[著]細音 啓 [絵]竹岡 美穂 授業が自習になって、ミオやクルーエルと共に名詠術の練習をしていたネイトは、ミオからクルーエルの誕生日がもうすぐだと聞かされる。話を聞いて、母親がかつて自分に見せてくれた夜色名詠術で“贈り物”をしようと決意するネイトだったが、失敗ばかりで…ネイトとクルーエル達の愉快な学園生活と、“第二楽章”へと続くエピソードを描いた短編集。 |
クルルとネイト、カインツとイブマリーのラブラブっぷりや、本編には出てこない愉快な仲間たちの暴走っぷりも最高だったのですが、とりあえず今回の感想はこれに尽きます。「白奏」サイコー。ネイトは絶対女装が似合う子だと思ってたんだ!!
クラスメイト達に押し切られてイヤイヤ女装させられてしまうくだりも最高ですが、女装したネイトをみた先生方が彼をイブマリーだと勘違いして取り乱す姿が妙に笑えました。しかも潜り込むのは男子禁制の“女の園”で、緊張感も無駄にバッチリ。女装潜入モノの醍醐味を存分に味あわせてもらいました。腕の細さを指摘されて、身体を鍛えようと密かに決意するネイトとか、もう最高です。本当にご馳走様でした。
本編自体が優しくてシリアスな物語が多く、コメディ路線は向いてないんじゃないかなとかちょっぴり心配していたのですが、本編とは打って変わってコメディ全開なストーリーが非常に新鮮で、面白かった。濃ゆい学友達に振り回されるクルルとネイトには同情を禁じえませんが、同時にこれまでずっと重苦しい展開が多かった分、物凄く楽しそうな様子が伝わってくるのが純粋に嬉しかったです。特にエイダは本編のシリアス路線でも、短編のコメディ路線でも大活躍で素敵でした。
個人的にはそんな短編側の濃ゆいメンツに加えて、イ短調のメンバーまでが勢ぞろいするオールスターな黄奏「走れ、そいつはあたしのだ!」が一番お気に入り。「なんでもあり」という言葉から、物凄いドタバタなストーリーが展開されるであろうことは予想が付いたのですが、これは予想以上。目的の為には手段を選ばないエイダ&キリエコンビとイフレティカの3人にも爆笑でしたが、帰ってきた爺ーズと親バカ全開イ短調の皆さんが最高!
本編は“第二楽章”に突入し、ますます重い展開になっていきそうな勢いですが、こういう息抜きな短編もちょくちょくやってほしいなあ。ドラマガ本誌連載の短編はまだストックがあるようなので、第二段を激しく期待しちゃいます。
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