[著]土橋 真二郎 [絵]白身魚 “パルス”に感染して異常な能力を得たもののそれが日常生活に生かせる訳でもなく、むしろ能力の影響で何をやっても失敗ばかり。自らの能力をもてあます福原の元にパーティへの招待状が届いた。情報収集も兼ねて舞には内緒でそのパーティに参加するが、彼を待ち受けていたのは新たな“囚人ゲーム”で… |
今回は「キング」「クィーン」の役割を持つ男女が20組のペアとなり、周囲を探索しながらチェスゲームにも似た陣取りゲームを繰り広げるというお話。福原とペアを組んだ女性・カレンはどうみても腹にイチモツもってそうな感じでしょっぱなからギスギスフィーリング全開だし、前回で福原の手で痛い目に合わされた人物が敵「キング」として登場したり、「クィーン」にもまさかの彼女が参戦したり…と相変わらずの容赦ない展開が素敵です。精神的だけでなく、今回はプレイヤーである福原達にも直接的な暴力的な危険が迫り、また能力の使いすぎによる肉体的に痛々しい展開も目白押し。
今回のラストで必ずしも主人公側が勝利するわけではないというのが立証された訳だし、ますます続きがどうなるのかわからない展開に。続きが非常に楽しみです。あと今後のあとがきの動向も非常に楽しみです。なにこのカオスな後書き!
ただ“囚人ゲーム”を中心としたストーリー展開は非常に面白くて、物語の中に引き込む力も強いんだけど、前シリーズと比べるとどうも丸くなってしまったというか、キャラクターが薄いのはライトノベルとしては結構痛い気がするのですが。由紀・舞・飛鳥の3人がヒロイン格ということになるんだろうけど、3人が3人で存在感を食い合ってどれもインパクトに欠ける。
やはり「扉の外」好きとしては正樹愛美級の強烈なキャラが出てこないのがちょっぴり物足りなかったりするわけです。どれか一人適当に淘汰しても構わないので3巻以降でもっと強烈なキャラ付けを!マジお願いします!
あと、これ言っちゃおしまいかもしれないけどやっぱ異能バトル設定いらないとおも(ゲフンゲフンゲフン)なんか全体的に、行き詰ったらトンデモ能力が開花してなんだか僕らがよくわからないうちに片付けちゃいました!!みたいな展開が多くて、ちょっとその辺が不満だったり。
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