サマーウォーズ クライシス・オブ・OZ | 今日もだらだら、読書日記。

サマーウォーズ クライシス・オブ・OZ

   
原作
細田 守

ネット上の仮想世界OZで、“キングカズマ”として名を馳せる佳主馬は、ちょっとドジなアバター“マキ”と出会う。しかも“マキ”の本体である真紀は佳主馬がいるネットカフェの隣席におり、彼女が兄から預かったデータを狙う男たちに襲われていた。真紀を助けた佳主馬は、男たちから逃げるうちにそのデータがOZに莫大な被害をもたらすものだと知るのだった。真紀とOZを守るため、佳主馬と“キングカズマ”は戦いに挑む。日本中を感動させた名作アニメのオリジナルストーリー。(「BOOK」データベースより)

カズマを主人公にした「サマーウォーズ」の前日譚。OMCに挑戦してチャンピオンとなったものの、自分が何のために戦っているのかわからなくなっていたカズマが「OZ」の世界で助けた女の子を偶然リアルでも助ける事になって……というお話。

物語の舞台が「OZ」よりも現実世界を中心に描かれているせいか、最強アバターであるキングカズマというよりも年相応の男の子らしい中学一年生の佳主馬の一面が強調されていて、とても可愛かった。真紀の女の子らしい一面に触れてドキドキしたり、『敵』に負けて茫然自失となったりする姿がどこか微笑ましい。人よりちょっと大人びていて、頭も回るし、運動神経も良いけどやっぱりただの子供なんだなあ、とほっこりするシーンが多かった。

そんな佳主馬の孤独な戦いに助力する人々の姿が原作通りの爽快さで、読んでいて本当に楽しい!!特に栄おばあちゃんは相変わらず良い所持って行きすぎで困る。一家勢ぞろい、とまでは行かないけどやっぱり一筋縄ではいかないところを見せ付ける陣内家がマジ最高。そしてカズマを裏からサポートし続けるあの人の正体に途中で気付いてニヤニヤ。

そしてクライマックスのチャットバルーンを使った演出に震えた。ずっと「ひとり」で戦ってきたキングカズマが、自分が決して1人で戦っているのではないと気付いた瞬間。そしてなぜ自分が誰かに勝ちたいと願い続けるのかと自覚する姿に胸が熱くなりました。

サマーウォーズは複数のコミカライズ・ノベライズが出ているけど個人的にはこれが一番面白かった気がする。というかノベライズものでは久しぶりの大当たりだったなあ。超オススメ!!

しかし映画といいこの本といい、本当に理一さんは自衛隊という名で何の仕事をしてるんですかw

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