発作的に自らの空想の世界の住人になってしまう「空想病」の少女・結衣。高校受験の日に偶然彼女の「空想」に巻き込まれてしまった主人公は、何故かその後も彼女につきまとわれることに。なんだかんだで彼女の空想につき合わされていくうちに……というお話。
ちょっと不思議要素を孕んだ、それでも普通の少年少女達が繰り広げるボーイミーツガール……だとおもって読んでいたら、後半以降の展開に度肝抜かれた。結衣の空想が世界に広がり、空想が現実を侵食し、どこまでが『空想』でどこからが『現実』かわからなくなっていく。足元が揺らいでいくような感覚。空想が空想のまま終らず、周囲の人たちの認識を捻じ曲げて現実までをも書き換えていくのが凄かったです。
そしてこの作品のキモは色々な意味で最後の1Pだと思うのです。いえ、あまりにも自然に書かれているので最初全く気付かなくて、読書メーターの感想を見ていて読み直して噴出したのですが!!この落ちてるように見せかけてちっとも落ちてない最終ページ凄い。もうなんていうか「最終ページが本編」と断言してもいいくらいじゃないか。
2巻がここからどう展開していくのか、とても楽しみです。