“まろ” の検索結果 | ページ 2 | 今日もだらだら、読書日記。

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恋愛前夜?キレイなキス?

[著]深谷 晶子 [絵]くさなぎ 俊祈

高校生の月夜、チハル、光太郎、俊の4人の元に「キレイナモノサガシをしませんか?」というメールが届く。適当に授業に出て、適当に遊ぶ毎日に不満はないが、どこか物足りないものを感じていた4人はそのゲームに乗ってみることにするのだが…
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ついった経由で、挿絵がくさなぎ俊祈だよーと教えてもらったので思わず手を出してみた。

「イマドキ」の高校生達がレンアイしたりちょっとキケンでアブナイことをしてみちゃったりするお話で、なんていうか、良くも悪くも雰囲気を楽しむお話というか、なんというか。若さゆえのアヤマチというやつを「キレイナモノ」という言葉でスイーツ(笑)的に美化しているようなお話で、まぁ悪くはないんだけど私の好みではなかったかな。ちょっとこの物語を素直に楽しむには若さが足りないというか。

そもそも彼氏彼女とか「レンアイ」とか、そういうのとは無縁で割と健全なオタク生活まっしぐらな学生時代を送ってきた私には、登場人物たちに1ミリたりとも共感できなかったのが致命的か。

まろんさんの感想でも言われているけど、挿絵が絶妙すぎ。正直「くさなぎ俊祈のマンガのノベライズだよ!」といわれたら素で疑わないと思う…。しかし、だとしたらくさなぎ俊祈のマンガはツボにくるのに、こちらがツボにこないのは何故だろう。あっちは割とキャラクターの魅力に引きずられて読んでるから?

それにしても、未成年と思いっきり明記されている登場人物が堂々と飲酒したりタバコしたり妊娠したり自殺したり集団リンチしたり……昔のコバルト凄すぎる。コバルトというと、学生時代に折原みととか氷室冴子とか山浦弘靖あたりを作者買いした程度で本当に人気どころしか読んだことがなかったので、こんな作品があったんだーというのが一番の衝撃だったり。


死神姫の再婚

[著]小野上 明夜 [絵]岸田 メル

結婚式の最中に夫が謎の怪死を遂げ、それ以来「死神姫」との異名を持つようになった貧乏貴族の娘・アリシア。そんな彼女の元に再び結婚話が舞い込むが、相手は下克上の風潮を利用してなりあがった新興貴族で色々な黒い噂のある「強」公爵・カシュヴァーンだった。彼は会った早々、アリシアに向かって「家名目当ての結婚」だと言い放つが…
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14歳にして「未亡人」のアリシアが貴族からは暴君と恐れられるカシュヴァーン強公爵の元に嫁いでマイペースに嫁ぎ先を引っ掻き回すラブコメディ。何かの時にまろんさんからついったー経由でオススメ戴いてたのを漸く読みました。

欲しいのは家名だけだから部屋で大人しくしていてくれ、余計な事はするなと言い切る夫、「旦那様の愛人です」と嫌味たっぷりに自己紹介する自分付きのメイド、死神姫の噂を聞いて彼女を遠巻きにする召使達、そして何故かちょくちょくカシュヴァーンの屋敷にやってきてはアリシアを「助け出す」とおほざきになる貴族のティルナード卿……と一癖も二癖もある面々が超マイペースで天然娘なアリシアに調子を狂わされまくり、いつの間にやら彼女のペースに載せられていく…というお話で、まさに誰と相対しても暖簾に腕押しなアリシアの受け答えに始終笑いを堪えながら読む羽目になりました。

そんな空気読めないアリシアさんが怖いもの知らずな調子でズカズカ土足で上がりこむお陰で、様々な暗い過去を経て頑なになっていたカシュヴァーン周辺のわだかまりが少しずつ解けて行ったりするのがとても楽しい。だんだんカシュヴァーンがアリシアに心を許し、打ち解けていくさまにはニヤニヤしっぱなし。クライマックスで黒幕の所に一人乗り込んだアリシアを追いかけてカシュヴァーンが乗り込んできちゃう所なんか一人でキュンキュンですよ。この夫婦最高すぎる!!

読んでいく上で色々とモヤモヤしている部分が数箇所あったのだけど、最後の方で一気に種明かしが始まって、感じていた違和感がガッチリ事実と噛み合っていった時の爽快感はかなり凄かった。バックグラウンドを考えるととても重い話になりかねないのに、アリシアのキャラクターが全てを打ち壊しにしているのもとても良い。

他人からの悪意にとにかく疎いアリシアのキャラクターは良くも悪くも人を選びそうだけど、私としてはこの100%天然なキャラがとってもツボでした。丁度直前に読んだ「グランドマスター!」のシアシーカのような実は賢くて確信犯な天然娘も好きだけど、裏に打算も何も無いまま空気の読めなさで周囲をひっかきまわす天然娘はもっと好物です。本当にご馳走様でした。


しかし、この夫婦のノリを最近どっかで見てキュンキュンしたような気がするなあと思ったら、大河ドラマ「篤姫」の家定・篤姫夫婦だと気づいた。キャラの性格は違うけど、やっぱり空気読めない嫁にどんどん防壁を破壊されていく夫萌えー。家定は萌えキャラ。