コバルト文庫の新人さん。平安時代を舞台に人間の世界で育った異形の少女ともののけ達が繰り広げる退魔モノです。人間の世界では恐れられていた能力が、実は「影」と呼ばれる人やもののけの心の影に巣食うバケモノを退治する唯一の能力で、恐れてきた祖父の手の中から逃げ出せたのはよかったけど、今度はその「影」を祓う為に力を使えといわれ、そんな中で様々な人(もののけ)と出会ったり色々と葛藤したりながら次第に自らと向き合っていくお話。
王道的な展開で面白かったけど、個人的にはもう少し平安モノ・もののけモノとしての味付けがほしかったかなぁ。「平安時代モノ」と銘打たれてるわけではないし、人間の世界から隔絶された世界でのお話なので前者の味付けが薄いのはしょうがないと思うのですが、百鬼夜行な「間の国」の設定が凄く面白かったので、ここまできたらもう少し妖怪色を強めに出しても良かったんじゃないかと。「妖怪の世界にも様々な差別・確執があって、人間の世界と変わらない」というお話ではあるのですが、彼らがあまりにも人間らしすぎて逆に妖怪っぽさを殆ど感じなかったのが残念でした。
あと、影の黒幕ポジションの人はもっと序盤から主人公たちに絡んできてもよかったんじゃないかなあと…「彼」と朔の関係が突然強調されはじめたなあ…と思って「この展開はひょっとして、こいつ黒幕なんじゃないの」って思ったら本当に黒幕で噴いた。だってなんか、あの優しさが胡散臭いんだもんっ!!
一生懸命、朔へミスリードしようとしてるのが丸判りであっさり黒幕が見抜けてしまったのは、最近の自分の読み方がひねくれているのでしょうか……朔の心変わりも唐突な印象を受けたし、出来ればその辺りはもう少ししっかり描いてほしかった。
色々気になるところもありましたが、もののけ百鬼夜行な世界観、重い運命を背負わされた雲雀と彼女とは対象的な境遇の朔の関係……などなど非常に好みだったので、続編が出るなら読みたいです。次は是非とも、バトルはおいといて「間の国」そのものにスポットを当ててほしいなあ。もののけ色たっぷりでお願いします!!(※それを少女小説に求めるのが間違ってます)
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天空のアルカミレス5 聖婚の日
[著]三上 延 [絵]純 珪一
先日目にした戦いでの拓也の様子に一抹の不安を覚えた礼菜は、ルスラン=ヴォルクに連れ去られてしまった日向子を助けるために鞠子と共に“城(カストラ)”に潜入した。これ以上拓也を戦わせないために。しかし、礼菜達が居ない事に気づいた拓也も享司の手を借り、二人を追う。そして“城”にたどり着いた一行に、次々と真実が明かされる…!
最終巻だという割りに、全体的に地味というかなんというか…打ち切り臭さえ漂うラストバトルだったのがちょっと不満です。次々に真実が明かされ…………ていくのはいいんだけど、せっかくのおいしい設定を数十ページのために浪費している感が否めなかったというか。先日目にした戦いでの拓也の様子に一抹の不安を覚えた礼菜は、ルスラン=ヴォルクに連れ去られてしまった日向子を助けるために鞠子と共に“城(カストラ)”に潜入した。これ以上拓也を戦わせないために。しかし、礼菜達が居ない事に気づいた拓也も享司の手を借り、二人を追う。そして“城”にたどり着いた一行に、次々と真実が明かされる…!
金色の戦器以外は全く扱えない特殊なアルカミレスであった拓也の正体、そして彼の過去、日向子の正体とその本物の戦器、ルスランの真の目的だのグロスマンの戦器の正体だの享司の真意だのが一気に明かされるのでちょっと読んでる側としては置いてかれ気味というか…もう少し早めに明かすか、もう1巻くらい続けて見せ場を作ってあげても良かったんじゃないかみたいな設定が多かったのが残念です。特に日向子は結局最後まで戦力としてはどこまでもかませ犬みたいな印象がぬぐえなかったし(その分“ヒロイン”としての魅せ場が多かったのでなんともいえないんだけど…)、享司の正体も普通に考えたら相当美味しいのにラストバトルの捨て駒以外の役割を果たせていないのが本当に残念。
ついでになんというかルスランの行動原理がえらいしょぼ…ゲフンゲフン。
しかし、その部分を除けばあれだけたくさんあった伏線を綺麗に消化して、ちゃんと各キャラの見せ場も作って…とかなり上手い終わり方だったと思います。ただ、なんというかイマイチ盛り上がりに欠けるというか…どこかのサイトさんの感想で読んで納得したんだけど、なんか面白いけど「地味」なんだよね。この人の作風は。
キャラクター的には主人公&幼馴染2人も大変良いのですが、それ以上に脇役が光っていた作品だと思います。特に毬子が友典と出会うことで少しずつ変わっていく過程は凄く好きだったです。あと、とにかく享司が凄くいいキャラでした!というか、良いキャラだったからこそラストバトルの扱いが気に食わなかったんですけど…。
地味ながら堅実に面白いお話を書いてくれる作者さんなので、次回作も楽しみにしたいと思います。
天空のアルカミレス 4 カストラの虜囚
[著]三上 延 [絵]純 珪一
グロスマンに記憶を封じられ、金色の戦器の使い手として古滝市に現れた礼菜が、テリオン“イレーナ”として人間を襲い始めた。礼菜と戦えない拓也の姿を目の当たりにした日向子は、礼菜の狙いが自分にある事を利用して囮になろうとするが…
礼菜vs日向子はラスボス戦扱いになるのかなあと思っていたので、割合あっさり和解してしまった事には少々拍子抜けでした。レディ・バレットとかの言動によって、徐々に追いつめられていく礼菜の描写がかなり良かったので、ちょっと残念。グロスマンめが余計な事を…。グロスマンに記憶を封じられ、金色の戦器の使い手として古滝市に現れた礼菜が、テリオン“イレーナ”として人間を襲い始めた。礼菜と戦えない拓也の姿を目の当たりにした日向子は、礼菜の狙いが自分にある事を利用して囮になろうとするが…
正直記憶を完全に封印してしまうよりも育ち始めていた日向子への嫉妬を核にして操った方がより
しかし、礼菜と日向子の対決は予想していたものとは別のものになってしまったけど、凄く面白かった。日向子と拓也の関係も凄く好き。あと主人公周りの脇役達が本当に良い味出してます。特にこんなところで今まで全く空気キャラだった高橋がいい味出してきたのには感服(笑) そして毬子と友典には是非幸せになって頂きたいです。
このシリーズ自体が、王道的というか、堅実というか(悪く言えば「地味」というか)に面白いストーリーなのですが、今回は妙に奇をてらってるというか…なんとなく脳内で勝手に想像していた「最終回」への伏線が今回の話で一挙に解消してしまって、あと1巻でどう終らせるのかがかなり想像つきません。絶対に動くと思っていたレディ・バレットは結局動かなかったし、礼菜もあっさり取り返しちゃったしなあ…てっきり“聖婚”とかいうのに絶対必須な人物だとばかり思っていたんですが。
良くも悪くも先が見えなくなってしまった今回。最終巻でどうまとめてくれるのか楽しみです。
流行に乗って「ライトノベル個人史」書いた
ライトノベル遍歴を語るのが流行っているようなのでブログのリハビリも兼ねて投下します。前半は以前に書いた記事の焼き直しなので、個々のタイトルの紹介は省略します。あと永遠の21歳ということになっているので年代はかかない。
ひたすらお金がなかった少女小説読み漁り期
図書室と図書館と古本屋の100円以下ワゴン(ブックオフ参入前の微妙な古本屋とかだと10円とか30円みたいなワゴンが割りとあった)で読むものを探していた時代。コバルト・ティーンズハートのミステリ系の長編シリーズや恋愛系の1冊完結系ばかり読んでました。
古本屋駆使して一番頑張って集めてたのはやっぱり「星子宙太シリーズ」だとおもうんですけどまさかこれ50冊続いて子供が出来るところまでいったとか流石に知らなかったです……さすがに全部は追ってません。
なおたまに同世代が話題に上げる「運命のタロット」シリーズは古本屋ではめったにお目にかかれず。ぶっちゃけ、ミステリーものと恋愛物は冊数出てても1冊で話が完結するから巻数バラバラでも追いやすかったんだとおもう。運タロとかあらすじからして時系列バラバラではよみたくないですしね。折原みとの現代舞台の恋愛物とか「とんでもポリス」とか「〜の国のアリス」シリーズとか読んでたはずだけど内容うろ覚え。
図書館で読んでたやつというと「ラノベっぽい(と言うかラノベ出身)けど一般レーベルで書いてる」このふたり。氷室冴子はコバルト文庫のやつが割とそのまま文庫やハードカバーで図書室入ってましたね。新井素子は少女小説レーベルで書いてたのとは違う路線のやつが入ってたんだけどそこからコバルトに行って転び直したりしてたから……「あなたにここに居て欲しい」は良い百合なので好きな人はどうぞ。あと「おしまいの日」はいいぞ。
大体林原めぐみが悪い富士見全盛期
少女小説ばかり読んでいた頃に「らんま1/2」でドはまりした林原めぐみさんのラジオ経由で(ラジオ経由!)わかりやすくアニメ化直前の「スレイヤーズ」にすっころんだ大変わかりやすいオタクです。90年台後半のラジオにはラジオドラマなるドラマCDの連載版みたいなやつが連載されており、林原めぐみさんのラジオでは当時スレイヤーズのラジオドラマが流されていたのでした。
マンガみたいな軽快なノリの文章と、それとは裏腹にガンガンぶっこまれるヘビーな展開が衝撃で。スレイヤーズはアニメになったのが1部までだからあんまり話題にならないけど2部の重さが結構好きだったんですよね。ラストは子供なりに飲み込めないところもあったんだけど、「まあ神坂一だしな……」みたいな謎の納得があったのを覚えてます。そういう意味で一番刺さったのは3冊完結の「闇の運命を背負う者」だったかもしれない(2巻まででそこそこきれいに落としておいて3巻で突き落として重い物背負わせる感じがすごい)。
【合本版】SMガールズ セイバーマリオネットJ 全12巻<【合本版】SMガールズ セイバーマリオネットJ> (富士見ファンタジア文庫)
あかほり さとる,ことぶき つかさ (著)
KADOKAWA / 富士見書房
発行:2014-07-05
あかほり さとる,ことぶき つかさ (著)
KADOKAWA / 富士見書房
発行:2014-07-05
スレイヤーズで林原めぐみでわかりやすくこっちも好きだったオタクでした。セイバーマリオネットもアニメと違って原作の重たい展開が……とかずっと言ってたんですけどJtoXは原作とは全く別方向に重たかったなあ……。
ちなみに林原めぐみのラジオ経由というとこっちもそうですどんだけ罪深いんだ林原めぐみ。スレイヤーズとこれがほぼ同時期だったんじゃないかな……アニメはまともに見てなかったので特にヨーコはラジオドラマのイメージが強いです。ああいうの好きだったので今の声優ラジオには全く興味がもてなくてすまない……。
そして3年後には空前の「ロスト・ユニバース」期来るんですよ。私の青春の林原めぐみから逃げられてない感じすごすぎてツライ。そしてライトノベル原作で初めて人生を狂わされた男は間違いなくお前だケイン・ブルーリバー。「ヤシガニ屠る」とかいってはいけない。
今も大体好きなアニメのノベライズは追うけど当時はノベライズ頑張って読んでて、その中でも特に山本剛の「魔導物語」シリーズと北条風奈の「小説TWINSIGNAL」シリーズがお気に入りでした。あと書影がでてこないんだけど久美沙織の「MOTHER」シリーズ。後者は特に初めて同人的な方向でドハマリした作品だったので、死ぬほど読み返したし、当時の読書遍歴にも大分影響あったとおもう……というか当時は並行して国内・海外SFブームが来ていたので私のソノラマ全盛期はここです(秋山完がわりと好きです)。
良くも悪くもアニメ・マンガとともにあったスレイヤーズ全盛期のラノベ遍歴でした。
私の傷みでオタクの道を踏み外す
割とここまでメディアミックス済の作品をメディアミックスから入って原作まで追う、というわかりやすいオタクをしていた私に、当時ネット上でお付き合いのあったお姉さんが勧めてくれたのが電撃文庫の大定番「ブギーポップは笑わない」です。暫くはブギーポップとキノの旅を追いかける解りやすいオタクをしていたのですが、盛大に道を踏み外したのはこの2作品が元凶。当時の読書遍歴を思い出すと「ダブルブリッドで優樹さんが自分の目えぐるシーンやばい」「Missingの呪いのFAXの話こわくない?」「インフィニティ・ゼロの虫の描写やばかったほんとうにやばかった」とか言い出してなぜそんなに痛み描写の激しい小説ばかり読んでいたのか。
特にダブルブリッドと出会わなかったら今のライトノベル読みみたいな自分はいないとおもうので文字通り足を踏み外した感じすごいんですけど、身を切られるような傷みの描写と傷つけ合いながら必死に関わろうとする人間と人間でないものの生き様に震え、最終巻付近になったら年単位で刊行ペースが開くようになって震えたあの日。本当にウン年ぶりで完結してくれてよかったです……あと中村恵里加の新作のためにいまだに電撃の新刊チェックしてる。
学園異能はいいぞ
ダブルブリッドで道を踏み外して暫くたった私に襲いかかったのは学園を舞台に超常能力を持った生徒達が世界の裏で暗躍する系ラノベ。なんかこの呼び方にも色々異論があるみたいなんですが言いづらいので以後とりあえず「学園異能」っていいます。定義は個人の解釈です。まだあんまりラノベ感想を書いててもラノベ感想サイトは漁ってない時期なので表紙やあらすじで「おっ」となったやつを片っ端から買って読んでいくスタイルだったんですが、特に好きだったのはこのあたり。三上延先生は「ビブリア」で一発当ててしまいましたが電撃のオサナナジミスト系学園異能系が本当に好きだったので原点回帰してくれないかなあ……。
「レジンキャストミルク」は心に欠落を抱える少年少女達がその欠落を異能の力として戦うみたいなお話なのですが異能力から感じる華やかさ、痛みや物語と挿絵のマッチ感が本当に好きで、あと殊子先輩が大好きだったので色々察して欲しい。きるらぶは何度も脱落しそうになりながら追いかけた記憶が割と強いんですけど、刹那的な世界観となんだかんだでご都合主義爆発なハッピーエンドがとても好きです。
バカテスから先はまだ歴史にはなってないのでこの辺で。
それではアイドルマスターSideMの学園異能イベント走ってきます。
天空のアルカミレス 3 アルカミレスキラー・ガール
[著]三上 延 [絵]純 珪一
“グランテリオン”最高幹部の一人、グロスマンは部下で数多のアルカミレスを打ち倒してきた少女・毬子を拓也達の元に差し向ける。アルカミレスに非戦闘派のテリオンだった母親を惨殺され、アルカミレスに深い憎悪を抱く彼女は拓也達の背後関係を調査するために、東堂学園に乗り込むが…
お互い葛藤しながらも、戦いを通して接近する拓也と日向子の二人の関係が非常に青臭くて見ていて楽しいのに対し、テリオスの力に目覚めつつある不安と、拓也が本当に迎えにきてくれるのか不安に今にも押しつぶされそうな礼菜の姿が印象的でした。そしてレディ・バレットマゾ疑惑浮じょ…いえ、なんでもないです。“グランテリオン”最高幹部の一人、グロスマンは部下で数多のアルカミレスを打ち倒してきた少女・毬子を拓也達の元に差し向ける。アルカミレスに非戦闘派のテリオンだった母親を惨殺され、アルカミレスに深い憎悪を抱く彼女は拓也達の背後関係を調査するために、東堂学園に乗り込むが…
しかしやはりメインの3人よりも脇役の方が印象的。友典と毬子のなんともいえない微妙な共振関係が凄く良かったです。ラストの展開は凄くベタだったけど、ベタだけに良かった。グロスマンはこういう状況で出てくるからには……な人なんだろうなと思っていたけど激しく予想とおりな感じでしたし。そしてアパタスが凄くいいキャラですね(´▽`*)
バトルモノなんだけど、バトルそのものよりも互いのキャラクター同士の複雑な関係や、心理描写が凄く面白いこのシリーズ。難を言うなら主人公の印象が微妙に薄いのと悲しいくらいに戦闘シーンが印象に残ってないことでは。その辺は今後後半戦となっていくので、これからに期待?「シャドウテイカー」の戦闘シーンは結構盛り上がって好きだったんですけど。
天空のアルカミレス 2 テスタコーダの鬼
天空のアルカミレス 2 発売:2006.7 発行:メディアワークス [著]三上 延 [絵]純 珪一 |
主人公達3人よりも脇役が光っていた気がします。
拓也達を支える享司、友典、そして和夫。
また攫われた礼菜に仕え、主の為ならどんな犠牲も厭わないレディ・バレット。
なんかこの4人のポジションが美味しすぎで主人公達の活躍が霞んでしまったようにも思えますが、拓也も日向子もまだ能力については発展途上…ということで、今後の活躍が楽しみ。特に拓也の過去の記憶・感情との葛藤は見ていて真に迫るものがありました。
特に基本的に正統派なヒロインを護る型の熱血ヒーローである拓也に対しての享司の存在が非常に良いと思います。単純思考なヒーローの影で物事のつじつまを合わせるダークヒーローというか、武装錬金のカズキと蝶野みたいな関係といいますか。悪ぶってるんだけど根はいい奴っぽいキャラは大好き(笑)
拓也・日向子・礼菜の三角関係も含め、次巻が非常に楽しみです。
天空のアルカミレス
天空のアルカミレス 発売:2006.4 発行:メディアワークス [著]三上 延 [絵]純 珪一 |
シャドウテイカーはどちらかというと守られ主人公と戦うヒロインというカンジだったのですが、今回は主人公がちゃんとヒーローしてます(笑)ヒロイン二人も妹的存在な幼馴染と謎の転校生で偉くストーリーも王道展開をひた走ってます。個人的には断然ツンデレと見せかけてかなり天然、な日向子推しです。
しかし、このタイプの主人公を際立たせるには多少は仕方ないんだろうけど、日向子の戦闘力がなんというかかませ犬すぎる…最初から出てきたのが最強部類の敵だったから仕方ないとはいえもう少し戦闘的な見せ場があっても良かったんじゃないかなあとか思ってしまうのですが(雑魚敵一匹をかっこよく倒すような見せ場くらいあっても良かった気がする)
逆に礼菜は無力キャラですが色々秘密がありそうなので今後が色々と楽しみ。東京アンダーグラウンドの某正ヒロインみたいに「序盤で攫われたまま出番ナシ」っていう展開だけは避けて頂きたいですが…というか全体的にこの話、東京アングラに似てるなあ。
王道展開大好きなのでめちゃくちゃ今後が楽しみです。
シャドウテイカー5 ドッグヘッド
最終巻ということで、すっかり忘れられていた懐かしキャラも大集合。
西尾姉とかすっかり存在忘れてたんですが(苦笑)
蔵前や茜に関しても、2巻で使いきりのキャラだと思ってました。
ただ、茜の再登場はそれなりにうれしかったのですが
そのおかげでみちるが蚊帳の外にほっぽりだされたのがどうにも…。
4巻までにあれだけみちるに感情移入するような描写があって
それで最後はほとんどフォローなしに終わるので、なんだか当てが外れました。
蔵前の登場も意外性突かれたのは多少ありましたが「何をいまさら」
みたいな気分になったのは事実。
茜と蔵前は最後までゲストキャラ扱いにしてしまったほうが
綺麗にまとまった気がするんですよ。
何より茜と佐貫がくっついたのが一番納得いかないです!
みちるとくっつくと思ってたのに…
てか西尾姉妹、報われなさすぎなんですが。
姉のほうもとってつけたように出た割にはまったくフォローなしですし。
裕生と葉のラブコメ模様(違)に関しては文句なしなんですけど。
最後、「黒の彼方」と対決する裕生がかっこいいです!
そして個人的には兄貴イチオシ。
ラストはほんといい話でした。
ただやっぱ西尾姉妹のことを考えると素直に完結を喜べないなあ…。
シャドウテイカー4 リグル・リグル
[著]三上 延 [絵]純 珪一 |
というか次回でクライマックスということでちょっと寂しい…。
人間を操る虫のカゲヌシ、ということである意味王道と言えなくもないですが
凄くどろどろしたカゲヌシとのバトルの合間に入ってくる恋愛要素が凄い生きてると言うか浩雄の記憶を失いたくない葉の気持ちとか、みちるの複雑な心境とかが凄い印象に残ってます。
特に今回、全体的にみちるが可愛い…もといかわいそうで。
病院で泣いちゃうシーンは思わずもらい泣きしちゃうところでした。
年頃の女の子の「好き」って言葉の重さっていうか。凄くわかる気がする。
それとは別に、兄貴が偉いいい味だしてましたね、好きですあの兄貴。
っていうか挿絵が…1Pだけジョジョみたいになってるよ?!?(爆笑)
最後の「くろのかなた」の続きが…浩雄の葉への気持ちがダイレクトに伝わってきて、泣けた。
葉の父親が登場したり、レインメイカーの正体が明らかになったりでいろいろ衝撃も多い巻でしたが
何よりびっくりだったのは最後の「アレ」ですかね。
生きてたのかあいつ…個人的にはあの巻はものすごい衝撃でかい話だったので
今から楽しみと言うか恐ろしいと言うか。
とりあえずどんなラストになるのか今から楽しみです。
シャドウテイカー3 フェイクアウト
[著]三上 延 [絵]純 珪一 |
…なのに3巻からして本当に展開が絶望の連続で物凄いです。
この手のストーリーはやっぱ主人公の努力が報われてハッピーエンドというのが筋だと思うのですが
「これ、どっから状況回復させるの…?」とツッコミたくなるような報われなさがまた恐ろしい。
今回は葉の失われていく記憶がクローズアップされる中、
葉と同じようにカゲヌシに記憶を奪われていく天明との対比がなんとも嫌な感じです。
思わず「葉もそのうちこうなっちゃうのかな…」とか怖い事考えちゃいますよ。
黒の彼方も見方のようでありながら最終的にはラスボスぽくもあり、非常に怖い存在ですね。
でも黒の彼方って毅然としててなんともかっこいいよなあ(笑)
最後の最後の天明の姿がなんともやるせなく、少し物悲しく感じました。
ストーリーを「読ませる」力は秀逸かと。
ストーリーも本題に入る中、どんどん謎は深まるばかり。
ここからどうやって主人公達が状況を逆転させていくかに期待!
逆転…するよねっ?(苦笑)