[著]木村 暢 [原作]矢立 肇 [原作]富野 由悠季 [絵]柳瀬 敬之 [絵]羽音 たらく ソレスタルビーイングに対抗する為、ユニオン・AEU・人革はそれぞれがガンダムを鹵獲しようと動き出す。ヴェーダの予想よりも遙かに早く結託した三勢力は圧倒的な物量作戦を展開し、ガンダムマイスター達を追い詰めていく。絶体絶命の彼らの前に現れたのは、3機の新しいガンダムだった…! |
あんただけは最後までバカのままでいておくれ……アニメ「機動戦士ガンダムOO」のノベライズ第二段です。
この辺りの展開は、アニメ側は全く見てなくてなんとなく人づてで何が起こったか軽く聞いたくらいなんですけど(だれそれが死んだとか、ケガした程度の知識)、人づてに聞いた話から予想していた展開よりもずっと重かったんですね。特にルイスがネーナの起した事件によって負傷する場面が想像以上に……この作品には不釣合いなくらいに明るい彼女の姿が印象に残っているだけに衝撃も大きかったです。ソレスタルビーイングとしても、敵側に本気出されてことごとく予想を上回られた上、トリニティの3人によってまた別の意味での危機に…と、まさに綱渡りの連続だなあ。
まだ2巻だというのにとことん重い展開の連続で、前回あれだけはっちゃけぶりを見せてくれたグラハムまでシリアスキャラになってしまったのがとても哀しいです。ガンダム鹵獲作戦のときはちょっと色々とアレでしたけど。天然皇女・マリナさんの出番も殆どなくて、もうこの作品の希望はコーラサワーだけですよっ!もう彼には最後までスペシャル的にとかなんとか言っててほしい。撃墜されても無傷な辺り、既に製作側も彼はギャグキャラ扱いなんだなあと感慨深く思いました。
しかし、うーん、悪くないんだけど、物語的にもキャラクター的にもやはり一押し突き抜け方が足りないみたいな印象が否めない…単純に好み的な問題で。コーラサワーのバカっぷりを拝む目的の為だけに読むには、本編が重過ぎる……しかし、次はいよいよロックオン兄さんがアレなことになってしまう話だと思われるので、なんだかんだと買ってしまいそうですが。