表紙のキノの雰囲気がなんかエロい件
キノさんは元々中世的な魅力を持つキャラだと思うのですがなにこのけしからん胸の表現可愛いすぎる!!終わりのない旅を経て、少しずつ女性的に成長してきたとでもいうのでしょうか萌え!!
…というわけでもはや年1冊ペースが定番となってきた「キノの旅」。良くも悪くもいつも通りですがもうそのいつも通りっぷりが心地よいです。というか、色々な意味で「マンネリ」とも言われかねないシリーズなので、年1回刊行くらいで細々と続いてほしい。
一番興味深かったのはやはり「違法な国」か。リアル図書館戦争世界と言うか、違法行為を物語に書くことそのものが禁止されてしまった作家の多い国のお話。珍問答のようなやりとりと、投げ捨てられる『違法』図書と、その本を自分の国に持ち帰ろうとする商人達の姿がとてもシュールでした。児童ポルノ関係の法案を意識して書かれたんじゃないかなあというような内容で、色々と複雑な心境になったり。
もうひとつシュールと言えば「いろいろな国」収録の「輝いている国」はもうもろにあの国……
すべての芸術の起源は俺なんだぜ!!!
PS2版の特典冊子からの収録となる「いろいろな国」はいい具合に「学園キノ」的なはっちゃけ要素が本編に加わっていて、個人的にはこれが一番楽しめたかも。読書メーターを見ると本来初回特典であった文章の再録は賛否両論あるみたいですが、ゲームを買ってない人は読むまでに数年のブランクを必要とするわけだからこれはこれでいいんじゃないかなあ。
むしろアニメDVD収録の短編とか、何年か待たせてもいいからちゃんと書籍にまとめてほしいと思う…正直、初回特典とかで本当に一部の人間の目にだけ触れさせて多くの原作ファンの目に触れないまま腐らせるのはもったいない。
キノの旅XIII The beautiful world
著
時雨沢 恵一絵
黒星 紅白この世界には、よくあること。醜くて美しい。―――哀しくて、大切。
「何だ?」キノが『フルート』を構えてスコープを覗いて、今いる丘の上から地平線を見下ろします。しばらくして、ようやくそれが何か分かりました。大量の土煙を生み出していたのは、大地を埋め尽くすような大型動物の大群でした。大きく太い体と頑丈そうな四肢を持つ、鈍い灰色をした草食動物です。「この辺に住むサイの一種、だね。水が欲しくて集団で移動中なんだよ」エルメスが言いました。灰色のサイの群は、何千頭、または何万頭いるのか分かりませんが、濁流のような密集度と勢いで大地を進んできます。その進む先には――「あ……」『フルート』を向けたキノが、声を漏らしました。 (「この世界の話・b」)他全11話収録。