“すみ兵” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

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東京レイヴンズ 13 COUNT>DOWN

 

夏目の窮地を機に、身を潜めていた仮初の巣から飛び立ち集結した仲間たち。再会を喜ぶのも束の間、わずか数日後に大規模霊災テロが計画されていることを知る。それは過去2度にわたり上巳の日に起こされてきた霊災テロの3度目―「本番」とも言うべきものだった!陰陽庁のトップ・倉橋ら、強大すぎる敵を前に、夏目たちは味方を増やすそうと行動を開始。が、それを阻むかのように陰陽庁がある声明を発表し…!?奔走する若き闇鴉たち、荒御霊を従えた元講師、独自の行動をとる『十二神将』、退路を断たれゆく春虎―刻々と迫る決戦の日に向け、星々が錯綜し戦況は目まぐるしく変転する!(「BOOK」データベースより)

春虎とは合流できなかったものの、数年ぶりに集結した夏目達。大規模霊災テロを数日後に控えてそれに立ち向かうため、陰陽庁の木暮と連絡をつけようとするがなかなかうまくいかない。しかも、陰陽庁が霊災テロの首謀者が春虎であると発表してしまい!?

あとがきにあるとおりのクライマックス前の雌伏の回。もどかしい展開が続くんだけど、その間にも秋乃や冬児の力の正体やそれぞれの思惑が明かされたりしてノンストップで惹き込まれていきました。木暮が上のやりかたに疑問を持ちながらも、陰陽庁に残った理由いいよね……。

初対面である冬児達と、彼らと親しくしている自分の知らない夏目の姿に気後れして一歩下がろうとする秋乃と、かつての自分と似たような境遇の彼女を不器用に気遣う鈴鹿の関係が特によかった。なかなか真意が伝わらなかったり、上手くいかなかったりするけど辛抱強く秋乃の心を開こうとする鈴鹿の姿に、彼女の精神的な成長を見ることができて胸が熱くなりました。

仲間たちの成長と、確かな絆を感じることが出来る巻だったのですけどその反面で夏目の身体の状態や大友の教え子想いであるが故の単独行動などなど不安要素が増えてしまったのも事実で。色んな意味で物凄いところで次巻に続くしてしまっていてここからどうなるのか気になりすぎる!

それにしても、一部ラストからこっち殆ど表面的な動向しかわからなかった春虎側の動きが見れたのが胸アツ。まだまだその真意を覗くことはできないけれど、昔のような年相応の少年らしい一面と、何より夏目の為に行動していると知ることが出来たのは良かったです。


東京レイヴンズ12 Junction of STARs

 

空を舞う『スワローウィップ』の群れ、くちばしからたなびくピンクのリボン―それは、天馬から夏目への“秘密の伝言”。そのメッセージは夏目だけでなく、決起の日を待つ仲間たちのもとにも届いていた。そして、都内にて潜伏する春虎にも。夏目が東京へ戻ってきたことを知った春虎は、焦燥を募らせる。夏目とは会えない事情があった。早く“捜し物”―『鴉羽』と対になる呪具を見つけなければいけないのだが、成果のないまま徒に時が過ぎていく。そんな春虎を追い詰めるように、夏目の危機を知らせる報がもたらされ…!?東京の闇の中、運命を背負う星々が瞬き、交錯する―! (「BOOK」データベースより)

天馬からの『伝言』を見て、夏目の帰還を知った仲間達。それは春虎の元にも届くが、春虎には夏目に会えない事情があり──そんな中、夏目と行動を共にしていたはずの土御門家の面々が逮捕されたというニュースが飛び込んでくる。逃れた夏目を救うため、仲間達が動き始めて……。

BookWalkerの30時間無料キャンペーンでめちゃくちゃ久しぶりに続き読みました……前巻(11巻、EX2)あたりから読み直していたので、1冊しか読めなかったんですけど…。

11巻の前半でバラバラになった仲間達を描いたところから、天馬の行動をきっかけに再び彼らが希望を取り戻して、そして夏目の危機という再び動くべき時が来て、ひとりひとりとこれまでの場所を抜け出し同じ場所へ集っていく展開、最高にワクワクする。このときのためにと牙を研いでいた彼らが集い、一年半ぶりの大立ち回りを演じるのが最高に熱かった。

改めて本当に天馬が前巻から良い活躍をしてる。「普通」じゃない仲間達の中で、「普通」であることが取り柄の天馬こそが状況を動かしていくという展開が本当に熱いし、仲間の危機となれば躊躇いなくその状況に飛び込んでいく姿がかっこよかったし、前巻から引き続き完全にジョーカー的な立ち位置になっているのが楽しすぎる。そして京子はいい女になったし、一番敵に近い場所で押しつぶされそうになりながら必死に抗う鈴鹿の姿にじんわりするし、唯一前巻から戦闘描写のあってその成長ぶりが示唆されていた冬児が助けに入った時の安心感ときたらもう。楽しくて仕方がなかった。

しかし、ほぼ全員が勢揃いとなった中、まだ合流できていない春虎と大友先生の周囲から感じる不穏な気配が凄い。大友の危うさは二部が始まってからずっと示唆されてきたけど、その危うさに本人が気づいていないこと、そして夜光の件があったとはいえ誰よりも情に厚いはずの春虎からの拒絶という形で示唆されるの、本当に衝撃しかなかった。春虎の方も色々と本調子じゃない部分が見て取れて(特に飛車丸)、あぶなっかしい。

物語はそろそろクライマックスに向けて収束していくという雰囲気で、そんな中未だに底が知れない相馬陣営や真意が見えない木暮、夜光の件がどうなっているのかよくわからない春虎やフラグ満載な大友など不穏な種も満載。今後どうなっていくのかがとても楽しみになってきました。続きも読もう……。


東京レイヴンズ11change:unchange

 

新年、東京。春虎を追い続ける夏目は、久しぶりにこの街に帰ってきた。呪術界を揺るがしたあの夜から一年半。かつての仲間たちの現状が気になりながらも、会えば迷惑をかけると己を律する夏目に、秋乃の素朴な言葉が突き刺さる。「夏目はいいの?友達に会えなくていいの?」一方、夜の東京の片隅で、陰陽庁の仕掛けた「餌」に大きな獲物が食いついた。始まる激しい呪術戦。出動した『十二神将』と対峙するのは?。変わりゆくもの、変わらないもの。呪術と陰謀渦巻く東京で、再び運命が動き出す! (「BOOK」データベースより)

 一年半ぶりに東京に戻ってきた夏目だが、追われる身であるが故にかつての仲間たちと再会することもかなわず、やきもきする日が続いていた。秋乃の言葉をきっかけに、最も監視の薄い天馬に便りを出してみることにしたが……というお話。

 10巻で足取りのわからなかった「彼ら」の現在を中心に描いたシリーズ本編11巻。10巻に引き続きシリーズ二部本格始動のための助走の回といった感じなんだけど、しょっぱなから盛り上がるのなんの。大人組のド派手なバトルも展開されて、テンションあがらざるをえない。っていうかこんなところで大友vs木暮の親友対決持ってくるとか、出し惜しみしない感すごい。

 表面上は今までとおりの生活を送る者達でもその実は「今までとおり」とは行かず、誰も彼もが水面下で爪を研ぎながら動き出すための時を待っているといった雰囲気が印象的でした。いろいろなところで一年半の重みを感じさせる展開がアツい。

 特に冬児と「あの人」の組み合わせには正直びっくりしたけど、あの人ほんとどんだけ大友先生好きなんですかね!?いや、なんというかほんと憧れの人に追いつくためにあらゆる努力を惜しまないかがみんは愛すべきヤツというかいとしいというか尊いですけども、愛が重いわー。これ先の巻で、「お前の育てた春虎と俺の育てた冬児、どっちが強いかなァ!!!」とかいって悪友対決始まっても驚かないむしろ見たい。しかし、執拗に大友を追う木暮も含めて、大人組のフラグは9割がた大友に集中してる気がして正直どうなんですか……。

 そんなとまった歯車を動かそうとでもいうような夏目からの便りと、天馬から仲間達への『メッセージ』に思わずにやりとしました。本当に、天馬は美味しいところをピンポイントで持っていくよね!!冬児の言うとおり「普通じゃない」やつらの中に一貫して「普通」を貫く彼だからこその活躍にニヤリとする。

 裏で動き出す多軌子一派の陰謀となんとなくにおわされてくるスケールの大きさにぞくぞくさせられながら、本当にこれから動き出すであろう二部本編が楽しみでなりません。これまでは割りと大人組の活躍が目立って学生組は影に隠れてしまう事も多かったので、一年半の雌伏の時を経た彼らの活躍を楽しみにしていたい。


東京レイヴンズEX2 seasons in nest

 

クリスマスといえばプレゼント交換にミニスカサンタ、そして―式神のひく橇で夜空を飛翔!?未来の陰陽師を育成する機関―陰陽塾。クリスマスとは無縁そうなこの学び舎だけれど、一年で一番盛大に行われるのは、なんとクリスマス・パーティーだった!ただし、呪術が息づくこの場所で、普通のパーティーで終わるわけがなく…。聖夜をはじめ、節分、新入生との交流、三者面談など、陰陽塾に訪れる、四季折々の騒動を綴った短編集が登場!のちに『三六の三羽烏』と呼ばれることになる大友や木暮たちの陰陽塾生時代を描いた書き下ろしも必読。(「BOOK」データベースより)

 クリスマス、節分など陰陽塾での季節の話を中心にした短編と、木暮視点から描かれる木暮・大友・早乙女涼の「三羽烏」結成秘話+αを収録した短編集。

 とりあえず春虎・冬児好きとして「バトル・オブ・ビーン」に触れないわけにはいかないんですけど、普段割と落ち着いたイメージの冬児が節分の豆まきを嫌がってブチキレて大暴れする姿にニヤニヤが止まらない。そして一応心配してくれてる(に違いない)大友先生を完全スルーして悪友の春虎と真顔で対峙する姿に腹筋が攣りました。敵味方に分かれてもお互いの呼吸を理解しあっている悪友な2人の対決にニヤニヤせざるをえないんだけどそれ以上に本線のストーリーが酷すぎ(褒めてる)だよ!!あと大友先生のオヤジ術式が酷い(これも褒めてる)

 三羽烏結成秘話を描く「エンカウンター・トライアングル」はまず木暮さんの荒れっぷりにびっくりしたんだけど、東京にやってきて自らの実力を持て余して孤立していた木暮が自分以上にクセモノな大友や涼と出会い、少しずつ自分の考えを改めていく姿がとてもよかった。2人との出会いによって木暮は文字通り人生ごと変えられたんだなあとおもうとじんわりする。あとがきによるとその後の彼らの短編も来る予定との事なので、そちらも楽しみにしていたいです。

 EX1と同じく、本編の時間軸を思い出すと陰陽塾でドタバタしてる短編がイチイチ既に戻らない輝かしい過去という事実を定期的に思い出していちいち辛いんだけど、今回は本編の展開と三羽烏の過去編をふまえてラストの「エピローグ」で追い討ちをかけてくるのがとても酷い(褒めてる)と思いました。大友の言動から浮かんでくる物語の時間軸と、過去を重ね合わせたかのような展開が辛い。それとなく陰陽塾のその後も示唆されていて、否応無しに11巻への期待が高まる1冊でした。

 ところで、BOOK★WALKERで購入すると文庫未収録の小説(7巻の店舗特典だったもの)が特別収録されているんだけど、こちらに収録されていた「なつめ日記」が物凄く意味深で、何故これを特典限定にしてしまったのか!!と問いたい。

 幼い頃の春虎と夏目が京子との約束でリボンを探すお話なんだけど、まだ見ぬ京子に子供らしい独占欲と嫉妬を覗かせる夏目はともかく、春虎の行動が色々な意味で上手く言葉に出来ないけど意味深で……。子供らしい邪気の無い行動といってしまえばそこまでなんだけど、この春虎がここまであっさり夏目のいう事を優先してしまうのは些か違和感を感じて。ただの「幼馴染」や「仲の良い親戚同士」というよりもある意味「土御門家の式神」としての夏目と春虎の関係を示唆するエピソードなのではないかと思ってしまって、上手く言葉に出来ない。ほんとなんでこれ特典限定小説なんだ皆読んでもだもだすればいいのに……。


東京レイヴンズ10 BEGINS/TEMPLE

 

「ごめんな、夏目。でも、いつか…きっと、また会おう」夏目を蘇らせるため『泰山府君祭』を執り行った春虎。夏目が目を覚ましたとき、その姿はもう何処にもなかった。そして夜は幾度も廻り―舞台は、冬の気配深まる山寺へ。幼い頃に寺に預けられ、下っ端として雑用をこなす少女・秋乃は、新入りの面倒を見るよう命じられる。蛟の生成りだという新入りに、不吉な予感を覚える秋乃。時を同じくして、三人の『十二神将』が来訪し、山寺は俄かに騒がしくなるが…!?大人気陰×陽ファンタジー、それぞれの想いと星の宿命が交錯する、待望の第二部―いよいよ開幕!! (「BOOK」データベースより)

 世俗から切り離された山寺・星宿寺。その寺で雑用をこなす兎の生成りの少女・秋乃は新しく入ってきた少女の世話を命じられる。蛟の生成りだという少女には色々秘密があるようで…?

 満を持しての第二部開幕。ピンナップの女の子達可愛いなあっておもいながらひっくりかえしたら裏面の土御門主従に転がったわけですがなにあの春虎かっこいい!!!

 1巻と同じような導入巻で今後の展開への下準備という感じの話なんだけど、メインの視点が渦中の春虎から夏目及び新キャラクターの秋乃に移ったせいで、彼の視点からなら色々見えていたであろう事が再び闇の中という感じで、物凄くもだもだする。さりげなく、今回出てこなかったキャラクター達のその後が透けて見えるのもニクい演出。

 土御門夜光が作った過去の因縁や春虎の作った現在の因縁に陰陽庁の思惑が絡み合ってしょっぱなからものすごくアツい展開だった。陰陽庁側の動きもなかなか楽しかったけど、終盤のじじい(お寺のふたり+大友先生の相方の彼)どもにうっかり燃えた悔しい!

 そして最後の秋乃の正体でまたびっくりさせられた。春夏秋冬の「秋」の登場、ということで今後のメインキャラクターになっていくのかな。それとも、春虎にとっての冬児のような、夏目にとって掛け替えのない友人となっていうのか。むしろ冬児ってそれだけ物語的に重要なキャラだったのか(いや確かに色々に匂わせている感じはあるけど)。2巻以降は今回出てこなかったキャラクター達もばんばんでてくるらしいので、そういう意味でもとても楽しみです。


東京レイヴンズEX1 party in nest

 

緊急事態発生!平和な陰陽塾に突如、謎の『敵』襲来!!陰陽師を育成する陰陽塾。そこは、強力な結界に守られた日本屈指の安全な学舎、の筈だった。しかし今、その平和は破られた。謎の『敵』は数々の術を駆使し陰陽塾を攪乱、生徒の中には負傷者も発生する異常事態に!狙いは、稀代の陰陽師・夜光の生まれ変わりと噂される土御門夏目なのか!?塾内に響き渡る警戒警報を背に『敵』は愛刀の刃をキラリと光らす。ふさふさしっぽに狐耳…どっかで見たようなその『敵』の正体は!?陰陽塾でのてんやわんやな日常のほか、春虎と北斗、夏の日の出会いを描いた書き下ろしを含む、シリーズ初の短編集! (「BOOK」データベースより)

 ドラマガ連載分+書き下ろしを加えた短編集シリーズ1巻。主人公である春虎以外の面々の視点から語られる、日常のちょっとした出来事やドタバタ騒ぎを描いた短編集。

 冬児メインの短編『阿刀冬児のロジック』が大変良い悪友だった!!かつて自らが住んでいた町で、とあるモグリの陰陽師の開いている“集い”に冬児がもぐりこむ話なんだけど、かつての悪友・そして現在の悪友との絆が透けて見える大変美味しいお話でした。冬児を信頼してるから過剰な心配はしないけどそっと影から自分の出来る事を模索する春虎の水面下での行動がたまらない。また、作中では危なげなく陰陽塾の授業についていっているようにみえる冬児が影でどれだけ努力を重ねているのか、その一端が透けて見えたのもアツかったです。

 一番笑ったのは天馬視点の短編『ペガサス・ファンタジー』。誕生日ネタの話にありがちなサプライズパーティネタで楽しくもほんのりあったかく終わらせてくるのかとおもったらまだ一段階オチがあった!!誕生日で色々な意味でソワソワが隠せない天馬も可愛すぎるんだけど、友人の誕生日を祝おうとして気合入れすぎて盛大に空回りするみんなの姿にニヤニヤがとまりませんでした。

 そして甘酸っぱさでは京子視点の『倉橋京子の挑戦』も負けてはいなかったけど、やはり夏目の視点から北斗と春虎の出会いを描く『トライアングル・ミステイク』が可愛かったなあ…!!北斗を操るのに四苦八苦して何度もギリギリのところで春虎の目の前で致命的なミスをやらかしそうになる北斗の姿にも笑ったけど、それを操る夏目さんの七転八倒ぶりたまらない。夏目さんまじ残念可愛い!!

 どの話もとてもほんわかするんですけどその反面、すでに失われた日常にじんわりする。この本をこのタイミングで出すのはいろんな意味でズルい。本編は第一部を終わらせていよいよ第二部へ。バラバラになった彼らが再びこんな日常を取り戻せることをそっと祈りつつ、続きを楽しみにしたいと思います。


東京レイヴンズ9 to The DarkSky

 

「オーダー!」信じない。死んでなどいない。まだ取り戻せるはずだ。枯渇しかけた力をひたすらに治癒符に込め、春虎は呪を注ぎ続ける。主を―大切な幼なじみを呼び戻すために。遂に夜光としての力を覚醒させた春虎。だがその代償は大きく、暴走する『鴉羽』から春虎を庇った夏目はその命を落とす。「泰山府君祭だ。泰山府君祭なら夏目を生き返らせられる…!」一方、千年にわたりこの国を統べてきた陰陽術、その真なる復権を掲げる双角会が姿を露わにしたことで、大友や木暮ら『十二神将』たちもまた、それぞれの信念のもと呪術界を巻き込んだ戦いへと身を投じていく―。 (「BOOK」データベースより)

めちゃくちゃ面白かった…!!

 8巻までで積み上げてきた様々な伏線の多くがこの巻のために結実している感じで、次々と伏線を回収して、たたみ掛けるようにキャラクター達の見せ場がやってくるのが凄すぎる。もう転がるしかない。燃えの同時多発テロすぎました……。

 春虎や冬児やコンといったメインキャラたちの活躍は勿論なんだけど、これまであくまでクラスメイトとして描かれてきた彼らの覚醒っぷりがすごかった。特に天馬がこんなに活躍するなんて夢にも思わなかった。陰陽塾の面々が、確実にこれまでの物語の中で成長していっているのが見て取れて胸が熱くなりすぎてやばい。あと冬児から春虎への信頼がいちいちアツすぎるんですけど冬児さんどんだけ春虎の事好きなんですかね!白馬で来た!!!(錯乱)

 そして大人組の活躍がまたイチイチ酷いんですけど鏡さんはもうツンデレなんですよね大友先生の事好き過ぎて対決してるときの輝きっぷりが酷い安定のかませ犬感つらい。木暮vs大友の親友対決おいしすぎる辛い。ネタバレネタバレなあの人と大友先生のまさかのコンビ結成に胸が熱くなる辛い。なんかさっきから大友先生のことばっかいってますけど仕様です辛い。

 それにしても、「第一部完」といいながらも酷いところで終わったなあ。覚醒した春虎の真意が見えないまま、物語は新章へ。彼らの物語がまたどこに繋がっていくのか、楽しみでなりません。

 しかしアニメここで終わるんですかこれは酷い!!!


東京レイヴンズ8 over-cry

 

白日の下に晒された夏目の本当の姿。「約束の男の子」は夏目ではなく春虎―。真実を知った京子は春虎たちを避け続けていた。一方、シェイバとの戦い以来、春虎は呪力を制御できず不安定な状態に陥っていた。幾つもの不安を抱える春虎たち。そんな折、土御門宗家が何者かによって襲撃される事件が起こる。動揺する夏目のもとに現れたのは、あの赤毛の少女、多軌子だった。「ぼくが目覚めさせるんだ。―夜光の生まれ変わりを」運命の歯車は、軋みを上げて回り始める。後戻りすることのできない、未来へと向かって―。 (「BOOK」データベースより)

 夏目の正体を知って以来、春虎達を避け続ける京子。陰陽塾に現れた相馬多軌子。呪術の制御が出来ず思い悩む春虎のところに、土御門宗家が襲撃され焼失したという報が飛び込んでくる。様々な事態が動き出す中、鈴鹿達の提案で墨田川花火大会に行く事になり……。

 春虎の正体に関しては1巻の序盤くらいから実はそうじゃないかなあと思っていたし、それをにおわせる描写は7巻以降各所であったのでなるほど納得という感じなんだけど、考えていた以上に土御門家の事情は入り組んでいたなあ。『しきたり』がそんなところに繋がっているとは思わなかった。そして最後が衝撃過ぎる……。

 裏で暗躍しはじめる大人たちの動きが凄い。土御門家の大人たちや夜行信者側の重要人物も次々に登場して、これまでばら撒いてきた伏線を次々と回収していくのがアツい。しかし、同時に解けかけてしまった糸を一生懸命手繰り寄せ、元通りにしようとする子供達の思惑を無視して動き始める彼らの思惑には、やるせないものを感じました。なんだかんだで春虎夏目や京子が心配な鈴鹿さまが可愛すぎて死ぬ。そして衝撃のラスト。9巻まで一気に読んだからいいですけど、ここで止めるのは卑怯ですよ…!!

 それにしても、親世代の活躍に今後を期待せざるをえません。鷹宏と千鶴の空気を読まないバカップル夫婦ぶりにも萌えましたけど泰純とのツーカーぶりなんなんですか!!親世代が式神契約結ぶまでの過去編ください!!!

「私の出る幕はあるまい。こういうとき、私の式神は極めて優秀だ」
泰純が平然と答えたときだった。

「いやいや。千鶴の言う通りだ。ちったあお前も働け、泰純」


東京レイヴンズ7_DARKNESS_EMERGE_

 

『D』による陰陽塾襲撃事件からしばらく。その傷跡は大きく、陰陽塾は一時閉鎖に追い込まれ、退塾する生徒も続出していた。そんな中、『D』と大友の熾烈な呪術戦に心を奪われたままの春虎は、夏目とともに訪れた陰陽塾屋上の祭壇で、一人の少女と出会う。「君たち二人のことはよく知ってる。初めまして―ぼくは相馬多岐子」。その出会いが、のちにもたらす意味を知らないままに。時同じくして、呪捜部公安課による双角会掃討作戦が密かに始動。陰陽庁内部に潜む“敵”の炙り出しが行われるのだが!?―。 (「BOOK」データベースより)

 『D』と大友先生の呪術対決を見て以来、胸のうちに違和感を感じてぼーっとすることが多くなった春虎。そんな中、双角会のあぶりだしが行われる事になり、その間の夏目の護衛としてあの鏡がやってきて……。

 6巻でこれまでずっと戦ってきた『D』との決着がつき、色々不安要素はあるもののひとだんらくついた印象を受けていたんだけどむしろここからが本番だった!意味ありげな新キャラ達が登場しての新展開なんだけど、盛り上がりがすごい。

 新キャラクター・多軌子の登場や春虎の能力覚醒、夏目の件も含めて本当に動きの多い回だったんだけど、子供達の知らないところで動き出す大人達の思惑がとても不穏。誰を信用すれば良いのかわからない展開にこれからどうなってしまうのかとてもドキドキする。そして京子の件は……内心事態を悪くしようとする気はないのに、どうしても言わずにはいられなかったであろう最後の言葉が悲しい。

 しかし、鏡さんはどんだけツンデレなんですか憎んでるとかいいつつ大友先生好きすぎるじゃないですか!!Dとの術比べの話を春虎とするときのまるで憧れのヒーローの話でもするようにって表現にハートを打ち抜かれざるをえないんですけどどういうことですか!!憎んでるのに憧れてるとかどういうことなんですか!!(大事な事なので3回いいました)


東京レイヴンズ6 Black Shaman ASSAULT

 

思い出の中の大切な少女、北斗の正体は、夏目―?実技合宿以来、そんな疑念が拭いきれない春虎。北斗への自分の気持ちが整理できないままの春虎は、夏目に対しても今までのように接することができず、二人の仲は次第にぎくしゃくしたものとなっていく。一方、『上巳の再祓』以降、その脅威が現実的なものとなった『D』は、陰陽庁に宣戦布告。事態を重く見た陰陽庁は『十二神将』を配置し迎撃を試みる。いち早く情報を察知した陰陽塾でも、警戒を強め、密かに準備を整えるのだが―!?すれ違う式神と主、激しさを増す陰と陽の戦い。若き闇鴉たちを取り巻く戦いは、いよいよ本格的になり!? (「BOOK」データベースより)

 春虎と夏目がギクシャクする中、『D』が動き出して……急展開のシリーズ第6巻。

 あとがきで「おっさんが活躍し始めたら本番」とか言われてたけどマジで今回は終盤以降の大友先生の独壇場すぎた。ド派手な“術比べ”が熱すぎて、春虎じゃないけどもうゾクゾクワクワクせざるをえない。あとマジで白と黒の束帯対決とか萌えるのでやめてください萌えるから。あと鏡さんがマジツンデレ。

 大人たちが活躍する裏で、足手まといだと悩む天馬や北斗の件で思い悩む春虎、春虎の様子を受けてなんとなくギクシャクしてしまう夏目など陰陽塾の面々はたいへんに青春してたなあ。一足先に吹っ切れた冬児の活躍にもニヤニヤした。十二神将の本領を発揮する鈴鹿は本当に敵に回すと嫌だけど味方にすると頼もしいんだけど京子が絡んだ時のツンデレっぷりが鏡に匹敵する勢いで可愛い。

 色々な意味で子供を置いてきぼりにして大人たちが大活躍だったお話だったけど、あとがきの気になる含みも含めて次巻は子供達の成長が見れるだろうと期待してしまいます。いえもちろん大人組の活躍も気になるんだけど!!