「倒凶十将伝」のキャラクターたちを再構成して、現代風にアレンジしたパラレル?な新作。
前作の設定を大部分引きずりながらも多くの部分の設定を変更し、更に「倒凶十将伝」の時間軸の12年後に位置する物語……ということなのですが、結局どういう設定で物語が展開しているのかまるでわからないんですがどうしたらいいですか。ハンパに旧作の知識がある為新しい設定には違和感を感じるし、旧作の設定を踏まえて「思わせぶりに」展開される物語にいちいち反応してしまうんだけどやっぱりかなりの設定が変わっていて……ていうか世界観設定がどう変わったのかまるで判らないのが致命的だと思う。
なにより、旧作で一貫して貫かれてきた「十斗とここのを中心とした、十幽将達の前世からの宿縁」という設定が消されてしまったせいで、主題がどこにあるのか判らない…いや、あるのかもしれないけど、本作では一切語られてない。前作と同じ設定なら、ここのと十斗に面識ないのおかしいよね、とか、とにかく関係を匂わせるだけ匂わせて何も回収しない展開が多すぎる。
いっそのこと、ここのと十斗の恋愛関係設定を消したんなら十斗と破軍の男同士の友情及び相棒関係に的を絞って、腐女子大歓喜な設定にしちゃえばよかったんだよ!!十斗と破軍の相棒関係には萌えるんだけど、旧作での関係を知っていると物凄く違和感があるし、同時に展開される若葉の物語やここのの物語と入り混じって展開されるせいでそこまで魅力的に描写されていない。
なんでこいつら同居してんだよ!とか
まだまだ子供な破軍に大して割りと大人……とみせかけてやっぱり子供な十斗かわいいよ、とか
事務所名が十斗&破軍で「J&H」とか何十年前のセンスだお前ら、とか
きになってしょうがないけど萌えるほど関係が深く描かれないよ!!
消化不良で泣いちゃうよいいかげん!!
…いつのまにか奈々緒たんの執事になってる破軍兄には爆笑しました。
……後書きを読む限り「続きが出るかどうかわからない」っぽい書かれかたしてるのが怖すぎます。新章のプロローグなんだとしたら、きっとこの消化不良な何もかもが後の巻で解決するに違いない、って思えるけど、このまま1巻で終了とか言われたら……もやもやしすぎて困る……。
庄司先生はこれを書く暇があるならヤマモトヨーコを完結させればいいのに…。