天馬からの『伝言』を見て、夏目の帰還を知った仲間達。それは春虎の元にも届くが、春虎には夏目に会えない事情があり──そんな中、夏目と行動を共にしていたはずの土御門家の面々が逮捕されたというニュースが飛び込んでくる。逃れた夏目を救うため、仲間達が動き始めて……。
BookWalkerの30時間無料キャンペーンでめちゃくちゃ久しぶりに続き読みました……前巻(11巻、EX2)あたりから読み直していたので、1冊しか読めなかったんですけど…。
11巻の前半でバラバラになった仲間達を描いたところから、天馬の行動をきっかけに再び彼らが希望を取り戻して、そして夏目の危機という再び動くべき時が来て、ひとりひとりとこれまでの場所を抜け出し同じ場所へ集っていく展開、最高にワクワクする。このときのためにと牙を研いでいた彼らが集い、一年半ぶりの大立ち回りを演じるのが最高に熱かった。
改めて本当に天馬が前巻から良い活躍をしてる。「普通」じゃない仲間達の中で、「普通」であることが取り柄の天馬こそが状況を動かしていくという展開が本当に熱いし、仲間の危機となれば躊躇いなくその状況に飛び込んでいく姿がかっこよかったし、前巻から引き続き完全にジョーカー的な立ち位置になっているのが楽しすぎる。そして京子はいい女になったし、一番敵に近い場所で押しつぶされそうになりながら必死に抗う鈴鹿の姿にじんわりするし、唯一前巻から戦闘描写のあってその成長ぶりが示唆されていた冬児が助けに入った時の安心感ときたらもう。楽しくて仕方がなかった。
しかし、ほぼ全員が勢揃いとなった中、まだ合流できていない春虎と大友先生の周囲から感じる不穏な気配が凄い。大友の危うさは二部が始まってからずっと示唆されてきたけど、その危うさに本人が気づいていないこと、そして夜光の件があったとはいえ誰よりも情に厚いはずの春虎からの拒絶という形で示唆されるの、本当に衝撃しかなかった。春虎の方も色々と本調子じゃない部分が見て取れて(特に飛車丸)、あぶなっかしい。
物語はそろそろクライマックスに向けて収束していくという雰囲気で、そんな中未だに底が知れない相馬陣営や真意が見えない木暮、夜光の件がどうなっているのかよくわからない春虎やフラグ満載な大友など不穏な種も満載。今後どうなっていくのかがとても楽しみになってきました。続きも読もう……。