上巻からの続き。
面白かった!クレアとシャーネはいつのまにこんなにラブラブバカップルになったんですかシャーネにぞっこんらぶなクレアも可愛いけど、シャーネの反応が可愛すぎて困る。
そしてクレアとシャーネも可愛いんだけどクレアとフィーロの幼なじみっぷりがとてもやばい!!!ほんとにちょっとだけのニアミスなんだけど、この2言3言から伝わってくる気軽さっぷりがまじぱねえ。クレアが「名前を貰った」というフェリックスの一件も気になるところです。そしてラストのチックとマリアのやりとりが可愛いなああああ!!
1933年の事件はこれで終わりだけど、最後に新しい物語のはじまるを思わせるようなヒキでわくわく。1931で出てきたあのひとの再登場もありそうだし、続きが楽しみです。
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バッカーノ!1933〈上〉THE SLASH クモリノチアメ
禁酒法撤廃目前のアメリカ。多くのマフィアが幅を利かせるきっかけになったこの法律の改正により、彼らは様々な方向転換を迫られていた。ガンドール・ファミリーは自分たちのシマで無許可で様々な事をやっているチンピラ集団に《拷問師》チックと食客のマリアを向かわせる。一方、イブは海に沈められた兄・ダラスをようやく見つけ出したのだが……というお話。
チックとマリアのコンビが可愛いすぎる。両手の鋏と笑顔を絶やさぬ《拷問師》と無邪気な人斬りコンビのちょっとテンポがズレたやりとりがツボには待って仕方ありませんでした。
あと、不死者を『喰らう』ことの意味、そして受け継がれたセラードの記憶に悩み、戸惑うフィーロの姿が印象的。フィーロの活躍は1巻以降あんまりなかった印象だけど、次の巻では本気出した姿が見れるのかなーとおもうと、とても楽しみ。
別々の組織の構成員となったかつての兄弟の因縁やちょっとした行き違いにより再び激突しそうなフィーロとダラスも気なるんだけど、ラストで満を持して登場した「あのひと」の迫力やばい。シャーネが出てきた時点で期待せざるをえなかったけど、あのヒキにはニヤニヤが止まらなかった!!
過去の因縁、現在の因縁が絡み、交わった先に一体何があるのか。下巻が楽しみです。
バッカーノ!2001—The Children Of Bottle
[著]成田 良悟 [絵]エナミ カツミ 不死者となってからはや300年…マイザーは不死者仲間であるチェス、シルヴィ、ナイルの3人と共に、一人の不死者の元を訪れる。笑顔に異様な執着を持ち、"笑顔中毒者"と呼ばれるその男・エルマーは私有地の森の中に深く閉ざされた閉鎖的な村に身を寄せていたが…… |
色々面白かったところはありますし、エルマーのキャラクターも中々素敵だったのですが今回はとりあえずチェス可愛いよチェスでいいんじゃないですか!とある事件をきっかけに人間不信になってしまった老年ショタが、マイザーやエルマーをはじめ、錬金術師仲間達や不思議な少女・フィルと出会って少しずつ態度を軟化させていくという流れが正直たまりません。特に村人に襲われた際にフィルを守ろうと孤軍奮闘するくだりではとても心がときめきました。しかも最高のタイミングで挿絵が入って、それがまた燃えるという…
他のキャラクター達も負けず劣らず印象的で、ほんとキャラクターの魅力だけでぐんぐん先に先にと読み進められてしまうシリーズっていうのが良いなあ。特にハッピーエンド至上主義者のエルマーの空気読めなさとウザイまでの前向きっぷり、それに対して終盤で一度だけちらりと見せる非情な一面とのギャップがたまりません。あとナイルの口調が何気に脳内で癖になる。
それにしても、確かに第一巻のラストでそんな事を語られてたような記憶があるけど、カラーページのアイザック&ミリアの会話に噴いた。 気 付 く の 遅 い よ ! 彼らの前向きポジティブシンキングはエルマーに匹敵できると思います。というか、エルマーと話の合いそうなお二人さんだ…。
バッカーノ!1932—Drug & The Dominos
[著]成田 良悟 [絵]エナミ カツミ 父と兄を亡くした大富豪のお嬢様・イブは行方不明になっているもう一人の兄・ダラスを追ってNYにやってくる。家政婦であるサマサのつてで“情報屋”D&D新聞社を訪れるが、その頃NYではマフィアや麻薬中毒者に不死者までを巻き込んでの騒動が起こりつつあった…!? |
様々な人々の群像劇で、個々の物語が少しずつ関わり合いながら最後には一つの騒動へと収束していくというあたりは変わらず。というか、良い意味で安定して出来が良くてツッコミどころが少ないというか、下手に物語に触れ辛いというか、とにかく感想の書きにくい作品ではあるなあ…。
ヤク中でかなりダメダメな人間ロイと、世間知らずのお嬢様イブという二人の「普通の人」の奮闘が素敵。ベタベタですがこういう普通の人が頑張る姿はやはり見ていて微笑ましくなる。そしてやっぱりクレアいいよクレア。俺中心に地球廻ってるよ的な突拍子もないオレサマ発言っぷりにニヤニヤしつつ、美味しい所はしっかりもってくところがたまらない。ついでに、物語が大変な時にのんきにドミノ倒しやってるマルティージョファミリーと泥棒カップルには笑いが止まりませんでした。
そういえば、並行して途中までアニメ見たんだけど、「1932」は結構原作と違う展開してるっぽい?他の話はほぼアニメと原作で展開に違いがなかったように思えたんだけど。
バッカーノ!1931 鈍行編 The grand punk railroad
[著]成田 良悟 [絵]エナミ カツミ 強盗団にギャングにテロリストに泥棒カップル、そして不死者…様々な思惑をもった人々を乗せて、列車「フライング・プッシーフット号」はNYへ向かう。泣き虫少年・ジャグジーは泥棒カップルから「線路の影をなぞる者(レイル・トレーサー)」の怪談を聞かされ、怯えるままに車掌室へ向かうのだが…… |
うっかり間違えて「特急編」から読んでしまったバッカーノの1931年シリーズ「鈍行編」。続編となる「急行編」と合わせて、列車「フライング・プッシーフット号」で起きた事件を描きます。様々な人間の視点から物語が語られていきますが、鈍行編では泣き虫な強盗団のボスの少年・ジャグジーとその仲間達の動向が中心。ちょっと貨物室に眠るお宝を強奪するだけのはずがギャングやテロリスト達と乗り合わせてしまい、さらには正体不明の怪物まで現れて大変な事に…!?というお話。
…なんていうか、もう、とりあえず、うっかり「急行編」を先に読んでしまったのが痛すぎる。なんであのキャラが死んでるのかとか、ラッドがなんで車掌室の事をやたらと聞いてきたのかとか、何よりレイルトレーサーの正体とか…とか。とくに「正体不明の」「赤い怪物」のおどろおどろしい描写を読むたびに「正体知っててごめんなさい」状態でorz
2つで一つの物語構成になっていながら、「鈍行編」から「急行編」を読むと最高に面白くなるようにできているお話なので、この物語を正当に楽しめなかったのがとても残念。というか、やはりもう少し順番わかりやすいように作っておいてくれないかなあ…というのが本音だったり。
しかし相変わらずバカップル二人のやりとりは楽しい。あとジャグジーの「いつも泣いている理由」にはちょっと胸がキュンとなりました。
バッカーノ!1931 特急編—The Grand Punk Railroad
[著]成田 良悟 [絵]エナミ カツミ 様々な思惑をもった人たちを乗せて、列車「フライング・プッシーフット号」はNYへ向かう。平穏に目的地に着くはずだったが、テロリストと殺人狂と強盗団まで列車に乗り込んでいて、列車内は大混乱に。しかも怪物“線路の影をなぞる者”が目覚めてしまって… |
キャラクターが多いので序盤はキャラクターの把握がしきれず、かなり辛い思いをしたのですがキャラクターの把握が追いついてからは一気に面白くなってきました。個性豊かすぎるキャラクター達がとにかく良い味を出していて、彼らの魅力に引きずられてどんどん先へ先へと読み進めてしまう感じ。色々な方面でキチガイなキャラクター達のトンデモ発言がオモシロすぎる。
少年好きとしては実は老年なショタっ子・チェスくんのツンデレっぷり最高。本人は実際子供の皮を被った冷酷なキチガイキャラなつもりなのに、普通に少年の心を残したままなキャラ立てがたまりません。ラストのマイヤーとのシーンにはマジでニヤニヤが止まりませんでした。
あとこの物語の鍵を握るいわば「裏主人公」とも言うべき青年・クレアとレイチェル&シャーネという二人の女性のやりとりが最高に面白かった。レイチェルとクレアがばったり出くわすシーンには思わず緑茶噴出したし、クレアからシャーネへの一風変わった愛の告白にもド肝を抜かれたり。そしてラッド&ルーアの殺し愛カップルからも目が話せなかったり。あ?、本当に愛すべきキチガイばかりで、後半は1ミリも目が離せませんでした。
ただ、これまで全然目立ってなかったジャグジーがラストでいきなりおいしいところを持って行ったり、ラストのシャーネの行動がとても謎かったり、なんか色々と物語に欠落があるような気がしてならず、その辺がちょっと気になってしまったかなあ。キャラクターの描写もなんか物凄い大事な部分が抜けているようなキャラが何人か居て。アニメ版見ていたのでキャラクターの基本設定は大体理解できたのですがそれがないとちょっときつかったような………
※この本は分冊になった内の二冊目ですので、『これだけ読んだけど良く解らなかった』という御方は先月発行された『バッカーノ!1931 The Grand Punk Railroad 鈍行編 』を御一読戴ければ幸いです。
(P266)
……またやっちまった……orz
わかり辛いよ!!わかり辛いよ!!(大事な事なので2回言いました)
まじで、こういう事があるのでシリーズモノは巻数表記入れてほしい……。
どおりで全体的にキャラ設定おざなりだと思ったよ!!!orz
バッカーノ! The Rolling Bootlegs
[著]成田 良悟 [絵]エナミ カツミ あるとき、錬金術師達が悪魔を召喚し、それに与えられた「不死の酒」を飲んで不老不死となった。それから200年…不老不死となった錬金術師のうちの一人が禁酒法時代のアメリカで「不死の酒」を蘇らせる。それが様々な人を巻き込み、螺旋のような運命を作り出すとも知らずに…。 |
シリーズ1作目だというのに登場人物が猛烈に多くて、序盤は正直相当きついものがあったのですが、物語が動き出す中盤以降は一気に物語に引き込まれていきました。基本的に横文字のキャラは見慣れない所為でなかなか覚えられないし、見分けがつくまでに時間がかかるのよね…。メインキャラはとにかく、フィーロ&マイザー以外のマルティージョファミリーとガンドールファミリーの構成員については最後までいっぱいいっぱい。
とにかくバカップルな泥棒コンビ・アイザックとミリアが素敵過ぎました。陽気でおバカな会話や、突拍子もないコスチュームや行動の数々に始終ニヤニヤしっぱなし。初登場の時はクールビューティさんだったエニスが二人に振り回されるくだりなんか最高でした。
物語自体は本当に後半に来るまでピンとこないものがあったのですが、ラストに凄い勢いで今までの伏線がハマっていく姿は爽快。語り部の「彼」の正体は完全にだまされてましたし、後日談でのもう1組のバカップル(笑)の奥手っぷりにはうっかり緑茶噴出すところでした。そして、この巻だけで綺麗に終わっているのに「もっと彼らの物語を読みたい!」と思わせられてしまう何かがありました。
積読本がもう少し落ち着いたら、続きにも手を出してみようっと。(なんか最近こればっかりだ…)
制覇するフィロソフィア
制覇するフィロソフィア 発売:2006.5 発行:集英社 [著]定金 伸治 [絵]エナミ カツミ |
性的特徴を失った漢(…と書いて「女」と読む)達が「帝塾」なる学校に集って自らの“哲”をもってひたすらバトルをするお話です。言葉が力になったり薀蓄が長いあたりは「終わりのクロニクル」に通じるところがあるかも。(どちらも薀蓄を適当に読み飛ばしてもあまり問題とか、その辺も似てる)
とりあえず良い意味で「馬鹿」な小説です。
今の小・中学生が読んだらついていけないノリかもしれませんが、「友情・努力・勝利」な熱血漫画が好きだった世代にはかなりたまらない小説だといえましょう。
ギャグというかバカ。ちなみに「?塾」とかドキッ!女だらけの女子高バトル!とか全く傾向は違うものの同文庫の某乙女塾を思い出すんですが、スーパーダッシュ文庫はこんな小説ばっかりなんですか?(多分違う)
個人的には「殆どの女性が性的特徴を既に失っている」という、おそらくはこの世界観で一番異質的な設定がイマイチ目だって無かったなというか、その辺がもうちょっと前半でアピールされていれば後半のネタバレ部分がもう少し面白くなったんじゃないかなと思いますが。挿絵の関係で仕方なかった…というか意図的にわざと目立たせてないんだと思うんですけど、単に胸が無いとかいう表現も晒しで隠してるとかそういうイメージで受け取っていたので驚いたというよりも「え?そんな設定になってたの??」という感じが強かった。
とりあえず、ぐだぐだいうより読んで感じろ!!な小説です。燃える展開が好きなかたは是非どうぞー。
電撃コラボレーション MW号の悲劇
電撃文庫の記念コラボ企画第二弾は豪華客船「MW号」の沈没という共通の事件を元に、「タコ」「電撃」「30」の3つの単語を物語りに織り込むという縛りを加えたアンソロジー小説。
とりあえずカラーページのびんかんサラリーマンなんぞこれーーーっ!
電車の中でカラー表紙のページ開いて慌てて閉じたよ!!何このBL小説も真っ青のエロいカラー挿絵!!これはいつか「腐女子向けラノベ」エントリとか書いた時のオチとして使えという天啓か!!
例によって様々な解釈の短編が収録されていますが、単体での一番ツボにハマったのは有沢さんの「万年すだれ禿係長小保多喜八郎の冒険」。人生滑りまくり、「仕方ない」と溜息を吐きながら自殺しようと決意した一人の男が、死ぬ前に一花咲かせようとするお話なのですが……正直すだれ禿親父に感動させられる日が来るとは夢にも思わなかった。コボタかこいいよコボタ。先月のホラー話といい、このコラボシリーズでの有沢さんの輝きっぷりは半端じゃない。
あとはベタベタ王道なボーイミーツガールを描いた渡瀬さんの「残酷劇の夜」や、惨劇の起こる船ではなく、惨劇の最中のネット掲示板を舞台にした時雨沢さんの「MW号専用掲示板『ウィー・アー・オン・ボード!』」あたりがお気に入り。時雨沢さんは「キノの旅」本編を彷彿させる、強烈なブラックジョークだなあ…こういう時にネットなんか頼っちゃいけませんよってことですねわかります。三雲さんの「DIVE TO BLUE」と在原さんの「内藤君と水野君の場合」ははっちゃけすぎてて好き嫌いが分かれそうな感じ。特に在原さんは、なんかもう途中から作品そのものが親父ギャグ化しちゃってたからなあ…良い息抜きにはなりましたが、寒かった事も事実としか言いようがない。意図的に狙ってハズしたギャグをやって、そのハズしっぷりを楽しむ作風なのかなあという感じだけど、これを「ギャグ」と受け取れるかどうかは微妙なライン。
しかし、何より今回物凄かったのはこの設定も何もかもバラバラな物語群全てを1つの「群像劇」へと仕立て上げ、バッドエンドになった作品には追加でハッピーエンドオチまで付けてしまった成田さん。元々代表作である「バッカーノ!」からして群像劇なわけで、ある種得意分野だったのかもしれませんが、アンドロイドネタの藤原さんや異能要素バリバリでフリーダムまっしぐらな谷川さんの短編まで強引に1つの世界へと引き込んでしまったのは圧巻としかいいようがない。そして物語そのものも凄く良いのですよね。荒神さんと『魔法のランプ』一味がオトコマエすぎて胸が熱くなりました。すごい、この人凄すぎるよ……!!
そして巻末の「応答せよ!びんかんサラリーマン」噴いた。
びんかんサラリーマン強えええええーーーっ!!