[著]時雨沢 恵一 [絵]黒星 紅白
その国では毎朝“歌姫”と呼ばれる国民的人気歌手である少女の歌が放送されていた。珍しく彼女の歌を手放しに褒めるキノだったが、その国では“歌姫”を巡る一つの陰謀が持ち上がっていた。
長編「歌姫のいる国」と、その他の短編10編(?)を収録。そして今回の「あとがき」は…!
8巻収録の長編「船の国」以来、かなりマンネリ感が漂っていたというか、オタクウケ狙いまくりな部分が気になり敬遠しかけていた時雨沢作品(学園キノは素敵な具合に斜め45度上を行ってくれたので除外)ですが、今回は久しぶりに「キノ」らしい毒々しい感じが強くてよかったです。その国では毎朝“歌姫”と呼ばれる国民的人気歌手である少女の歌が放送されていた。珍しく彼女の歌を手放しに褒めるキノだったが、その国では“歌姫”を巡る一つの陰謀が持ち上がっていた。
長編「歌姫のいる国」と、その他の短編10編(?)を収録。そして今回の「あとがき」は…!
特に「インタビューの国」「保護の国」では自分の国で平和に暮らしている人たちと、旅を続けていて現実的な視点で物を見ないといけないキノ達との考えの差異が露骨に出ていて、爆笑させてもらいました。表紙のキノたんも久しぶりにいい具合に中性的で自然なエロ可愛さ。これでこそ求めていた「キノ」だ!!(笑)
長編の「歌姫の国」はこれまでの長編と比べたら全然面白かったとは思うんですが、やはりキノの面白さは短編にありだとおもうので、こんなん入れるくらいならもう5編くらい短編収録してくれないかなあ…と思うのです。長編がつまらないわけでなく、短編には「キノ」でないと出せない味があると思うので。
そして基本的に他の作品の後書きは飛ばし読みなのにこの作品だけは「あとがき」を真っ先に探してしまう自分。今回もやらかしてくれました。ぶっちゃけ本編よりもあとがきに気合が入ってる気がするのは気のせいですか?(笑)
コメント
キノの旅 10/時雨沢恵一
キノの旅〈10〉the Beautiful World時雨沢 恵一 メディアワークス 2006-10by G-Tools 【歌が終わった直後から、まるでそれがスイッチだったかのように、広場には人の動きが生まれていた。「旅人さん。さっきの歌聴いたかしら?この国が誇る歌姫の歌なのよ」】 「"歌姫の半分"..
キノの旅??
——「いい歌だった。歌もいいけど、歌手の声と歌い方がとても素敵だった。気に入った」「おや、キノがそこまで満足げに言うとは珍しい」 歌が終わった直後から、まるでそれがスイッチだったかのように、広場には人の動きが生まれていた。歩いて城壁へ向かう人や、店のシャ...
ただ長編があるから、短編も光るのではないでしょうか。
偏りすぎは読者層を縮めてしまいますし。
作者自身もライトノベルとはいえ、小説家ですから、たまには長編も書きたいのでしょう。
コメントありがとうございます。
確かに、長編には長編の良さがありますよね。短編がどうの、長編がどうの…というコメントはあくまで私一個人の主観なのであまり気にしないでいただければ幸いです。そういう考えの人間も居るって事で。
単に「短編の方が好み」と感じているだけで、長編が嫌いとかそういう訳ではないです。
同じ時雨沢作品の長編だと「アリソン」や「リリアとトレイズ」の世界観が、「キノ」とは違った方向で好きなので、毛色の違うキノで長編を読む事に違和感を感じているのかもしれません。