“文学少女”と恋する挿話集 1  / “文学少女”の追想画廊 | 今日もだらだら、読書日記。

“文学少女”と恋する挿話集 1  / “文学少女”の追想画廊

[著]野村 美月 [絵]竹岡 美穂

柔道部主将の牛園たくみが恋したのは、文芸部に所属する可憐な“文学少女”天野遠子だった。しかし彼女は近頃、生意気な1年生にご執心の様子で……そんな彼の元に、思わぬところから救いの手が!?“文学少女”天野遠子と彼女を取り巻く人々が織りなす短編集第一弾。
  
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“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫 の 2-7-1)
“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫 の 2-7-1)

“文学少女”の追想画廊
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【恋する挿話集1】
「FBオンライン」で掲載されていた短編と書き下ろしを中心にした、“文学少女”シリーズの短編集第1弾。

遠子先輩の文学語りがメインな「今日のおやつ」のほか、日常のなんてことない騒動を中心に描かれている短編が多いので「美味しそうな」物語を思う存分堪能しました。本編終盤のシリアスな物語展開も秀逸だったけど、やっぱり美味しそうに「ごはん」を平らげる遠子先輩の蘊蓄は格別なものがあるよね!!

のーみそ筋肉な牛魔王こと牛園くんや、文芸部とひょんなことから『盟友』関係となったボート部の皆さんなど、短編にしか出てこないキャラクター達もコミカルに動き回って、彼らや遠子先輩に振り回されるコノハの姿にニヤニヤせざるをえません。しかし、「革命する労働者」のコノハくんは最高に“受”だよねー。遠子先輩の「裂けちゃって大変」にはおもわず緑茶噴いた。コラボでチラリと披露された遠子先輩の腐女子な一面は「おやつ」の方でもっと何回か披露されていた気がするので、次巻に超期待です。

その他、姫倉さんと遠子先輩の出会いや流人くんが巻き起こす大騒動を描いた短編など、サブキャラクターに視点を当てた短編がいくつか収録されていますが、一番印象に残ったのはやはり美羽と芥川のその後を描く「無口な王子と歩き下手の人魚」。不器用な芥川君と、ツンデレ全開な美羽のやりとりが可愛いのなんの。決して甘いだけの短編ではないのですが、このシリーズらしいほろ苦さでとても良かったです。


【追想画廊】
竹岡さんのイラストに野村さんの文章と短編が添えられた、画集…というかファンブック。
アニメイトで買うと初回特典で野村さんの短編がもう1個読めます。「神に臨む?」で遠子先輩が心葉の為にシュークリームを作るお話で、流人くんの目線から描かれる恋する乙女な遠子先輩がたまりません。

本編を思い出しながらイラストと添えられた文章を追っていくと、本編を読んだ時の胸の痛さがよみがえってきます。イラストの雰囲気も文章もぴったりとマッチしていて、存分に堪能できました。しかし、書き下ろしイラストの美羽が素でコノハちゃんに見えた私はどうしたらいいんだろう……

掲載されている短編は本編終了後、大学に入った心葉のお話。離れて暮らす二人の話なのに、本編最大級のラブラブっぷりなのはどういうことか。「恋する挿話集1」の方に掲載されている、大学に進んだ遠子の物語「今日のおやつ 特別編」と合わせて読むとなんだか感慨深いものがありますね。

っていうかこの短編でのラストの心葉のセリフはなんかもう、殺し文句すぎてズルいよ!
これ先に読んでいたら「このラノ2009」は間違いなくコノハに投票してたのに!
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