“三日月 かける” の検索結果 | ページ 2 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:三日月 かける (13 件 / 2 ページ)

電撃コラボレーション  まい・いまじね?しょん

[著]電撃文庫記念企画
(うえお久光、時雨沢恵一、上月司、有川浩、中村恵里加、五十嵐雄策、有沢まみず、柴村仁、古橋秀之、岩田洋季、成田良悟)
[絵]西E田、むにゅう、京極しん、田上俊介、さそりがため、三日月かける、山本ケイジ
   
西E田さんの書かれたイラストを元に電撃文庫の作家・イラストレーターがストーリーを作っていくというコラボアンソロジー。15周年企画の一環?で今月から毎月こういったコラボ小説が発売されるようです。男女の学生、手紙、UFOというキーワードの縛りがあるのに王道ラブコメあり、SFありホラーありで各作家さんの味が出まくってる辺りがおもしろかったです。

色々な意味で「いつも通り」で学園キノ系はっちゃけギャグの時雨沢恵一、ベタ甘ラブコメな有川浩とかもおもしろかったですが、ダブルブリッドやソウルアンダーテイカーから一転・コテコテの脱力系メタメタギャグをやらかしてくれた中村恵里加とギャグ系エロコメ・シリアス泣きゲー系のどちらでもなく何故か超ダークでホラーな展開の有沢まみずが最大の衝撃だったかも。中村さんはまだ著者近影や初期の後書きのゲーム語りからなんとなくこういう芸風もアリかなあと思ったんですが(ていうかいつかギャグコメ書けばいいと思います)、有沢まみず×ホラーラノベは想像したこともなかったぜよ…確かにインフィニティ・ゼロはちょっと欝グロも入ってましたが!半分くらい未読の作家さんでしたが、やはり既読の人の方が普段と比較できる分二重の楽しみがありますね。

そのほか、ある意味王道といえなくもないような、古橋さんのお話と最後という事を最大限に利用した他の短編ネタが炸裂の成田さんの短編がお気に入り。未読の作家さんの中では上月司さんのスレ違いラブコメに1票。男の子と女の子で同じ行動に対する見解がどんどんズレていくのが素敵過ぎる。こういうギャグコメディは大好きだ…!

…ところで岩田さんの「シンデレラ」、大筋は切ない恋愛モノで結構好きなんだけど、男の子の方の行動の理由があまりにもしょぼすぎると思ってしまう私は駄目なんでしょうか。本当に好きな相手ならそんなの愛で乗り越えられるだろ。女を断る理由がほしくてそういうこと言った、とまでは思わないけどもうちょっとまともな理由がほしかったです。


断章のグリム2 ヘンゼルとグレーテル

オンライン書店ビーケーワン:断章のグリム 2断章のグリム 2

発売:2006.7
発行:メディアワークス
[著]甲田 学人 [絵]三日月 かける
いやグロテスク以外の何者でもないとおもう。<甲田さんの作品
1巻の「ホラーじゃないよ!メルヒェンだよ!」以上の衝撃だよ。
きっと甲田学人氏と私達で「グロテスク」の考え方が違うんだろうけど、あまりにも無謀な発言だと思うけどなあ…。

と思って、「グロテスク」で検索してみた。
グロテスクの意味、語源、由来を解説。気味が悪く異様な印象を与えるものを指す。15世紀のローマで発見された古代模様に由来する語。

つまり、甲田さんの定義している「グロ」は生理的嫌悪を及ぼす表現というよりは
人として「奇怪」という方向なのでしょうか。確かにそれなら今回の作品が「スプーン一杯のグロテスク」というのも頷けます。

…いや、まあ、多分世の中の人は本来の意味のグロじゃなくて「生理的嫌悪を及ぼす」意味でグログロいってるんだと思うんだけど…。
こういう場合、今回のような最早現実にはありえない描写よりも、「現実に起こりそうな」リストカットシーン(夜魔の「薄刃奇憚」など)やMissingで怪奇に取り付かれた少女が自分の目に硝子の破片を突き刺すシーンの方がキくと思うんだよね。


すいません、大分話がそれました。
しかし、どのブログ感想でも皆このあとがき発言について触れてるのが笑えるw

今回の感想は…うーん、なんか今までより全然感情移入できない、というか…イマイチ話に挽きこまれない。どこがどうというわけでもないんですが…。だからこそ「夜魔」も「Missing」も「断章のグリム」の1巻も怖いながらに大好きだったんだけどなあ。
ご本人が「グロテスク」をわざと意識して書かれた所為か、あまりにも現実離れした光景に移入できない。移入する暇も無く気が付いたら終わってた…というカンジで少し残念です。
童話の解釈とかは相変わらず面白いと思いました。
とりあえず、次巻ではグロとか気にしなくていいからいつものノリを、おっかなびっくりしつつ期待…してます…よ?(笑)


断章のグリム1 灰かぶり

オンライン書店ビーケーワン:断章のグリム 1断章のグリム 1

発売:2006.4
発行:メディアワークス
[著]甲田 学人 [絵]三日月 かける
「Missing」の甲田学人さんの新シリーズ。
“神の悪夢”と呼ばれる超常現象に遭遇し、そのトラウマを思い起こすことによって特殊な能力を身につけた人間達が“神の悪夢”が引き起こす超常現象と戦う…といったストーリー。登場人物達の行動がアクティブになったMissingという印象?(間違っても“ポジティヴ”ではない)

相変わらず民俗学に関する学術的…というかコアな話題と過剰すぎるだろってまでのグロ描写が秀逸です。しかも今回はヒロインがリスカで攻撃という事で、先端恐怖症の私にはキツイ話になりそうです。

色々な意味でMissingの題材を童話に変えてその他色々な細かい部分を電撃文庫でありがちな学園SFモノに焼きなおしたという印象が否めませんが、なんかもうこの方の作品のポイントは大まかなストーリーよりも薀蓄とグロ描写にあるように思えてきたのであまりきにならないという説も。主人公の日和見な印象がどうしても近藤を髣髴するとか(能力的にはむしろ稜子ですが)、ヒロインが亜紀ちゃんに見えるなんてオモッテナイヨー。むしろ葬送屋が神野・叶野コンビに見えたのは私だけじゃないはずだ(というか、あの描写は絶対狙ってると思う)。

他の方の作品でたとえれば、大筋的には「シャドウテイカー」に似てるかもと思ったり。学園が舞台だったりグロかったり暗かったりするあたりが。

描写は相変わらずいらんまでに上手いです。Missingから伝統のグロ・スプラッタな描写は途中でもうちょっと描写力下手でいいのにとまでうっかり思ってしまいました。表現が上手くて脳内でリアルに表現されてしまうので、そっち系の描写が苦手な人には全くお奨めできません。