自動販売機マニアだった青年が異世界に自動販売機として転生する物語。バトルあり、新キャラありで盛りだくさんなシリーズ3冊目。
新キャラ・ミシュエルの見た目とは正反対の残念ぶりが好みだった!外面は穏やかな好青年、その実態はコミュ障のビビリ、しかし防御の加護を持つハッコンでも唸るほどの実力を持つ騎士であり、対峙した人間を容赦なく切り捨てる容赦ない一面もある……というギャップ萌えが詰まった美味しいキャラでした。というかこのシリーズに唯一足りてなかった美青年枠の登場に、ついついニッコリとしてしまう。ラッミスやヒュールミがミシュエルにぐらっといかないかヤキモチを焼くハッコンの姿も微笑ましかったです。
今回は外征話が多めで、清流の階層でのエピソードが少なかったのが少しだけ残念だけど、その分大食い団とシュイが大暴れする大食い大会物語が最高に楽しかった!商店街にギリギリで赤字を出させないために、大会参加メンバーの胃袋をあの手この手でふくれさせようと右往左往する姿にニヤニヤする。
その後の、シュイの事情に迫る1日デート(違)の話もたのしかった。序盤は生きるため、機能を拡充するために商売を最優先にしている部分があったハッコンがシュイの事情を目の当たりにして色々葛藤するのがいかにも「人間」らしい。とはいえ、それってこれまでの商売をて広くやってポイントに余裕が出たからこそ悩める事なんだなあと思うと、感慨深い(個人的にハッコンが商売してる話が好きなのでそこは割り切ってどんどんやってほしいんだけど!)
階層主並の打撃力を持つミシュエルや圧倒的な力を持つ「冥府の王」、そして魔王の存在等、話も大きくなってきたなぁ。危ない場面は多々あれどなんだかんだで2巻まで敵なし状態で勝ち続けてきただけに、冥府の王との戦いは手に汗握らされました。圧倒的な力を持つ相手を前にどうやって状況を打開していくのか、楽しみです。
しかしコインランドリーはともかくA●Dは自販機に含めてしまっていいの!?今回得たスキルで一気に自分で出来ることが広がって、ますます「自動販売機」とはいいづらい存在になってきたなハッコン。あとは会話が出来るようになったらもうほとんど自販機としてのデメリットなくなってしまう……。