勇者として目覚めたものの、役立たずの烙印を押され廃人にされてしまったケヤル。最後に仲間を出し抜いて賢者の石を手に入れた彼は石の力で世界を『癒』し、勇者として目覚める前からやり直すことを決意する。悪意によって一度人生を奪われた少年が繰り広げる、人生やり直し系復讐劇。
なろう版(多分3巻途中分くらいまで)既読。即死技、洗脳、人体改造、スキルコピー等々、「回復」という概念を拡大解釈して定番のチートスキルとして転用していく発想が面白い。これから起こることを知りつつも敢えてそれに乗っかることで復讐するための「言質取り」と「お膳立て」を整えていく展開がエグいけど、しかしまあ味方も敵も擁護のしようがなく下種か廃人しかいないので一周回って爽快ですらある。
個人的には洗脳されて性奴隷化しているヒロイン(?)・『術』の勇者フレアが実は虎視眈々と復讐返しを狙っている展開をめちゃくちゃ期待しているのですが、どうなるのかな。個人的にはケアルのワンサイドゲームのまま終わってしまうとそれはそれでスッキリしないんですよね……喧嘩両成敗で共倒れしてほしいんだけど。
ところで書き下ろしの追加シーン、どこかとおもったらまさかの過去編。原作になかったホモのDVが追加されてるとは思いませんでした!!『剣』と『砲』が同性愛拗らせた性犯罪者なのは知ってたけど、洗脳前のフレアのこじらせぶりも大概に酷い。勇者3人ともマジで地位と勇者としての特権がなかったら完全に犯罪者だよ…。