春虎とは合流できなかったものの、数年ぶりに集結した夏目達。大規模霊災テロを数日後に控えてそれに立ち向かうため、陰陽庁の木暮と連絡をつけようとするがなかなかうまくいかない。しかも、陰陽庁が霊災テロの首謀者が春虎であると発表してしまい!?
あとがきにあるとおりのクライマックス前の雌伏の回。もどかしい展開が続くんだけど、その間にも秋乃や冬児の力の正体やそれぞれの思惑が明かされたりしてノンストップで惹き込まれていきました。木暮が上のやりかたに疑問を持ちながらも、陰陽庁に残った理由いいよね……。
初対面である冬児達と、彼らと親しくしている自分の知らない夏目の姿に気後れして一歩下がろうとする秋乃と、かつての自分と似たような境遇の彼女を不器用に気遣う鈴鹿の関係が特によかった。なかなか真意が伝わらなかったり、上手くいかなかったりするけど辛抱強く秋乃の心を開こうとする鈴鹿の姿に、彼女の精神的な成長を見ることができて胸が熱くなりました。
仲間たちの成長と、確かな絆を感じることが出来る巻だったのですけどその反面で夏目の身体の状態や大友の教え子想いであるが故の単独行動などなど不安要素が増えてしまったのも事実で。色んな意味で物凄いところで次巻に続くしてしまっていてここからどうなるのか気になりすぎる!
それにしても、一部ラストからこっち殆ど表面的な動向しかわからなかった春虎側の動きが見れたのが胸アツ。まだまだその真意を覗くことはできないけれど、昔のような年相応の少年らしい一面と、何より夏目の為に行動していると知ることが出来たのは良かったです。
東京レイヴンズ 13 COUNT>DOWN
夏目の窮地を機に、身を潜めていた仮初の巣から飛び立ち集結した仲間たち。再会を喜ぶのも束の間、わずか数日後に大規模霊災テロが計画されていることを知る。それは過去2度にわたり上巳の日に起こされてきた霊災テロの3度目―「本番」とも言うべきものだった!陰陽庁のトップ・倉橋ら、強大すぎる敵を前に、夏目たちは味方を増やすそうと行動を開始。が、それを阻むかのように陰陽庁がある声明を発表し…!?奔走する若き闇鴉たち、荒御霊を従えた元講師、独自の行動をとる『十二神将』、退路を断たれゆく春虎―刻々と迫る決戦の日に向け、星々が錯綜し戦況は目まぐるしく変転する!(「BOOK」データベースより)