[著]田中 ロミオ [絵]山崎 透 人類は衰退し、妖精さんたちが“新人類”となった世界。衰退してしまった人類の記録を後世に伝えようという「ヒト・モニュメント計画」の一環として、数世紀前に滅んだ都市遺跡の調査の為にクスノキの里に一時的に電気が通う事になりました。里はたちまちお祭り騒ぎになるのですが、一方で電磁波が苦手な妖精さんたちは不吉な言葉とともに姿を消してしまって… |
“わたし”と助手さんが数世紀前に滅亡した都市遺跡の外部を調査をしていたら、いつのまにやら遺跡の中に迷い込んでしまって大変な事に…というお話。いつも助けてくれる妖精さんの助けが見込めない上に当の妖精さんからは不吉な助言(?)をされて、後半までひたすらドキドキしっぱなしでした。今までに無いピンチに手に汗握りっぱなし。妖精さんが現れた時には思わず大きなため息が漏れてしまうほどでした。水がみつからないという極限状況で汚水や(自主規制)の利用を真剣に考え始める“わたし”の姿が、なんだかシュール。
そんなこんなで終盤まで妖精さんたちの出番は殆ど無いのが残念なのですが、2巻から登場した新キャラ・助手さんがとても良い味を出してます。出生が原因で殆ど言葉を喋らない助手さんですが、言葉以上に雄弁にスケッチブックで語る彼の姿がとても素敵です。意外な才能を発揮して主人公を助けたと思えば小学生男子そこのけのモンスター図鑑を作り始めたり、子供が見たら泣き出す事間違いなしなシュールな絵本を作ったりと大爆笑。特に絵本は、イラストが微笑ましいだけに、内容とのギャップが……ギャップが!!
『それから、どうなったかというと——』
『ごちそうさまぁっ♪』
ちくしょう、あのライオンさん、可愛いよ!!!(悶)
そんなこんなで、今回もしっかり楽しませてもらいました。個人的にはほのぼの分、妖精さん分が低かったのがちょっと残念なのですが……その辺は4巻に期待しときます。