「量産型はダテじゃない!」の作者さんの新作。高校生にもなって重度の中二病に冒された主人公が、ひょんな事から異能を得てしまうお話。
面白かった!最初は「夢にまで見た能力を得た」と舞い上がっていたものの、同じ能力者たちの重い過去や宿命に触れて少しずつだけど心から「仲間達を守りたい」という気持ちにシフトしていく姿にニヤニヤする。中二病主人公が様々な事件を経て成長していくお話は素晴らしいものですね。
タイトルや設定から、もっとおバカな小説かと思いきや、自らのトラウマを掘り起こす事で顕現する異能「ネメシス」やその能力を使う代償「アンチテーゼ」のおかげで、予想以上に物語はシリアスで重かった。異能者のそれぞれに重いトラウマがあり、能力を使うたびにそれを掘り起こされるという設定はある意味卑怯。《付け焼刃》と名づけられた、あまりにもしょぼい異能しか手に入れられなかった主人公が、それでもアルルを守る為にその能力で戦おうと努力するする姿が熱かったです。
しかし、事前情報だとどうみてもアルルがヒロインに見えたのに実際に読んだらそんなことなかったぜ!!完全にロリ宮ヒロインじゃないか!!面白かったけど、アルルヒロインだと思い込んでいたからちょっと違和感を感じたなあ……というかヒロインとしての比重がアルルとロリ宮に分割されていてどっちもヒロインらしくないというべきか……とりあえず富士見はもっと事前告知の段階でロリ宮を目立たせてもいいのよ?幼なじみ3人組もよい味出していたのに序盤以外ずっと空気だったので、次巻の際には是非とももっと彼らとも絡んで欲しい。
そういえば富士見公式サイトで配布されているノベルゲーム版やったけど、背景とキャラ絵(+一部イベント絵)を配置してそこにBGM・一部効果音と原作(途中まで)の文章をただただ流し込んだだけなのね。こんなお手軽なつくりで良いのかというか、これやっちゃうと原作を読んだ時に楽しみが薄れるなあ……と思うのですが。
そんなに気合を入れて売りたいと思っている作品なんなら書きおろし短編でちゃんと原作からは独立したゲームを作って欲しかった気も……。
▼ 最近の記事
Mew mew! Crazy cat’s night
戌井と狗木が島を去り葛原が島を離れている間に起きた、西区画と東区画、そして「猫」と「鼠」の対決のお話。
とりあえず潤ちゃん可愛いよ潤ちゃん!!!
チェンソー持った猫可愛いよ猫。チェンソーの回転と共に露骨に変わるテンションにニヤニヤが止まりません。普段のオドオド具合とチェンソー回ってる時のハイテンション具合に惚れた!!ネジロも可愛いけどとにかく潤ちゃん可愛いよ潤ちゃん。大事な事なので2回言いました。
東区画護衛部隊周辺のアットホームな仲良し具合も素敵だなあ。特にわざとじゃんけんで負けてた潤に対し、張がかけた言葉には胸が熱くなる。「護衛隊長はじゃんけんで決めている」という言葉から来るユルさで覆い隠した、隊員たちから潤への信頼が透けて見えるようで。
ネジロ率いる「鼠」達の狂騒の顛末には、最終的に大人達の「思惑」が子供たちの利害と一致しただけという感じもするんだけどその一方でそんな冷たい考えだけではあらわせない温かみがあるような気がして、やはりニヤニヤしてしまう。結局大人たちも(勿論完全に自分たちの「仕事」の邪魔になれば子供だろうがなんだろうが排除するんでしょうが)素直になれないだけなんだよね!!不器用で屈折した優しさがほのかに感じられる結末が、とても好き。そして自らの行いに対する「贖罪」を決意したネジロの今後がとても楽しみ。
色々ときな臭くなってきた感じがするエピローグではありますが、3巻ではいよいよ1巻で大活躍したあのひとが復帰!みたいだし、ちょっと島を離れていたあのひとだって当然戻ってくるだろうし……で続きがとても楽しみです。あと潤ちゃん可愛いよ潤ちゃん。(3回目)
死神姫の再婚 恋するメイドと愛しの花嫁
いよいよノーラと婚約することになったティルの所に、直前でゼオ王子が横やりを入れて来て……というお話。
ティルとノーラの身分違いの恋の行方ももちろん気になるのですが、ゼオルディス王子一派とライセン一派の対立が浮き彫りになってきました。来るべきその日を見据えながら、血の繋がりに拘らない絆を確かめ合い、共に歩むことを誓うカシュヴァーン達の姿に胸が熱くなりました。一方で、同時刻にゼオ王子達一派もいよいよ覇権をめぐって動き始めて……次あたりで本格的に激突するのかなあ。いよいよ物語も佳境に差し掛かってきた感じ。
まあしかし、それは置いておいても巻を経るごとに加速するカシュヴァーンの妻バカぶりが最高すぎる!!まさしく文字通り「恋は盲目」状態になってしまって、トレイスやノーラやルアークのしょっぱい視線もなんのその、アリシアの美しさを他の男に悟られてしまわないよう必死なカシュヴァーン様が割と残念な方向にほほえましい。
しかしその一方でカシュヴァーンと出会ったことで少しずつ自らの恋心を自覚していき、年頃の少女らしい恥じらいを見せ始めたアリシアが可愛いのなんの。旦那様とのイチャイチャも少しずつグレードアップしていって、「お腹痛い」も「お腹が壊れる」までグレードアップ。もうほんと、二人のイチャイチャっぷりを見てるだけでも幸せいっぱいになれそうなこのシリーズ。今回も本当にごちそうさまでした。
というか皆がいる前で旦那さまを「懐柔」するべく「色仕掛け」を敢行して返り討ちに遭うアリシア可愛すぎるだろおおおおお!!!!!(ゴロゴロゴロゴロゴロ)
GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン3(上)
英国のアルマダ海戦で西班牙(スペイン)・無敵艦隊との戦闘により中破した航空都市艦・武蔵。その修復のため、トーリ達は仏蘭西領の浮上島にあるIZUMOへと向かう。だが、そこで待っていたのは、世界征服の方針を左右する出来事だった! AHEADシリーズ『終わりのクロニクル』と都市シリーズの間の時代を描く壮大な物語“GENESIS”シリーズ。中世の日本と世界各国が同居する学園ファンタジー世界“極東”を舞台に繰り広げる、川上稔ワールド満載の第3話、遂にスタート!(公式サイトより)
この本を手にとって「あ、今回薄いな」って呟いた貴方は境ホラ中毒に侵されています(挨拶)
十分分厚いよ!!700Pとか普通のちょっと厚めのラノベの2冊分あるからね!?
確かに2下と比べたら厚くないですが、まだまだ十分おかしい……
(あ、今回は左手1本でページめくれるから薄いな)
そんなわけでもうおかしいレベルで分厚いのが一種の芸風になりつつある境ホラシリーズ第三弾。今回は中立地帯・IZUMOを舞台に新たな敵・新たな味方が入り乱れます。今回は六護式仏蘭西、M.H.R.R.、清武田、印度諸国連合、里見教導院、P.A.ODAあたりのメンバーが一気に参戦してキャラ数のインフレはどこまでも止まらない!!とりあえず本を開いて真っ先に「これまでのあらすじ」のページで感動したのは私だけじゃないはず。2巻を読んだときは物凄く苦労したので本気で脱落しようかなあ、と考えたのですが今回はメインで下敷きになるのが戦国時代の話だったせいか、割とすらすら読み進められました。単に自分が日本史のほうが得意なので時代背景がわかりやすい…というのはあるのですが。
生徒会室の整理をしていた正純達が、トーリの私物であるエロゲーを発見して泣きゲーでトーリが死んでしまうと困るから?、みたいなやりとりしてる場面で地味に心折れそうになった。イマイチこれまで実感の持てなかった、トーリが代償として喪った物の大きさを改めて感じて。しかし、トーリは1巻で「最後のエロゲー」とかいってなかったか……普通にエロゲ卒業できなかったんですか?
メインキャラたちの崩壊も順調に進行中で、とりあえずすっかりすべり役として皆に認識されつつある正純ににやりとしつつ、個人的に一番ツボに入ったのは2巻で大活躍したネシンバラさん。オタ全開のところを存分に見せ付けつつ、何気にちょくちょく混神して入ってくる某眼鏡さんからのツッコミが愛情の裏返しすぎます!!あと新キャラの中では清武田の生徒会長・源義経が可愛すぎて困る。あの子とトーリのやりとりが本当に可愛すぎて、ニヤニヤがとまらなかった!!
とかのんきに言ってたらルイ・エクシヴやべええエエエエエエエエ!!!!!!!
まさかの、トーリに最大のライバル出現だった(主に全裸的な意味で)彼とトーリの全裸対決のおかげで、私の腹筋がマジやばい。ほんと、3巻のどのシーンもぶっ飛ばしていく驚愕の場面といわざるをえません。
物凄く気になる所で続いてしまっているので、早く続きが読みたいなあ。ミトツダイラの家族の因縁とか、いろいろな意味でトーリ&ホライゾンと似ているルイ&輝元カップルの活躍も拝めるのかな…?来月が楽しみ。
デュラララ!!×8
「最近、なんだか帝人君の様子がおかしいんです。まるで……紀田君がいた時みたいに凄く明るくなって──」 東京・池袋。表面上は何も変化のないこの街も、夏を迎え、水面下で熱い歪みを抱えていた。 杏里や正臣の居場所を作ろうとして孤独な戦いに身を溺れさせる帝人。街の微妙な変化を知り自分の過去を清算するべく池袋に戻ってきた正臣。そして、帝人を心配しセルティに悩みを相談する杏里。それぞれの思惑で動き始めた三人の行方とは──。 さらにその裏側で大人達は別の事件に絡んでいく。ストーカーの影に怯える聖辺ルリと彼女を心配する羽島幽平。弟に相談を持ちかけられた末、セルティに相談する静雄。杏里と静雄という友人達の悩みの狭間で、首無し(デュラハン)ライダーが起こす行動とは──。 そして、池袋を離れていた情報屋は静かに動き出す──。 さぁ、みんな一緒に──デュラララ!!×8(公式サイト紹介文より)
臨也さんが残念すぎてどうしよう可愛い(挨拶)
ちょ……おま……本編の話もぶっとぶくらいにエピローグで胸が暖かくなったわ責任とれ!!!とりあえず念願の2人以上鍋マジでおめでとうございます。4巻ラストからずっと皆で鍋囲めなかったの心残りだったんだとおもうと……なんだこれ臨也さんの鍋にかける思いのこと考えるとマジで胸が熱くなる……駄目押しのように「そういえばあいつこの前入院してたよね」みたいなセルティさんやら平和島さんの反応が残念さに加速をつけているようにおもえてなりません……どうしようもうこいつ、残念すぎて一周回って可愛いよ臨也………
とりあえず出だしからいきなりエピローグについて延々と語ってしまうのも如何なものかと思いますが、ストーリーは6巻のラストを受けて本格的に動き出した帝人と、帝人を救うために動き出した正臣、そしてセルティ・新羅カップル+平和島兄弟の方向から偶然事件に巻き込まれた杏里のお話がメイン。カラー挿絵の杏里がエロ可愛くて正直困ります。
帝人の考えは6巻の展開やらなにやらを見ていると判らなくもないんだけど、なんか変なほうにふっきれちゃった感があって、とても不気味だった。元々彼の中に潜んでいた異常性が表に引っ張り出されちゃったという部分はあるんだろうけど、それでも……うーん。しかし、そんな彼の暴走を直接目の当たりにして、大切な友人として自分自身のエゴだと自覚しながらも帝人の目を覚まさせようと自ら捨てたはずの過去すら掘り起こして動き出す正臣の姿に胸が熱くなりました。本当に、正臣が今後活躍してくれるのを楽しみにしてる。そして帝人と正臣と杏里がお互いの全てをさらけ出せる日を、楽しみに待ってる。
それにしても、今回はキレる場面が殆どなかったせいか静雄さんの可愛さも半端なかったです。
セルティや幽やトムさんの前で見せる、おとなしい姿にニヤニヤが止まらなかったり。
ていうか猫を頭に乗せたシズちゃんの挿絵の破壊力やべええええええ!!!!!
今月のまとめと読了記録[2010年5月分]
5月に読んだ本は再読含め15冊でした。漸く調子が戻ってきた……
今月面白かった本
東京レイヴンズ (⇒感想) | ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!disc4 (⇒感想) | 魔王様げ?む!2回戦 (⇒感想) |
あざの耕平さんの新作「東京レイヴンズ」が超面白かった!!ストーリー本編も物凄く面白いですが、春虎と冬児の悪友っぷりにニヤニヤがとまりませんでした。地文で冬児に対する呼称が「冬児」「悪友」「親友」の三段階ある事に転がったのは私だけじゃないはず。まだまだ導入回という感じの1巻でしたが、2巻が本当に楽しみです。
そして長らく積んでいた「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!disc4」が不意打ちすぎて……まさかの男子回が……!!現実に投影されたゲームの本来の主人公である真田正樹と武紀の友情具合にごろんごろん。4巻、5巻と一気に面白くなってきた印象なので3巻で積んでる人は今からでも崩すんだ…!!
密かに今月一番楽しみにしていたTSラノベ「魔王様げ?む!2回戦」も予想以上に面白かったです。女の子として女好きの魔王様に使えることになった元勇者・レモンの葛藤やツンデレっぷりにニヤニヤが止まらない。是非とも、3巻が読みたいなあと思う1冊でした。
2010年5月の読了記録
再読・まんが含めて50冊。以前から色々な人にオススメされていた「Landreaall」がめちゃくちゃ面白かった!以前から色々な人にオススメされていたのですが、その人気もわかるというもの。主人公も好きですが、ティ・ティとフィルが好きです。というか魅力的なキャラクターが多すぎて色々な意味で困るまんがです。
あと、バカテス好きなら買い逃せない、「バカとテストと召喚獣 SPINOUT! それが僕らの日常。」。ファミ通コミッククリアの更新を毎回楽しみにしていた本なのですが、とにかく明久たちのなんでもない日常が可愛くて可愛くてたまらない。バカテス好きなら必見の1冊です。
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とらドラ・スピンオフ!3 俺の弁当を見てくれ
文庫未収録の短編を中心に収録した短編集第三弾。面白い短編はもちろん面白かったんだけど、面白かったものとイマイチなものの落差が激しいなあ……特に電撃の特別冊子系に載った短編は「あれ?これだけ?」というものが多くてどこか物足りなかった。いえ、収録してくれるだけありがたいといえばありがたいのですが……
個人的に面白かったのは「不幸のバッドエンド大全」「ラーメン食いたい透明人間」。「不幸のバッドエンド大全」はPSP版「とらドラ!ポータブル」の限定版についていた短編なのですが、実乃梨と北村の「バッドエンド」の内容が本気でこわい。いろいろな意味で恐ろしい……大河と亜美の「バッドエンド」もある意味身近な恐怖で恐ろしいといえば恐ろしいなのですが、なんかあの子達はなんだかんだで楽しくやっていきそうなイメージが…。
書きおろしの「ラーメン食いたい透明人間」は、大河が転校した直後の能登と木原のお話。大河や竜児や亜美達のすぐ近くにいながらどこか彼等の「輪」のなかには加われなかった二人が、竜児や亜美に対して抱いていた複雑な気持ち、同じ位置で悲しみを分かち合えない悲しみみたいなものが胸を打つ。最後で精一杯の勇気を出した能登の行動にニヤリとしました。この2人は少しずつ距離を詰めていって幸せになって貰いたいなあ!
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc5
ほぼdisc4からの続き。「エターナル・イノセンス」の本来の主人公・真田正樹が消えてなんとかこれまで通りの日常が戻ってきた……と思いきや、咲の様子がどうもおかしくて…というお話。
咲のピンチに立ち向かおうとする武紀達に要所要所で力を貸してくれる人(あるいはキャラクター)達との絆が、それこそギャルゲー風に言うとこれまで遭遇してきた事件によって少しずつ「フラグ立て」されたものだと思うと感慨深い。高橋さんの周囲の人脈だって1巻で咲の事件を解決していなければありえなかった人脈なわけだし。特に2巻で「敵」として登場した普久原の再登場&活躍にはニヤニヤが止まりませんでした。あと、なんといっても正樹かっこいいよ正樹!!!相変わらずのかっこつけ具合と有能ぶりにゴロゴロしました。本当に、正樹×武紀をおしたい……(やめてください)
3巻までは武紀・ゆうき・藤田という「設定者」同士のつながりはそれなりにあったものの、基本的にヒロイン達(+α)と武紀の間だけで繰り広げられていた閉鎖的な世界観が、4巻・5巻と来て一気に広がったような気がする。個人的には少しずつ男子キャラの活躍が増えてきて、ニヤニヤが止まらない。
また、物語の核心である「フェアリーテイル」システムにも少しずつ話が及んできて、今後の展開も楽しみなところ。外伝である「シルバーバレット」はなんだかんだで読んでいないので、来月発売のaddonでの本編補完が楽しみです。
断章のグリム12 しあわせな王子(上)
大きな黒い霊柩車のような不審な車。かつてこの車を見た翌日、隣の家族は忽然と姿を消した。その同じ黒い車が、密かに想いを抱く浅井安奈の家の前に停まっている。安奈はあまり幸福とは言えない学校生活を送っている可憐な少女で、趣味を通して最近少しだけ仲良くなってきたところだった。膨れあがる不安感に押され家の中に忍びこんだ多代亮介は、傷ついた安奈を連れ出して逃亡した。蒼衣が深い傷を抱えた一週間後。処分しそこなった“泡禍”被害者を探すため、瀧修司と可南子の工房を訪れた蒼衣たち。だが、可南子に対して雪乃は恐怖を感じずにはいられない。雪乃は“生き返り”という概念に疑問が隠せず、そして―。悪夢の幻想新奇譚、第十二幕。(「BOOK」データベースより)
「葬儀屋」コンビの元で起きたトラブルが少しずつ大きくなり、やがて「童話」の泡禍に……というシリーズ第十二巻。
例によって上下巻構成なので現時点ではあまり触れる事がないですが、やはり一番大きかったのは蒼衣の「断章」に関するあれこれ。序盤にそれを「断章」として自らの力にしてからは殆ど忘れられたかのように思われた彼が抱え込んだ幼なじみに関する「泡禍」がとある事件をきっかけにして浮かび上がり、非常に不安定な状態に。もちろん、彼の抱える人格の歪みなんかは泡禍の所為なんだけど、それが事態を更に酷いほうへ持っていく気がして、不安で仕方が無い。「しあわせの王子」の泡禍以上にこちらのほうが心配……
とか思ってたら最後が!!!
ある意味でこのシリーズらしい、凶悪な引きにすっかり現実(?)に引き戻される思いでした。亮介の思いにはどこか異常なものを感じていたけど、それがこんな形で出てくるとは……とりあえず次巻を読んでからじゃないとなんともいえませんが、次巻が楽しみです。
魔王様げ〜む! 2回戦
魔法で女の子にされてしまい魔王城のメイドとして働くことになった元勇者・レモンのお話第二巻。今回は第一巻で最大の敵として立ちふさがった宿敵・ラミーレスと魔王様を巡ってなぜか恋の鞘当てメイド対決をすることになるお話。
魔王専属の座を巡る美少女メイド2人のバトル!!というと聞こえがいいですが、どっちも元「男」なんですよね。主要となる三角関係に1人も生まれた時からの女がいないというこの事実を踏まえると……。そのほか、元男だと発覚した○○○○さんとの百合具合(※ただし、中の人は全員元男である)なども含めなんという倒錯具合なの……。
しかし、相変わらず美少女に対してどこまでもゆがみない魔王・ディンゴが時折見せるイケメン具合と、他の元男どもの変貌具合を見て「いつか自分もああなってしまうかも……」と思いつつもなんだかんだでディンゴに惹かれて行くレモンのやりとりにニヤニヤが止まりません。正直、普通に俺様魔王とツンデレ女子のラブコメ、としても楽しめるけどレモンが元男だと踏まえて読んでいるせいで一種のBL萌えを感じてしまう自分が居るわけで。レモンがギリギリのところで男としての自我を保ち続けているのもポイント高し。正直この絶妙なバランスを崩さず、どこまでも境界線でせめぎあっていてほしいなあ。
個人的に2巻が出るのを待望していたので、期待通りの作品が読めて本当に嬉しい。
3巻が出るのを全力で期待して、楽しみにしてます!!