「倒凶十将伝」のキャラクターたちを再構成して、現代風にアレンジしたパラレル?な新作。
前作の設定を大部分引きずりながらも多くの部分の設定を変更し、更に「倒凶十将伝」の時間軸の12年後に位置する物語……ということなのですが、結局どういう設定で物語が展開しているのかまるでわからないんですがどうしたらいいですか。ハンパに旧作の知識がある為新しい設定には違和感を感じるし、旧作の設定を踏まえて「思わせぶりに」展開される物語にいちいち反応してしまうんだけどやっぱりかなりの設定が変わっていて……ていうか世界観設定がどう変わったのかまるで判らないのが致命的だと思う。
なにより、旧作で一貫して貫かれてきた「十斗とここのを中心とした、十幽将達の前世からの宿縁」という設定が消されてしまったせいで、主題がどこにあるのか判らない…いや、あるのかもしれないけど、本作では一切語られてない。前作と同じ設定なら、ここのと十斗に面識ないのおかしいよね、とか、とにかく関係を匂わせるだけ匂わせて何も回収しない展開が多すぎる。
いっそのこと、ここのと十斗の恋愛関係設定を消したんなら十斗と破軍の男同士の友情及び相棒関係に的を絞って、腐女子大歓喜な設定にしちゃえばよかったんだよ!!十斗と破軍の相棒関係には萌えるんだけど、旧作での関係を知っていると物凄く違和感があるし、同時に展開される若葉の物語やここのの物語と入り混じって展開されるせいでそこまで魅力的に描写されていない。
なんでこいつら同居してんだよ!とか
まだまだ子供な破軍に大して割りと大人……とみせかけてやっぱり子供な十斗かわいいよ、とか
事務所名が十斗&破軍で「J&H」とか何十年前のセンスだお前ら、とか
きになってしょうがないけど萌えるほど関係が深く描かれないよ!!
消化不良で泣いちゃうよいいかげん!!
…いつのまにか奈々緒たんの執事になってる破軍兄には爆笑しました。
……後書きを読む限り「続きが出るかどうかわからない」っぽい書かれかたしてるのが怖すぎます。新章のプロローグなんだとしたら、きっとこの消化不良な何もかもが後の巻で解決するに違いない、って思えるけど、このまま1巻で終了とか言われたら……もやもやしすぎて困る……。
庄司先生はこれを書く暇があるならヤマモトヨーコを完結させればいいのに…。
▼ 最近の記事
紅き月の巫女 ナイトウィザードリプレイ
紅い月の輝く夜―真行寺命は、“箒”をもって空を駆ける“ウィザード”の少女…緋室灯と出会った。出会いはやがて彼らを、世界を賭けた戦いへと誘う。…真行寺の護り刀“ヒルコ”の継承。衛星軌道上に現出する六本の“柱”。最後の巫女の覚醒。そして―。E‐LOGIN誌に連載されて好評を博したTRPG『ナイトウィザード』リプレイ、ここに堂々の文庫化!声優とベテランゲーマーをプレイヤーに迎え、ドラマは熱く盛り上がる。 (「BOOK」データベースより)
E-LOGIN誌で連載されていたナイトウィザードリプレイ。ストーリーが同時に紙面で行われていた読者企画と連動していて、そちらの結果によって展開が変わっていく…というのがとてもおもしろそうでした。というかどんどん劣勢になっていく人間側に噴いたww
門外の雑誌に連載されていたせいかTRPGの戦闘部分は極力少なくてプレイしたことない人にも読みやすく、ストーリーもキャラクターも設定も物凄く好み……だったんですが、リプレイ部分が物凄く少ないせいでTRPGリプレイの最大の特徴である「皆でワイワイ物語を作っていく」感じが、逆に鼻についたかなあ……というのが少し。シリアスなシーンで良い台詞を言っているのに、プレイヤーの「(爆笑)」がはいるだけで台無し、というシーンがかなりありました。いや、確かに実際にこのセッションに自分が参加してたら自分も笑うんでしょうが!!ソレが判っていても割り切れない何かが!!
他のリプレイを読んだ際は殆どそんな風に感じたことはなかったんですが……バトル部分が少なくて他のリプレイよりも「物語」としての面が強調されていたからこその弊害かなあ。個人的には、リプレイを元にした学園異能ライトノベル、という形で読んだらまた違った感想があったのかもしれません。
しかし、主人公の癖に様々な意味で黒すぎる主人公の命や無表情娘で料理が殺人兵器級な灯、最後でなんだかなしくずしに美味しい所もっていかれちゃった(持っていっちゃった?)感なマユリ、そして変態なのかいい人なのか良くわからないナイトメア……と個性豊かな面々が織り成す物語は普通に良かった。そして思わぬ伏線がラストで回収されたりするのにはニヤニヤしました。
今月のまとめと読了記録[2010年2月分]
2月に読んだ本は10冊でした。
新刊の崩せてなさが酷い……今月少なかったのに半分も読めてない。
2010年2月にアクセス多かった感想
バカとテストと召喚獣7.5 (⇒感想) | バカとテストと召喚獣7 (⇒感想) | バカとテストと召喚獣6 (⇒感想) | バカとテストと召喚獣6.5 (⇒感想) |
バカとテストと召喚獣5 (⇒感想) | レイセン File1: 巫女とヒキコと闇少女 (⇒感想) | バカとテストと召喚獣 (⇒感想) | バカとテストと召喚獣4 (⇒感想) |
こ れ は ひ ど い
思わず8位までの拡大版にしてしまった……バカテス新刊が僅か数日でアクセス数トップに躍り出てくるのはいつものことですが。いつぞやの「生徒会」無双を思い出しますが、今回はこの合間にもバカテス同人の告知ページが挟まったり性別秀吉部門を捏造したとか秀吉&かなたんメインの女装ラノベ特集とか……もうそんなんばっかりです。感想記事以外のアクセスを入れたり、レイセンが入らなかったら、完全バカテス無双だったという恐怖。ありがとうレイセン、君のおかげで地球は救われた!!(大げさすぎる)
2010年2月に読んで面白かった本
バカとテストと召喚獣7.5 (⇒感想) | デュラララ!!×2 (⇒感想) | レイセン File1: 巫女とヒキコと闇少女 (⇒感想) | いつか天魔の黒ウサギ 紅月光の生徒会室1 (⇒感想) |
普段はアクセス数のほうとおもしろかった本は被らせないようにするのですが、ここんとこ読んだ冊数自体が本当に少ないのでそういうの考えないことに。
とりあえず「バカとテストと召喚獣7.5」は表紙の時点で☆6つつけざるをえないわけですが、それは置いておいても収録されている「ウチと日本と知らない言葉」が素晴らしかったです。バカテスの過去話は本編とはまた一味、趣が違って大好きだ…!
アニメ効果で読み始めた「デュラララ!」もおもしろかった。2巻3巻とどんどん右肩上がりにおもしろくなっていくのですが、個人的には平和島静雄さんに焦点が当たる2巻がお気に入り。というかセルティと静雄のやりとりが可愛くて仕方ないのですがどうしたらいいですか。3巻の正臣や、岸谷親子に振り回されるセルティさんも大好きですが…!
新作という名の続編な「レイセン」はヒデオや鈴蘭をはじめとする既存シリーズキャラたちが見せる新たな関係が興味深い。特に鈴蘭と翔希の今後の関係が気になって仕方ないのですが…うわあああ相変わらずこの子は主人公の見せ場を美味しく戴いていくよ!!「紅月光の生徒会室」は、キャラは好きだけどいつ天本編のハードバトル具合についていけず脱落しそうな私にはこの上もなく美味しいシリーズでした。月光と大兎のデコボコな友人関係(主従関係?)がたまりません。男子高校生美味しいですもぐもぐ。
2010年2月の読了記録
実は、水面下で「ぼくと魔女式アポカリプス」の再読をしたりしていた。
草太×澪の悪友関係がたまらな(強制終了)
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バカとテストと召喚獣7.5
表紙とカラーページやべえええええええええ!!!!!!
長年の念願だった完璧女装なアキちゃん表紙も当然素晴らしいのですが、その後のカラーページでしっかり素の明久が女子制服を着ているという普段の女装モードを披露し、更に女子生徒達の男装イラストまでお披露目……といろいろな意味で葉賀さんグッジョブすぎる。特に工藤愛子の男装がかっこよすぎるんですが……雄二ですら今までやってなかったブレザー着崩しふおおおおおおお!!!!!!
あと次の短編集の表紙は香美ちゃんですよねわかります。葉賀さんのオマケページやばい。
「僕とダウトと男の尊厳」
結論:姫路さん総攻。
FBオンラインに連載された、明久・雄二・ムッツリーニ・秀吉の4人が掛けダウトをしていたら女子二人が乱入して……というお話。アニメ1話の姫路さんを新鮮な気持ちで見て、その後この短篇を読むと「姫路さん……変わっちまったな…」と思う事請け合いです。いくら酒のせいといえども明らかに何か間違ってる!!
とりあえず姫路さんが素晴らしい勢いで変態と言う名の淑女なのですが、日記を確認したらこの短篇の前半を始めて読んだ時の自分の感想も物凄く淑女でした…姫路さんに負けない淑女でした……
(以下当時の感想を保護色でそのまま)
とりあえず、明久はトランクス一枚まで脱がされた後1枚1枚メイド服のパーツを着せられるんだと予想して、羞恥に頬を染めながら往生際悪く黒スト片方だけ穿こうとしてストッキングが伝線し、着替えのお手伝いをしようとした姫路さんが太もも触ってきて「男の子なのにこんなにすべすべだなんて…」とか言い出して更に羞恥で頬を真っ赤に染めたらいいと思います長いですねそうですね。脱がされるのもエロいけど、着せられるのも……なんかえろい……(引用終わり)
ところで何故姫路さんが明久に着せようとしていた服がメイド服→女子制服に変わったのでしょう。
気になって仕方がありません。
「僕とホンネと召喚獣」
いつもの面々が学園長の頼みで召喚システムの試験運転を手伝ったら、現れた召喚獣がなぜか自分たちの本音をダダモレさせはじめて……というお話。
召喚獣を出すと本音が聞ける→あの人の本音が聞ける!!!といきり立ったいつもの面々があの手この手で召喚獣を召喚させ、無理やり本音を聞きだそうとする姿がシュールすぎる。強引に「サモン」と発音させて召喚獣を呼び出させる姿も滑稽なのですが、E組の中林さん&久保君の自然におかしいやりとりに噴出してしまった……久保君の歪みなさはアニメも原作もはんぱねえ。
というわけで、当然女子達の興味は意中のアノヒト達の本音へと向かうわけですが……良くも悪くもお互いしか見えてない雄二明久コンビが素敵過ぎる。女子達の質問もなんのそので召喚主召喚獣でダブル喧嘩を始める様には激しく燃え……もとい笑った。さりげなくビンビンにフラグ立ってきた工藤愛子&ムッツリーニのやりとりも見逃せません。
それにしても、意外に硬派に見せかけて年頃の男の子らしい反応を返す雄二召喚獣の反応にイチイチわたわたする雄二が可愛すぎます。あと明久の性感帯は首&耳で確定でよろしいのか(帰れ)
「僕と福引と闇の鍋」
福引で海の幸セットを手に入れた吉井姉弟が偶然姫路さんと出会ったことから、玲&姫路の最凶料理人の凶演に恐れをなした明久がいつものメンツを巻き込み、気がつけば闇鍋対決に……というお話。後書きでも言われてましたが大体タイトル通りの内容。
姫路さんが入れた具による食中毒を回避しようとお互いを牽制しあう男子達。中でも吉井家の台所を管理し家計事情を知り尽くした明久と元神童の天才策士・雄二の頂上対決………になるかと見せかけて二人の底の浅い知略など天然でぶち壊して斜め上をひた走る姫路さんが最高すぎる。良い悪友対決でした、ご馳走様でした。
そしてラストで次巻への伏線が……!!最近着々と明久とのフラグを立てつつあるポニテペッタンコをここで逆転させることが出来るのか姫路さん!!正直、姫路派として次巻が楽しみで仕方がありませんっ!!!
「ウチと日本と知らない言葉」
ドイツから帰国したばかりで日本語もろくに通じない状態の美波が文月学園に入学し、明久達と仲良くなるまでを描く過去編。文字も言葉も通じず、クラス内で一人孤立し、苛立つ美波。そんな彼女の前にはしきりに謎の言葉をかけてくる一人のクラスメイトの少年が……というお話。
何故帰国子女である美波が自らのことを『ウチ』と称すのか。日本語会話は喋れるのに文字の読み書きが壊滅的な理由。そもそも何故美波は明久に惚れているのか……。本編では長らく語られてこなかったこの理由と、明久が必死に美波に伝えようとした「謎の言葉」の意味が繋がった瞬間、胸が熱くなった。ちょっと的外れだけどいつでも誰かのために一生懸命な明久の暖かさが、言葉が通じないことで周囲に壁を作りかけていた美波の心を溶かしたんだなあと思うと。こりゃあ美波も明久にホレて当然だわ、明久いい男すぎる。
そして美波視点から雄二明久コンビの「出会い」が語られるのもポイント高いです。というかお互いを「吉井」「坂本君」呼びの雄二と明久に激しく萌えた!!!2年生時のじゃれ合うようなやりとりとは一味違う出会ったばかりの明久&雄二コンビと、そこから数週間でいつのまにやらすっかり仲良くなっている明久&雄二コンビに激しく萌えました。
っていうかこの二人、明らかに1年の序盤で何かありましたよねえっ!!
出会いの場面では心底明久のことをバカにしてる感じだった雄二にそんな眼差しをさせるような、どんな変化があったというんですかっ!!!!!雨降って地固まるみたいな事件があったとしか思えないんですけどなんだこれっ!!自己紹介の時にセーラー服着てたのは姉さんのものか?これはもう、やばい1年次気になりすぎる……!!!
美波の話のはずなのに明久と雄二の方に気をとられまくりですいませんごめんなさいっ!!
デュラララ!!×3
「あんたは人を殺せるか?新宿で情報屋なんかやって、何人もの人間を好きなように弄んで。折原臨也、あんたは、人を殺せるのか?自分の手で、直接な。ナイフで死なない程度に刺して、お茶を濁し続けやがって。まあ、何を言っても…結局お前は誰か他人を使うんだろう?笑える程に、卑怯な奴だなお前は」東京・池袋。そこには寂しがり屋な過去が集う。現実から逃避し続けるボス、責任を感じている女子高生、友人の想いに気づけない少年、乗っ取りを図る男、未だ情報で人を操る青年、そして漆黒のバイクを駆る“首なしライダー”。そんな彼らが過去を乗り越え、三つ巴の哀しい現実に立ち向かう―。 (「BOOK」データベースより)
池袋に集う様々な人々に、『首なしライダー』という面々が繰り広げる群像劇第三巻。今回は謎の人斬りの事件をきっかけに「黄巾賊」と呼ばれるカラーギャング達と「ダラーズ」の対立が深まっていって……というお話。
活動を際活発化させる「黄巾賊」に新興勢力の「ダラーズ」、そして謎の人斬り集団「罪歌」の三勢力が生んだ不穏な三つ巴。その中で正臣と帝人と杏里の三人がお互いがお互いを思い合うが故にすれ違っていく姿にこちらまでハラハラしてしまう。特に中学時代の過去に苦悩する正臣の姿は色々と見ていられないものがありました。そして、彼を引き戻された「過去」も、見えないところで姿を変容させていて——というすれ違いっぷりが切ない。あと裏で色々と彼らにいらん情報与えて暗躍する臨也さん鬼畜すぎる。
そんな正臣を叱咤して過去に立ち向かうための勇気を与え、後からこっそり力になる「大人」たちが凄くかっこよかった。特にドタチンとサイモンがかっこいい……!!サイモンに関しては、ラストの臨也とのやりとりでうっかり噴出しましたが。
そしてなんとか立ち上がった正臣がかっこよすぎる。中学時代の話からある程度喧嘩強いんだろうなあというのは予想していましたが、ここまでとは…!!2巻の静雄とは違う意味で魅せられてしまった。本当に、このシリーズ魅力的なキャラが多すぎて困る…!
彼等の三つ巴の裏で暗躍する臨也と、新羅・セルティの前に舞い戻った岸谷父の動きが不穏すぎますが、とりあえず落ち着くところに物語が落ち着いて本当に良かった。ラストの展開は少し物寂しいものもありましたが、正臣と帝人が今度は何も欺くことの無い友人同志として笑い合える日が来ると信じてる。チャットでの小粋な返しにはそんな未来がいつかきっと来るはずだと信じさせるだけの何かがあって、にやりとしてしまった。
それにしても、岸谷親子とセルティのやりとりがはんぱなく可愛い。岸谷父に翻弄されからかわれるセルティさんが超可愛いです。特にリトルグレイと警察に怯えるセルティさんにもきゅんきゅんしてしまった…!!セルティ可愛いよセルティ!!
デュラララ!!×2
「私は、人が好きよ。誰が好きかって?違う、違うわ!私は人間がみんなみんなみんな好きなのよ!どこが好きかって?野暮なこと聞かないで!全部よ、全部!なにもかも、なにもかもが好きなのよ。だけど、あなたを愛する事はできないわ。だけど、あなたは私を愛して」東京・池袋。そこには人を愛することが不器用な人間が集う。自分の立ち位置を悩む女子高生、池袋を取材する三流雑誌記者、セクハラ疑惑の教師、黄色いバンダナを巻いた黄巾賊、池袋最強のチンピラ、様々な裏情報を操る青年、そして漆黒のバイクを駆る“首なしライダー”。そんな彼らが連続通り魔事件に巻き込まれ、池袋が壊れ始めていく―。 (「BOOK」データベースより)
池袋に集う様々な人々に、『首なしライダー』という面々が繰り広げる群像劇第二巻。今回は突然現れた正体不明の人斬り「罪歌」が“池袋最強”と噂される男・平和島静雄の話を聞いて……というお話。
1巻から予想外に平和島さんに心を打ち抜かれてしまった私ですが、それを見越したかのように今回はずっと平和島さんのターン!!!普段の状態から導火線キレた際の変容具合、唯一(?)普通に接する事が出来るセルティとの微笑ましいやりとり、そしてラストの本領発揮……と、思う存分ニヤニヤさせてもらいました。すっかりノロケモードに突入した新羅×セルティカップルの破壊力も相当だけど、まるで少年のような静雄とセルティのやりとりが好きすぎます。シズちゃんかわいいよシズちゃん。
しかし、ラストの静雄のかっこよさ、ハンパねえ。
これまで自らを抑圧してきた静雄が本気で戦うことが出来る相手を得て、生き生きと戦っている様子は文字通り「かっこいい」としか表現出来なくて、自分の語彙の貧困さを呪う。いや、でもそのシンプルな一言でしか表現できないかっこよさがあった。見開きの挿絵もいい味出してます。本当に最高。
シズちゃんかっこいいよシズちゃん!!!!!
しかし、人斬り「罪歌」の正体、そしてラストで明かされるとある人の意外な正体に色々とぶっとんだ。これはもう、波乱の予感……!次巻が楽しみです超楽しみです。
死神姫の再婚 飛べない翼の聖女
波乱だらけのラグラドール編。
「聖女」アーシェルと「死神姫」アリシアの邂逅、教団の目論見、ラグラドール人達の立ち位置……などなど、大きく物語が動いた巻でした。予想外の人が敵になったり味方になったり……と勢力図の変動も激しい。不穏な動きを見せるディネロの動きも気になるところ。
そんな激動の中、夫婦のイチャイチャ具合は前の2冊ほどの破壊力はなかったかのように感じたのですが……瞬間最大破壊力がそこまででもなかった分、全体的に各所各所での破壊力が上がっている印象。というかもう嫁が可愛くて可愛くて仕方が無いカシュヴァーンが嫁バカすぎて可愛い。様々な問題は差し置いて「でもアリシアが」「アリシアが」と言い続ける姿にゴロンゴロンします。だんだんいちゃつくのに人目も憚らなくなってきて、この夫婦どこまで行ってしまうのかがとても心配です(笑)
しかし、次巻以降は教団とカシュヴァーン一派の動きにアリシアが大きく巻き込まれたことで、今後の展開がどうなってしまうのか。どう見ても次巻も波乱だらけの物語になりそうな気がして、続きが気になって仕方ありません。
いつか天魔の黒ウサギ 紅月光の生徒会室1
するとその言葉に、月光がこちらを見る。大兎のひどく疲れた顔を見る。そしてなぜか、今日初めての微笑を彼は浮かべると、言った。
この、悪魔やら魔物やら妖魔やらがはびこる宮阪高校の生徒会室を統べる男がこちらを見て、ほんの少しだけ楽しげに、
「……地獄へようこそ、鉄大兎君」
もう月光の俺様歪曲ツンデレ具合と、大兎&月光の軽口の応酬でご飯10杯イケる。
「いつか天魔の黒ウサギ」シリーズの番外編で、普段の学園でのドタバタ騒ぎをメインにした短編集。とりあえず本編を読んで2巻以降ひたすら「月光のツンデレが足りない」「月光のデレが足りない」「月光が足りない」と叫び続けてきた私にとってはニヤニヤの止まらない一冊でした。
とにかく最初から最後までひたすら俺様生徒会長メイン!本編のシリアス時に時折垣間見せる彼特有の歪曲したデレは影を潜めてしまうのが残念ですが、ソレを補って余りある大兎との軽口の応酬!!他生徒に対しても発揮される、歪曲全開なツンデレぶり!!そしてこっちでも軽くウザイバカップル(大兎×ヒメアの意)
……しかし、後書きを読んでいて本編を読んでずっと感じていた違和感に漸く納得が行った。最初は月光が主人公だったのね……通りで大兎が主人公っぽくないわけだよ。いや、性格とかは間違いなく主人公なんだけど、どうも立ち位置が脇役っぽいというか、大兎よりも月光の方が素直に主人公として感情移入できるキャラなんだよなあ…
キャラクターには惹かれるのにイマイチ本編のドシリアス具合についていけてなかった私には、これ以上になく美味しかったです。非日常に身を浸すうち、普通の学生だった大兎の視点が少しずつ変わっていくのも興味深かった。とりあえず月光のツンデレ具合が気になる腐女子の皆さんは本編1巻読んだらこっち読めばいいと思います!!
デュラララ!!
アニメが凄い盛り上がってるようなので今更手を出してみました。池袋に集う様々な人々に、『首なしライダー』という面々が繰り広げる群像劇。どうも読んでいるとアニメの強烈な映像効果に自分のイメージが引きずられるなぁ、と感じてしまう部分が多かったのだけど(特にアニメ臨也のインパクトは強烈すぎる。アニメ4話までしか見てないんだけど、どうしても彼が喋るとアニメのアレが脳裏をよぎってしまう)アニメでは表現しきれない各キャラクターの内面などもあり、結構楽しく読むことができました。
特に、印象が変わったのは帝人かな。アニメを見ているとただの無害そうな地味な主人公格キャラ、という印象だったのに、彼の視点から描き出される物語はまさに「平凡」とは乖離していて。好奇心に突き動かされてどんどん危ない方向に足を向けていく彼の姿にはハラハラしましたが、ラストの大どんでん返しでテンション上がりまくりました!彼の相方である紀田にもなにやら色々とありそうな予感で、彼等の関係がどうなっていくのかもちょっと楽しみ。
しかし、予想外に心を打ちぬかれたのがアニメ見た際に一番ハマらないだろうな?と思っていた平和島静雄だったんですよね。自販機をブン投げるキレキャラ、という認識でしかなかったのにセルティを前にした、「キレてない」静雄の意外な姿に物凄く心を打ち抜かれました!!うわああああ何だこの人可愛ええええええ!!!!!
平凡な日常から「非日常」を求めて更なる深みへ向かう帝人や自らの欲望を満たしたいがために裏で暗躍する臨也、一途に自らの『首』を求める首なしライダー・セルティに彼女を愛し妨害しようとする新羅……などなど、歪みまくった人々で一杯のとても楽しい物語でした。今回スポットライトが当たらなかったキャラクターたちにも様々な秘密が隠されていそうなので、続きを読むのが楽しみです。
しかし、あんな場面で電撃文庫が出てくるとは思わなかった。
しかもよりによってMissingかよ……!!「合わせ鏡の物語」はトラウマです。
電撃だったらアレやられるのが一番怖いよなーとおもってたら、ドンピシャで出てきて噴いた。
「チンピラ逃げて!!超逃げてーー!!!」って叫んだのは私だけじゃないはずっ。
Missing〈7〉合わせ鏡の物語・完結編 (電撃文庫) 甲田 学人 / 翠川 しん メディアワークス 2003-01 by G-Tools |
EROTICS×ANGEL
某ついったーで「ティアラ文庫新人賞作品がエロい」という話を聞いて思わず手に取ってしまいました。悪魔の虜囚となった天使が悪魔から陵辱されるというお話。
確かにこれまでに読んだティアラ文庫の作品群の中では飛びぬけてエロいんだけど、ひたすらエロシーンだけ選り抜いてつまみ食いしている間隔で個人的には物足りなかった。ヒロインが序盤で「口では嫌がってても身体は悦んでる」状態に突入してしまうのでなんだかなあ、と思ったのもあったし、相手の悪魔がヒロインに惚れた理由が「一目ぼれ」の一言で済まされているのも、そこに陥るまでの心の動きを読むのが好きな私としては興ざめ。
ひたすらエロシーンを書く事に注力してそこにいたるまでの流れはただテンプレに当てはめただけのように感じて、とにかく物足りないというか、どこかで見たような展開の詰め合わせみたいになっちゃってるのが辛かった。ヒロインが悪魔に一筋の優しさを見出して一瞬だけ心を許した瞬間に堕天の兆候が……という展開は上手いと思ったけど、そこまでやったんならそこからなしくずしに流されちゃわないでもう1抵抗してほしかったな。
せっかくの陵辱モノなのにそちらに徹し切れてないというか、全体的に「もう1波乱あっても」と思ってしまうんですよね。あとこれはティアラ文庫レーベル自体の方針っぽいけど何故いつもかませ犬が中途半端なんだ。思わせぶりに出てきた執事が実は魔王のスパイで、くっつくまえに魔王との対決が…みたいなの想像してたら執事はただの3P要員でガッカリしたよ!!!