[著]柳実 冬貴 [絵]銃爺 先日の闘いで重症を負い、それ以来出力が思うように上がらなくなってしまったシュナイダーの元に、再び前線への派遣命令が下る。シュナイダーが本調子ではないことを危惧し、必死に反対するヘキサだが全く取り合ってもらえない。キレたヘキサはナンブを連れ、シュナイダーを追って前線にある都市へ向かうのだが… |
…いや、私はどちらかというと某クロスオーバーなSLGでは主人公格の機体ばっかり育てちゃう人なのであまり量産型にこだわりはありませんが、だんだん内容が「タイトルに偽りアリ」になってきてしまったのはどうかと。やはり量産型はかっこいい最新型新鋭機の陰で頑張ってこそ「量産型」だと思うわけですが……まあそれだとちっとも主役じゃないという説もあるか…。
個人的にはやはり、このタイトルだとナンブとその仲間の量産型のオンボロロボット達が徒党を組んで、敵を圧倒するくらいの展開を期待してしまうような。ナンブは確かに骨董品レベルでボロっちく、生まれは「量産型」と言えるかもしれませんが、逆に古すぎてもはや修理箇所を直すのにもパーツを探すのが大変という“特殊”なロボットとして描かれますし、1巻でちょっと危惧したとおりなんだか秘密があるようで……。
かっこいい最新型高性能機の筈のシュナイダーが、毎回素晴らしいほどのかませ犬で、量産型のはずのナンブが毎回気合と根性を唄いながらも不思議パワーで大活躍!!というのは確かにある意味新しいかもしれませんが。
…とまあ、苦言から始めてしまいましたがタイトルと内容のギャップ以外、物語自体は非常に面白かったです。天才少女・ヘキサの孤独な姿を見て、その先を案じてしまうナンブはすっかりヘキサの保護者ポジション(及び漫才コンビのボケポジション)を確立。また、ヘキサと同じ天才少女でありながらどこか対照的なテルルの凸凹コンビっぷりも非常に良かったです。二人の天才少女達が、大人ぶってはいても年相応の少女らしくそれぞれの葛藤する姿がまた、凄くいい。
そんな二人を自らの意思によって護ろうとするナンブが、あまりにも圧倒的な敵の手勢を前に絶望しかけてしまうというくだりが非常に最高です。1巻ではなんでも「気合と根性」で押し切ってきたナンブの姿を知っているからこそ、そんな彼に“それだけではどうにもならないこともある”と思わせてしまう敵の姿は、とんでもなく圧倒的に感じる。それでも、その絶望を振り切ってまた「気合と根性」で立ち上がるナンブは、文句なしにかっこ良かった。
そしてヘタレヘタレ言われまくりつつ、決めるところは決めてくれるヘタレ(元)中佐。序盤「こいつら、物語的にいらなくね?」とかこっそり思っててほんとすいません。終盤のあの非常時でもなんだかのんびり?っとした、とんでもない昼行灯ぶりはかなりツボに来ました。素晴らしいやヘタレ。ついでに、すっかりギャグキャラへと転落してしまった最新パーツ・グロリアスはどこへいってしまうのか…。
色々ひっかかるところはあるのですが、それもそこまで気にせず読ませてしまうパワーのある作品です。とりあえず続編では今度こそシュナイダーを活躍させてあげてください。最新型なのにこのかませ犬っぷりは流石に可哀想だ…!!
コメント
量産型はダテじゃない!(2)
量産型はダテじゃない! 2 (2) (富士見ファンタジア文庫 180-2)柳実 冬貴 富士見書房 2008-01売り上げランキング : 662Amazonで詳しく見る by G-Tools 安定した完成度でしっかり読めるんだけど、 特に何かが傑出しておもしろいというわけでもなく、 ご都合的ではないけれども..
本当に感想が似てますね!?
深層意識の深いところで繋がっているんじゃないかと疑いたくなりますな?。
自分の感想書き終わった直後にRSSリーダー確認して、あまりのシンクロっぷりに噴き出しましたw
本当にシュナイダーには3巻以降、がんばって活躍して欲しいところです…
今回のかませ犬っぷりにはもう涙が止まりませんでした。
量産型はダテじゃない!(2)
著者/柳実 冬貴 イラスト/銃爺 富士見ファンタジア文庫/富士見書房
''軍上層部からまたもシュナイダー派遣命令が下る。彼が本調子でないことを必死に説明するヘキサ''
''だったが、聞き入れてもらえない。意を決したヘキサは、シュナイダーを追ってナンブとともに''
''研究施設を抜け出すが……。''
'''●熱血ドタバタロボ・アド...
はじめまして。はじめてコメント&トラックバックさせて頂きます。以前から分かりやすい書評で、本を買う際の参考にしておりました。もしよろしければリンクさせていただいてよろしいでしょうか?
それではよければ今後よろしくお願い致します?。
いらっしゃいませ、トラックバックありがとうございます。
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