[著]川上 稔 [絵]さとやす(TENKEY) 遠い未来、"聖譜"と呼ばれる書を頼りにかつての歴史をやりなおしている世界。極東日本はとある事件をきっかけに世界各国の派遣した"教導院"と呼ばれる学園組織から分割支配を受ける事に。極東の住民を乗せる八隻の戦艦"武蔵"のアリアダスト学院総長を務める葵・トーリは戦艦が三河に近づく中、自動人形のP01-sに告白しようと決意するが!? |
読む前からなんとなくそんな予感がしたけど、膨大な設定とキャラクターが一気に登場してきて設定把握するので正直いっぱいいっぱいです。AHEADシリーズの時も1巻は膨大な設定を把握しきれず脱落しかけた記憶があるのですが、今回はその「終わりのクロニクル1(上)」よりも大量にキャラクターが出てくるわけで……序盤20Pが設定資料集状態になってるのには本気で噴きました。物語も三河につくまでは殆どキャラクターの顔見せと彼らの設定、世界観の導入が延々と語られるので進まない進まない。読みづらさにかけては都市、AHEADと来て今回のGENESISと、どんどん難易度が上がっていく気がするなぁ……。
群雄割拠の戦国時代を"やり直し"している日本の各戦国大名に住む場を失った世界各国の勢力が便乗しているという設定で、見知った歴史上の人物の名前がどんどん出てくるのが、日本史好きとしては面白い。各宗派の言葉遊びとかも楽しいなあ。日本の「戦国時代」とヨーロッパの「百年戦争」を同時にやり直しているらしいので、今後は後者の要素も具体的に出てくるのでしょうか。
ただ、その前提の一部が今回起こった事件でいきなりガッツリ崩壊しちゃってるわけで、今後その"やりなおしの世界史"がどういう形で進んでいくのか先が見えなくて楽しみ。とりあえず「終わクロ」も1下からは普通に面白かったので来月発売の下巻を楽しみに待ちますよ!
「総長連合」とか「IZUMO」とか「全竜」とかという、今までのシリーズを彷彿させるような言葉もさりげなく登場して、どのような形で2つのシリーズを“繋ぐ”シリーズとなるのかも気になります。