同居生活を送ることになるのだが…?「戯言」シリーズ完結篇。 |
と、ネガティブな感想から始まってしまいましたが内容としては文句なしに面白かったです。「クビキリサイクル」からずっと"戯言遣い"として"傍観者"に徹してきた主人公が様々な事件を経て変わって行って、最終的には今度こそ間違いを犯さないために自ら動く、というシリーズ通しての成長の過程は凄く良かったし、冒頭の玖渚との会話もジーンとしたし。最終決戦前に少しずつ出演者達が「物語」から去っていく様子は、祭りの終わりを感じさせて感慨深いものがありました。
そして何よりも復活した哀川潤が…!!「人類最強の請負人」ではない、「娘」としての哀川潤の姿は見ていて新鮮だったし(言い訳が始まったときは様々な意味でどうしようかとw)、狐面の男とのギクシャクしたコンビっぷりも中々面白かった。そしてラストは……いつも通り、いやそれ以上にかっこよく、しっかり物語を締めてくれました。
哀川さんは、不敵に笑う。
唇を目いっぱい歪めて、目を細め。
「王道で行こうぜ、王道で。そんなことで奇ィ衒ってどうするんだよ。普通に終わらそう。普通でいいんだよ。何事も普通が一番だ。てめえらみてえな不幸な奴と玖渚ちんみてえなかわいそうな奴とのおしまい なんだぜ——」
「——ハッピーエンド以外は認めねえっつーの」
シリーズに手をつけた頃からは予想もしなかったほど楽しめたシリーズでした。完結してしまったのは残念だけど、今度元気があったら「零崎」シリーズにも手を出してみようかなあ。