一年半ぶりに東京に戻ってきた夏目だが、追われる身であるが故にかつての仲間たちと再会することもかなわず、やきもきする日が続いていた。秋乃の言葉をきっかけに、最も監視の薄い天馬に便りを出してみることにしたが……というお話。
10巻で足取りのわからなかった「彼ら」の現在を中心に描いたシリーズ本編11巻。10巻に引き続きシリーズ二部本格始動のための助走の回といった感じなんだけど、しょっぱなから盛り上がるのなんの。大人組のド派手なバトルも展開されて、テンションあがらざるをえない。っていうかこんなところで大友vs木暮の親友対決持ってくるとか、出し惜しみしない感すごい。
表面上は今までとおりの生活を送る者達でもその実は「今までとおり」とは行かず、誰も彼もが水面下で爪を研ぎながら動き出すための時を待っているといった雰囲気が印象的でした。いろいろなところで一年半の重みを感じさせる展開がアツい。
特に冬児と「あの人」の組み合わせには正直びっくりしたけど、あの人ほんとどんだけ大友先生好きなんですかね!?いや、なんというかほんと憧れの人に追いつくためにあらゆる努力を惜しまないかがみんは愛すべきヤツというかいとしいというか尊いですけども、愛が重いわー。これ先の巻で、「お前の育てた春虎と俺の育てた冬児、どっちが強いかなァ!!!」とかいって悪友対決始まっても驚かないむしろ見たい。しかし、執拗に大友を追う木暮も含めて、大人組のフラグは9割がた大友に集中してる気がして正直どうなんですか……。
そんなとまった歯車を動かそうとでもいうような夏目からの便りと、天馬から仲間達への『メッセージ』に思わずにやりとしました。本当に、天馬は美味しいところをピンポイントで持っていくよね!!冬児の言うとおり「普通じゃない」やつらの中に一貫して「普通」を貫く彼だからこその活躍にニヤリとする。
裏で動き出す多軌子一派の陰謀となんとなくにおわされてくるスケールの大きさにぞくぞくさせられながら、本当にこれから動き出すであろう二部本編が楽しみでなりません。これまでは割りと大人組の活躍が目立って学生組は影に隠れてしまう事も多かったので、一年半の雌伏の時を経た彼らの活躍を楽しみにしていたい。