「生徒会の一存」シリーズの葵せきなさんのデビュー作。死にたがりだけど実際にその勇気は持ち合わせていない、“自殺志願”の主人公が美少女幽霊やら幼馴染の巫女娘やらちょっと変人な先輩やらに囲まれてラブコメったり自殺しようとしたり悪霊にモテたりするお話(違)です。
個人的には、回りくどい文章がイマイチ性に合わなかった。「戯言」のいーちゃんや「みーまー」みーくんも同じ理由でとても苦手なんだけど、思考そのまま垂れ流しというか余計な情報が地文に多すぎて、それが少々うざったく感じる事が…まあこの辺は好き嫌いの問題なんですが。
一時ラノベ感想サイトで話題になった主人公の性格については、ちょっと精神的に病んでる部分はあれど、根っこは基本的に中二病作品によく存在する「周囲の迷惑省みず自己犠牲になろうとして終盤で仲間に説教されるタイプの主人公」という範疇にギリギリおさまっているように思えました。ただ、このタイプが得てして抱え持つ病的な部分が悪い意味で強調されているので、ものすごく好き嫌い別れるかも。あと、この後の展開をある程度ネタバレで聞いているので許せるという部分はあるかな。前半のだるだる空気から一転、やたらと熱血王道な後半の展開+蛍が後でそんな自分を思い返して悶絶するエピローグは結構好き。
戦闘描写では「霊体を物質化する」という蛍の特殊能力ゆえの強み・弱みが存分に生きてくるのが興味深い。「霊体を強制物質化=霊体(魂)を自分の攻撃として使うために外に出したら外で勝手に物質になっちゃうから、使った後戻せない」とか良く考えてるなあ、と思った。しかし、この調子で霊力使いまくってると、そのうちどっかのバイトで魔術師やってるラノベの主人公みたく自滅しそうだな…。
それにしても、つくづく思った。
葵せきなのラノベで一番「非日常」なのは女子高生の制服のデザイン。
こんな美少女じゃなかったら全力で似合わないような洋服を学校の制服に指定されたら、発狂するわ!!!