ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん [Disc 2] | 今日もだらだら、読書日記。

ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん [Disc 2]

 

現実世界のゲーム実況が神々の声として聞こえるようになったジーク。神託を通じ婚約者リーゼロッテが“ツンデレ”だと知った彼は、その可愛さに悶え、誓った。―彼女の命を奪う元凶“古の魔女”を許さない。しかしその討伐のため、神託に従い国の最高戦力を集めたはいいが、婚約者本人まで戦う気満々なのはなぜなんだ…?遂にバッドエンドの黒幕と直接対決!ゲーム実況が導く先に不遇な悪役令嬢のハッピーエンドは訪れるのか…!? (「BOOK」データベースより)

ゲームを通して乙女ゲームの世界に「声」を届けられるようになった高校生の男女が「実況」と「解説」を駆使して誰も見たことがない完全ハッピーエンドを目指す物語、完結編。いよいよジークとリーゼロッテが両想いになり、破滅フラグも回避──と思ったのもつかの間、ゲームの展開通りに“古の魔女”がリーゼロッテの意識を蝕みはじめ……というお話。

魔女との最終決戦に対抗するため、未登場の「攻略キャラ」達に助力を求める展開〜まではいいんだけど、もともとフィーネが何故かムキムキ状態でそれに引きずられて周囲の面々のレベルも上がっており、更に遠藤のアドバイスによってゲームにはない戦力も加わってきてオーバーキル感が半端ない。ゲームでのフラグを立てていないので助力を求めるのが難しいかと思われていたキャラが思いもよらぬ人物によって懐柔されたり……と、ゲームでは見えなかった人物関係が見えてくるのも楽しい。

本来のゲーム展開では孤立してしまっていたリーゼロッテを救うため、これだけの人たちが力を尽くしてくれることが感慨深かった。遠藤・小林の言葉がすれ違ってしまっていた二人の関係を解きほぐしたからこそ迎えることが出来た結末。ただ萌え語りをしているようで、それがきっかけでイチャイチャしているだけのようで、その「実況」と「解説」こそがリーゼロッテの破滅する運命を打開する鍵としてしっかり働いているのが上手いなあと。それにしてもこんなに戦力がオーバーキルキルで最終決戦の見せ場は大丈夫!?と思っていたら、まさかの土下座系女神登場で腹抱えて笑ってしまった。いやでも、ゲーム世界の本来の流れとか踏まえて、色々とこれまでのことぜんぶが神代から続く壮大な痴話喧嘩だったんだと思うとワロエナイな……。

そして思わぬ展開から最終決戦は現実世界で行われることに。最後の最後ですれ違ってしまい窮地に陥る遠藤・小林の両名を救ったのが「向こうの世界」からの「実況」と「解説」だったもんだからもう…!!恋愛に疎い両名の、指摘されてみれば笑っちゃうようなすれ違いっぷりにニヤニヤし、こちらが恥ずかしくなるくらいの真っ直ぐな告白に胸を熱くしてしまう。ジークとリゼたんのようなイチャイチャとはまたちがった、少しずつ距離を縮めていく遠藤と小林の関係が大変に甘酸っぱかったです。

最後までゲームの画面を隔てたままの語らいが最高に楽しく、そしてだからこそ避けることができない「ゲームクリア」と言う名の別離に涙してしまった。そして、そこからのエピローグが楽しくて……!!2巻で綺麗にまとまってるのも大変にポイント高かったです。楽しかった……。

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