“鎌池 和馬” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:鎌池 和馬 (29 件 / 3 ページ)

とある魔術の禁書目録(インデックス) 19

 

学園都市の暗部で起きる事件を処理する『グループ』。最強の超能力者(レベル5)・一方通行(アクセラレータ)、魔術師でもあり能力者でもある土御門元春らで構成されたそのチームは、謎のキーワード『ドラゴン』について探っていた。それが、いまの“クソったれ”な現状を打破する唯一の手がかりであると信じて。一方、上層部に無断で行っていたその活動を煩わしく思う者がいた。その人物は、学園都市で最高の権力を持つ統括理事会メンバーの一人。彼の強大な勢力が、『グループ』に牙をむく。同じ時。元『アイテム』構成員の浜面と絹旗は、滝壺の見舞いにやってきていた。そこで突然巻き起こる、浜面の「バニーガール超好き疑惑」。どん引きする絹旗と滝壺を他所に、浜面は決死の釈明をするが……!? (15)巻、SSシリーズに続き描かれる、『学園都市の暗部』編登場!(電撃文庫公式サイトより)

15巻から続く、一方通行達を主人公とする学園都市暗部編第二弾。今回は一方通行達『グループ』が学園都市の機密事項である『ドラゴン』に迫る裏で、前回彼らに叩きつぶされた『アイテム』の残党と浜面が生き延びるため必死に奮闘すると言うお話。

ここにきて、一気に浜面がクローズアップされてきてびっくり。学園都市の裏で蠢く陰謀における最大の「イレギュラー分子」と化した彼が、一方通行も上条さんすらも霞んでしまいそうな主人公ぶりを発揮していて、読み終わってとりあえず「もう主人公、浜面で良くね?」と思ったとか思わないとか。上条さんのスーパーヒーロー的フラグ立てヒーロー具合も、一方通行のヒール(と読んで悪役と書く)具合も良いけど、たった一人の女の子を守るためならどんな手段を使っても必死に奮闘していく浜面は文句なしの「3人目の主人公」だった。

ところで一方通行さんはどこまでツンデレキャラになっていってしまうのですか。正直最近デレ分の目立つ御坂美琴を押しのけ、禁書最強のツンデレキャラと化しているような気がします。悪の仮面の下に隠れた優しさにキュンとなる。

それぞれの思惑を持って集う当麻・一方通行・浜面という3人の主人公達。彼らが新たなる舞台でどんなかかわりを持っていくのか、とても楽しみです。

……18巻読まなきゃorz


とある魔術の禁書目録(インデックス) 17

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

イギリス清教の最大主教・ローラ=スチュアートから「禁書目録召集令状」が出され、食事の支度をしていた上条当麻とインデックスは土御門の手によって強引にイギリス行きの飛行機に搭乗する羽目に。空腹のあまり野獣のごとく騒ぎ立てるインデックスを宥めるのに必死な当麻だが、二人の乗った飛行機ではとある犯罪計画が進行中で…!?
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海外出張みたび!なシリーズ第19弾。イタリア、フランスと来て今回はイギリスへと赴きます。

前半戦となるイタリア到着までのゴタゴタが最高。イギリスに行く途中の飛行機の中で偶然飛行機がテロリストに脅迫を受けていることを知った当麻がなりゆきと自らの正義感から犯人逮捕のため立ち回る…というお話なのですが、日本から延々と食事のお預けを喰らい続けて野獣と化している銀髪シスターさんを必死に宥めすかしたり、当麻に横槍入れられて逆ギレした機長が思いもよらぬ行動を取り始めたり……と久しぶりに“不幸な上条さん”の不幸属性全開な感じ。しかしその一方で、テロリスト達が当麻&インデックスの思いもよらぬ行動に翻弄されてわたわたしてる姿にまたニヤニヤする。良くも悪くもテンプレートなお話なのですが、ある意味予想通りに「おあずけ」を喰らい続ける当麻とインデックスの姿を見ると、妙に楽しくなってしまうのはなんでだろう。

しかし、こっちのコミカルな展開を楽しみすぎたせいかイギリス到着後のシリアスな展開にどうにもついていけなかったです。ていうかこれ、思いっきり「続きは次回」ってやるならイギリス到着したところで切っても良かったんじゃないの?良い意味でも悪い意味でもハイジャックの話が「長すぎる序章」になっていて凄くテンポ悪く感じる。

っていうか、キャラクターが多くなりすぎて完璧に把握がおいつきません。当麻&メインキャラ+ゲストキャラ2人程度で小さくまとまってる話の方がぜんぜん面白い。最近の禁書は、シリアスやられる度にメイン格で出てくるキャラクターがどこで出た誰だか思い出せなくて、そこから先に進めないことが多いので、毎回そこで詰まるようならいい加減切ることを考えた方が良いのかも……また今回でキャラ増えたし…。

ラストで出てきたあの人はなんとなく再登場するだろうな?とおもっていたのでなんとなーく覚えていたけど、第三王女との絡みについては1ミリも思い出せなかったんです。あれ覚えてるか覚えてないかできっと盛り上がり方がぜんぜん違うんだろうな?。私の場合覚えてなかったので、ラスト読んで「あれ?この人達なんか既刊で絡みあったっけ?」みたいな感じでした…

もう何度言ったか判りませんが、次の巻が出るときはマジで一番最初に簡易キャラ解説+人物相関図つけてください。もう無理。把握すんの無理。そりゃあ確かにアニメに併せて解説本も出たけどさ、電車の中で通勤中に読むときとかにわざわざ持ち歩いてささっと開くとかは出来ないわけじゃないですか。マジでメインの登場人物が2桁以上になったシリーズには全部キャラ解説表つけるべきだって!!!


とある魔術の禁書目録SS2

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

駒場・浜面・半蔵…不良集団「スキルアウト」に所属する3人はATMを強奪し、車両で逃走中だった。上手く行ったかと思ったのもつかの間、"警備員"に追い回され…!?本編の横で脇役達が繰り広げる、物語の隙間を埋める物語。
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愉快な脇役、そして今後のキーポイントとなってきそうな新キャラ達が当麻達の物語の裏やら横やらで繰り広げる、22の短編…というより、タイトル通りの「SS(ショートショート)」集?

1編1編が短く、軽いノリの話が多いので気軽に読めたのが嬉しかったです。ここんところ特に展開が重かったからなあ…。個人的には「ナンバーセブン」こと削板軍覇の話と、占いに興じるミサカシスターズの話がお気に入り。あと爆笑したのは上条父とリドヴィアの話。あ、うん確かにリドヴィアってこんなキャラだったような気がする……けど。以前登場したときはシリアス話のボス格だったからかなぁ、狂気的な部分のイメージが強かったというか、なんかこうなると全然イメージ違うなあ…ドン引きしてるオリアナさんの姿を見てまた爆笑してしまった。

様々なキャラクターが様々な舞台で繰り広げられる姿を見て、あまり今まで意識した事がなかったけど禁書ワールドの「広さ」みたいなものを感じました。様々な毛色の違う話が繰り広げられている姿はちょっと圧巻。基本的に上条当麻・一方通行を中心に科学・魔術サイドのどちらかでしか展開されなかったからか、あまり感じたことなかったけど、様々なキャラクターが繰り広げる、それぞれの物語を全て「禁書目録」という世界観で全て許容してしまう、そんな「広さ」を感じる。確かに、考えるとオカルトもSFもありってあたり、"なんでもあり"な世界感なんだよなあ…と実感しました。

まあその一方で、禁書ワールド広がりすぎてだいぶキャラが把握できなくなってきてるわけですが!!次の巻が出るときはマジで一番最初に人物相関図つけてくださいいやマジで。某「境界上のホライゾン」ばりに張り切った設定資料・人物紹介を最初に設けてくれてもいいのよ?!(それちっとも隠れてない)

学園都市の擁する人工的に生み出された「能力者」とはまた違う、「原石」の存在や今後の展開に関わってきそうなナンバーセブン、謎の少女・雲川芹亜、ミサカ父などなど今後の展開への前振りとしても楽しめる短編集。とりあえず今後彼らがどのような形で本編に絡んでくるのかも含めて続きが楽しみです。

それいしても、初春の意外な才能にはびっくりです。禁書ポーカーで使えない子扱いしてごめんね!「ちっまた微妙なモンが…」なんて1ミリも思ってないよ!思ってないよ!


とある魔術の禁書目録(インデックス) 16

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

ローマ正教『神の右席』の一人・後方のアックアからイギリス清教と学園都市に上条当麻の右腕を狙うという内容の果たし状が届き、イギリス清教は天草十字凄教の面々を当麻の護衛として派遣する。当麻に憧れる十字凄教の少女・五和に甲斐甲斐しく家事を手伝ってもらい、幸せいっぱいの当麻だったが…
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アニメ化も決まった禁書シリーズ17冊目。今回はおしぼり少女・五和と天草十字凄教の面々が大活躍!なお話でした。大盛り上がりの学園サイドとは対照的に、11巻・14巻とここのところ(個人的に)微妙な展開が続いていた魔術サイドですが、今回はその元を取るように熱い展開が目白押し!

圧倒的な実力を持ち、世界に20人もいない“聖人”でありながら同時に“神の右席”としての力を併せ持つ天才・後方のアックアに当麻が無力化され、同じ“聖人”であり彼らの“女教皇”である神裂の支援も絶望的……という状況で十字凄教の面々が奮闘します。今回一気にヒロイン候補の1人として名を連ねてきた五和の奮闘も注目ですが、個人的にはそれ以上に教皇代理・建宮のさりげない活躍にニヤニヤしっぱなしでした。わざと当麻に憧れる五和をボディガードにつけて、それを付回してニヤニヤと見守ってみたり、弱気になった五和を励ましたり、最終的に“彼女”を教皇に戻す為暗躍したり……と美味しい所持って行きまくり。普段あんまり目立ちませんが、凄く良い脇役だと思うのです。前回の浜面といい今回の建宮といい、最近脇役の活躍が素晴らしいなぁ…。

本編と並行して明かされる後方のアックアの過去話がめちゃくちゃ熱い。ゲストキャラながらとても良い熱さを持つキャラでした。自由に立場を変えられる“傭兵”としての立場から様々な人を救おうとする姿勢に、自分だからこそ出来る事をするため、遂に自らの戦う理由(魔法名)を明かすシーンでは胸が震える。その後の生死が不明扱いなのは、後々味方として再登場するフラグなのでは…とか密かに思ってしまうのですが、どうなんでしょう。最終バトル付近でそんな展開になったら燃えすぎるのですが。

そして出番は少なめながら、当麻の記憶喪失を知って揺れる御琴さんが可愛すぎます。自分を救ってくれた出来事を忘れられていない事にほっとしたり、瀕死の状態でそれでも戦いに赴こうとする当麻とのやり取りの後の破壊力満点の挿絵でひたすらキュンキュンした!!しかし対して、一方のインデックスの出番の薄さは……そろそろ物語り本線にも絡んでくるようですし、一応メインヒロインである筈の彼女の活躍にも期待したいところです。


とある魔術の禁書目録(インデックス) 15

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

アビニョン侵攻作戦のために治安部隊が不在の学園都市の裏では、闇の組織がそれぞれの目的の為、暗躍していた。その中の一つ、『グループ』のメンバーとなった一方通行は学園都市統括理事・親船最中の暗殺を食い止める為に向かった現場で『スクール』と呼ばれる組織と接触するが…!?
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一方通行や土御門が所属する『グループ』を中心に、『スクール』『アイテム』『ブロック』『メンバー』という4つのグループが登場し、お互いの利害関係の不一致からお互いを潰しあうという、ちょっぴりバトルロワイヤルな物語。御坂を除く「超能力者」のメンツもほぼ揃い踏みで、一部除いてほぼ90%科学で超能力なお話でした。14巻はちょっと…というかかなり不完全燃焼な印象だったのですが、その憂さを晴らすかのごとく面白かったです。しかし全体的に主人公が出ない巻の方が全体的に面白い気がするのはきのせいですk(強制終了)

凄い個人的な話なのですが、いつもこのシリーズを読むと新キャラを中心にしたゲストキャラクター達のグラフィックと名前・設定が中々一致せず、なかなか物語に集中できないという事が非常に多かったので、今回の章ごとに各組織のキャラクターをイラスト付きで載せていくという手法は凄くわかり易かったです。カラーページに掲載されているイラストはミニポスターサイズにされているせいでなかなか参照できないし、何よりページを戻す手間が無いのが凄く良い。キャラクターが膨大になってきたシリーズはぜひとも今後もこういう手法を検討して頂きたい。

そして『グループ』『アイテム』のメンバーの中心にして、彼らが学園都市の闇で戦う理由やその想いが見えてくるストーリーが素敵でした。グループの4人を始めとした能力者たちの物語は勿論ですが、元『スキルアウト』のリーダー・浜面が本当に輝いていた。当麻のような“幻想殺し”すら持たない、真の意味での“レベル0(無能力)”である浜面が大切な人のために命を掛けて“レベル5(超能力)”に立ち向かう様は本当に熱かったです。

この物語に「上条当麻」という本来の主人公は登場しないわけですが、物語に登場するキャラクターたちが当麻との出会いを経て、受けていった影響があらゆる場面で随所随所に見受けられるのが面白い。特に今回主役級の活躍をする事になる一方通行と浜面が上条から受けた影響はかなり顕著で、出番が無いにも関わらず「主人公」の存在を感じる事ができました。出番が無くてもちゃんと主人公してるっていうのは、ほんと凄いと思う。

そして忘れてはいけないのが一方通行と「打ち止め」の行方。ラストの「打ち止め」が本当に可愛いくて可愛くて…。今後どういう風な展開になるかはわからないけど、この2人には絶対に幸せになってほしいところです。


とある魔術の禁書目録(インデックス) 14

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

宣戦布告を受けて、ヨーロッパの各地で学園都市に対するローマ正教徒のデモ行動が活発化する。毎日のように報道されるデモのニュースに不安と憤りを感じる当麻達だが、ただの学生ではどうする事も出来ないという無力感も感じていた。そんな時、「C文書」と呼ばれる霊装が今回の事件の原因であると聞かされた当麻は、土御門と共にフランスへ向かう…。
   個人的お気に入り度数
学園都市とローマ正教の対立が遂に本格化し、様々な意味でクライマックスへ向けて動き出したという感じのシリーズ14巻。友人に薦めようとしたら「長すぎて手に取る気がしないよ…」と返されて、気がつけば電撃の中でも屈指の長編シリーズになっていた事に驚きを隠せない今日この頃ですが(いや、なんか私の中だとまだ「新しいシリーズ」の印象だったんだ…ペースが速いからでしょうか)物語が大きく動き出した話ではあるんだけど、その所為なのか何なのかこのシリーズ特有の「熱さ」とか「お約束感」が薄く感じてしまったなあ…次の巻への期待は高まるばかりなんですが、14巻自体は「イマイチ」でした。

ええと、なんというか普段それなりにお気に入りだった時の感想の締めの枕言葉としての使用法ではなく、「14巻の感想=15巻が楽しみです。」なんですよ。なんというか、15巻に繋げるためにだけ14巻が存在するというか、そんな印象。当麻の持つ「幻想殺し」の秘密が少しだけ明かされたり、神の右席の目的がちょっとあかされたり、ローマ正教が●●●成教と手を組んだり(バレバレ)、当麻の記憶喪失が御坂美琴にバレちゃったり(←重大ネタバレ)、様々な美味しい展開はあるんだけど、それはすべて「15巻でどうなるのか…!」という予告的な展開バレに過ぎなくて。大部分がそういう展開で構成されているので14巻自体の感動が非常に薄い、とでもいうのか。

せいぜい14巻単体の感想として語ることといえば、五和と当麻のやりとりが面白かったって部分くらいでしょうか。うーん、敵も今までのような「絶対に叶わない!」感があるわけでもなく、ちょっと薄味。つか戦闘シーンがいつも以上に何やってるかわからなくて、ちょっとダルかったのは私だけですか?そしてついにメインヒロインなのに出番がまったく無かったインデックス哀れ…。

「幻想殺し」の隠された能力については今後の物語の鍵を握りそうで、本当に続きが気になる限り。ていうか1巻に結構ヒントが隠されていそうな気がするので1巻を再読してみようかな?とかちょっと思いました。ていうか記憶喪失の話とかこの巻読むまで普通に忘れてたよ。


とある魔術の禁書目録SS

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

遂にローマ正教と学園都市が戦争をはじめる……とはいっても、学園都市で生活する大多数の生徒達にそんな実感はない。戦争の影響で食料が値上げされると心配した吹寄が今のうちに鍋を作りたいと言い出したら、いつのまにやらクラス全員(+α)ですき焼きパーティに行く事になってしまって!?
 

「とある魔術の禁書目録」の外伝短編集。13巻と14巻の間のひと時の平和が描かれていて、割とストーリーに重要そうな話もあり、普通に「14」にしてしまっても違和感なかったのでは…5巻とかもなんかこんなノリだった記憶がありますし。

戦争に実感が沸かなくて値上がりの影響なんか心配してるクラスメイト達と、一連の事件で魔術側の事件に多くかかわってしまった当麻の隔絶が妙にうすら寒かったです。確かに当麻の想像するとおり、真っ先に前線に送られるのはいくらでも替えが利く普通の生徒達で、しかも本人達はそれに全く気づいてなくて…というのが。ぜんぜん外れた感想になってしまうけど、ほんと気づかないうちに自分達が巻き込まれていってしまう“戦争”って怖い。

しかし、ちょっと人数が増えすぎて把握が追いつかない分が多々。海原光貴もそうだけど、シェリー=クロムウェルは前の巻あたりからずっと「…この人、当然のように出てきてるけど誰だっけ?」状態でした。前回登場したサーシャも思い出すのに時間が必要だったし、結標も8巻が印象に残ってない人にはキツかったんじゃないですか?せっかく「短編集」だったわけだし、上手い事各キャラの設定を再確認させるような使い方をして欲しかったです。つか、こういうキャラクター数の無駄に多い作品は最初のページに軽く人物紹介を載せろと。

前回で「打ち止め」達と訣別し、彼女達を守るために海原の誘いを受けて“グループ”の一員となった一方通行。もうすっかり裏主人公というか禁書シリーズの真の主役状態だったりしますが、自分の大事な人を守るために敢えて裏道を行こうとキモを据えて、ますますかっこよくなってます。特にラストの見開きで描かれる“グループ”は「ヒール(悪役)」って言葉が恐ろしいまでに似合うイラストでした。

それにしても、一方通行の大活躍に押されて今回の当麻は出番少なめですが、少ない出番で光りすぎです。魔術側と対峙する際に言葉が通じないと説教できないからと外国語を学ぼうと決意するシーンではうっかり噴き出しましたが、それを本気で言っているというのが恐ろしい…。あと、「レベル0」の集団であるスチルアウトに向けて放った言葉は同じレベル0の当麻だからこそ響く何かがありました。久々にクリティカルヒットな説教を聴いた(笑)

良い意味で「悪役」として、裏主人公的な立場を確立した一方通行と、その正逆の位置に居る当麻。この見事なすれ違いっぷりもまた良いですが、完結するまでには1度くらい二人が手を組む姿がみたいなあ。

魔術側と科学側の戦争に向け加速する本作、続きが本当に楽しみです。


とある魔術の禁書目録(インデックス) 13

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

「前方のヴェント」侵入により人々は倒れ、学園都市の機能の殆どは麻痺してしまった。事態を打開する為学園都市統括理事長のアレイスターは“虚数学区・五行機関”の使用を決定。一方通行は五行機関機動の鍵として狙われた“打ち止め”を助ける為、一人奮闘する。一方、“打ち止め”を助けた上条当麻はローマ正教の“敵”として、前方のヴェントに命を狙われるが…!?
 

当麻というよりは一方通行が主人公の話で普段の熱さとはまた種類が違うんだけど、お約束の熱さは健在…というか寧ろ絶好調。取り戻しつつあった平和な時間をはじめとして、自分を含め何もかもを投げ打ってでもラストオーダーを助けようと決意する一方通行の姿が非常にかっこいい。“ダークヒーロー”って言葉がこれほど似合うキャラも珍しいのではないでしょうか。ただ、一方通行とラストオーダーの漫才のようなやりとりも凄くツボだったんで、それまでも捨ててしまったのは少し残念かも。

今まで重なり合う事の無かった科学・魔術サイドが交錯し、ストーリーも段々核心に向けて動き始めます。特にカエル医者の正体にはただただ驚くばかり。いや、ほんとエピローグ専用の脇役だとばかり思ってましたから(笑)そして当麻と一方通行のニアミスなやりとりも凄く燃えますが、個人的にはインデックスと御坂の凸凹コンビが非常にツボでした。色々な意味で名コンビ過ぎます。

今後のストーリー展開もさることながら、今まであまりかかわりの無かった科学・魔術側のキャラ同士の絡みが個人的には非常に楽しみです。しかし、ちょっとキャラが多すぎな感もあるのでここらで一度整理したいなあ。


しかし、当麻(というか魔術側)がメインの話と一方通行(というか科学側)がメインの話の時は方向性から全く違いますね。ロボットアニメで例えると前者がスーパー系(マジンガーとか?)で後者がリアル系(ガンダムとか?)っていうくらいの差はある気がする(むしろガンダム内で言うとGガンと種くらい差がありそうな…)。理由は割合そっちのけでとりあえずキメ台詞吐いて事態が解決すればOKっぽい魔術サイドと、戦う理由に焦点が当たって心理的な動きに重きの置かれた一方通行サイドみたいな。

魔術メインの話が評価低くなりやすいのはこの辺に違いがあるんじゃないかなあ…とかぼんやり思ってみたりします。一方通行サイドの方がライトノベルうけしそうな展開という気がするので。


とある魔術の禁書目録12

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

学園都市中の学校が衣替えで騒がしくなっている頃、当麻は御坂美琴に大覇星祭での約束—順位の低かった方が何でもいう事を聞くという罰ゲーム—を果たすよう迫られていた。仕方なく(?)美琴に付き合う当麻だったが、そこで御坂妹や“ラストオーダー”と鉢合わせて…!?
 

久しぶりの美琴メインの話!と思いきや、肝心の美琴は散々空回りしてシスターズ達においしいところを持っていかれるという不遇ぶり。でもヤキモチを焼く美琴は本当に可愛いのでオールOKだと思いますよ。というか色々と理由をつけて(殆ど)カップル専用の携帯通話無料サービスに申し込みにいくくだりなんて、本当に可愛いです。美琴に幸あれ!!

御坂シスターズを初め、今回は既刊に出てきたキャラクターが殆ど(出番の多さ少なさあれ)総登場。使いきりのキャラクターかと思いきや、さりげなくまたストーリーに絡んできたりするから面白いですね。ただ、あんまり印象薄くて、誰だか思い出せない人が何人か居ましたけど。個人的には御坂妹VSラストオーダーとか、すっかりドジっ子というかお色気担当の神裂とその仲間達の下りが非常にツボでした。個人的には吹寄さんにもう少しスポットを…絶対美味しいキャラっぽいのにもったいない…!!

さて、そして今回はモロに13巻に続く!な内容なのですが、次巻では“一方通行”が大活躍しそうな予感。当麻がその場のノリに任せて「その幻想を打ち砕く!!」と叫ぶ展開も非常に好きですが、初登場以来の“一方通行”の変化は物凄く目を見張るものがあって、読んでいて非常に楽しい。当麻とは別の形で凄く心を熱くさせるキャラだと思います。何はともあれ続編に期待!!です。


とある魔術の禁書目録(インデックス) 11

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

大覇星祭で行われた抽選会で、なんと1等の「イタリア旅行」を引き当てた上条当麻。不幸な星の下に生まれ、生涯「1等」なんてものに縁のないと思っていた自分が、何故…!?何かあるんじゃないだろうかと思いつつもいそいそとイタリアの地に降り立つ当麻とインデックスだったが、やっぱりイタリアでも事件が待ち受けていた…!
 

イタリア=ローマ正教の本拠地、ということで絶対それ絡みで何かあるんだろうと思っていましたが、今回は以前は当麻達の“敵”として現れた彼女がヒロイン。ラストで思いっきり当麻がフラグを立てていたのでいつかこうなるかとは思っていたけど案外早かった(笑)

このシリーズ自体、展開の目新しさというよりも水戸黄門的な面白さを狙っているんだと信じて疑っていないのでラストでどうこうなるというのは殆ど心配していません(というか、それを安心して読めるのがこの小説の強みだと思ってる)が、このシリーズでは無敵の当麻の幻想殺しも通用しない謎の力を使う男・司教ビアージオとの対決で今回ばかりは心配しました。相変わらずローマ正教はエグいキャラが多いですね。どうでもいいけど前回の感想書いたとき、グーグルさんで“ローマ正教”で検索かけるとうちのブログが1位になるという恐ろしい状態が暫く続いて戦々恐々でした。真面目な理由で調べてた人とか、ほんとごめんね!

行き先といいガイドが来なかったことといいオルソラのことといい、イギリス清教あたりが仕組んで当麻達を今回の旅行に向かわせたように思えてなりませんが、そうだとしたら本当に当麻が哀れだなあ…。

とりあえず私としてはブチキレた当麻が「その幻想を打ち砕く」とか言ってくれればおおむね満足です。その青臭さが大好きなので。本当にありがとうございました(*´▽`)
しかし、正直インデックスが空気な時の方が話面白い気がするのはきのせい…ゲフンゲフン!!

ところでこのシリーズ、電撃大王と少年ガンガンで漫画連載開始とのことですが。私にまたあの日本一ぶ熱い同人漫画雑誌の読者になれと?
だ、誰が描くかにもよるけど…個人的には鈴木次郎とか希望だけど壮太君とひぐらしがあるから無理だよなあ_| ̄|○
しかし、ガンガン本誌はそこまで人材不足なのかと問い詰めたい。