「どうせ止めたって聞かないだろ?だったら最前列で見ててやろうと思ってさ。ユカイツーカイなおまえのピエロっぷりを」
月島は一瞬驚いた顔をするが、すぐに口元を歪めて笑った。
「……へっ、俺のステージは高ぇぞ」
高校生男子の友情はどうしてこんなにも美味しいのか
バカ代表・月島、月島の親友・宮本、月島に恋する暴走少女・長瀬の3人のバカどもが繰り広げる青春の暴走のお話。もう暴走するバカとそんなバカをほっとけない親友、という構図だけでもおいしいのに、恋愛面で悩みを抱える宮本が自分の恋に一直線な月島に対してちょくちょく憧憬を示すところが美味しくてたまらない。そして宮本の前では御無体な態度ばかり取るのに月島の前では取り乱してしまう長瀬が可愛い。
そして、月島と宮本も大変おいしいんだけど長瀬と宮本の関係がとても好き。ある意味「共闘関係」というか、どこかカラっとした男女の友情具合が素敵でした。ラストの背中あわせではニヤニヤが止まらなかった。
バカ3人がひたすらバカやってる話ではあるんだけど、月島も長瀬もまぶしすぎる位に自分の好きな人の為に一生懸命で、まっすぐな青春模様がたまらない。そしてそんなまっすぐな2人に感化されて、少しずつ迷いを断ち切っていく宮本の姿が熱かったです。長瀬の言うとおり「姑息」で「チキン」で二人ほど強くはないけど、チキンはチキンなりの戦い方で頑張る姿が感慨深い。
宮本の彼女の都子ちゃんは結局登場しないままだったけど、個人的には続きがあっても彼女の存在は電話越しのままだったりすると面白いのになあとおもったりするのですが、どうなんでしょう。個人的にはこの3人の話がもっと読んでみたいです。