「1年C組」シリーズ完結編にオールキャストな卒業式二次会の模様を収録した短編シリーズ最新刊。短編シリーズ完結……かとおもったらこちらももう一冊あるようです。
C組シリーズ完結編となる「1年C組の告白」。事実上の真冬のストーキング集団と化していたC組の面々も、真冬の転校を前に変化が…というお話と同時にこのシリーズの語り手だった秋峰葉露自身の家庭の事情と二人の"姉"に対する物語が語られていくのですが、色々と吹っ切った葉露の、リリ姉へのはっちゃけ具合に思わずニヤニヤしてしまった。最初は恥ずかしがっていたリリも、その後の二次会ではすっかりデレて完全にバカップルになってるのが可愛いなあ。
好かれるあまりに遠巻きにされてしまっていた真冬ちゃんと1年C組の関係は正直ものすごくモヤモヤするものを感じていたので、葉露くんがしっかりと言葉にしてくれてスッキリする。なんだかんだで、転校直前にでもちゃんと仲良くなれてよかったよね。
そして生徒会シリーズ本編、前巻完結した2年B組編、そして今回の1年C組編の『最終回ラッシュ』というお祭りの後、卒業式の二次会の模様を描いた「碧陽学園大二次会!」。各シリーズの登場キャラは勿論、本編「企業編」「卒業編」に登場したチョイキャラまでが勢ぞろいのオールスターっぷりが本当に楽しい!前作「マテリアルゴースト」のキャラクターたちも名前だけ登場したりで、葵せきな作品を知っていれば知っているほど楽しめる仕様がとても心ニクイ。
内容はまさに全てが終わった後の大打ち上げ大会という感じで、二次会の名に相応しいぐだぐだぶりなんだけど、とにかく細かいネタが多すぎて拾いきれないほど。一方、続編となる「新生徒会の一存」へのちょっとした仕込みもあったりして、大ボリュームの小ネタの数々を思う存分楽しみました。枯野が相変わらずツンデレすぎて可愛いな!!あと、オチがまさかの残響死滅兄さん。
生徒会の中だけではじまった閉じた物語にこれだけたくさんの人物が関わってきたのだなあとおもうと感慨深い。3シリーズの完結編にふさわしい、彼らの「続いていく日常」を感じさせられるちょっとほんわかした気持ちになれるエピソードでした。
短編集残り一冊と「新生徒会の一存」も楽しみ。
生徒会の土産 碧陽学園生徒会黙示録7
著
葵 せきな絵
狗神 煌私立碧陽学園生徒会―そこは、美少女メンバー四人が集う楽園だが…え?「生徒会の一存って終わったんじゃないの?」って。HAHAHA、YOUは面白いことを言うね。日本には「立つ鳥跡を濁さず」ということわざがあるのを知っているかな?というわけで『みんな集まれ!碧陽学園大合同二次会―ポロリは無いよ!』の開催をここに宣言しよう!ある意味ラスボス的な存在の本妻、飛鳥や杉崎の妹、林檎も参戦。他にもあんなキャラや、こんなキャラなどオールキャスト総出演でお贈りする碧陽学園卒業式延長戦!最後の思い出は「らしく」たくさんの笑顔で―これがみんなの愛すべき日常。 (「BOOK」データベースより)