千の剣の舞う空に | 今日もだらだら、読書日記。

千の剣の舞う空に

[著]岡本 タクヤ [絵]柏餅 よもぎ

交通事故に遭い、空手で最強を目指すという夢を閉ざされてしまった速見真一。諦めざるを得なかった“世界最強”の文字に魅せられるようにして“サウザンドソード”と呼ばれる対戦格闘ネットワークRPGを始め、その世界での最強を目指し始めるが、そこで出会った少女がクラスメイトであると気づいて…
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とあるネットワークRPGで“世界最強”を目指している少年がネットゲーム上でクラスメイトの少女と出会って少しずつ彼女の知られざる内面を知っていく……という物語。設定はそれなりに風変わりなものの物語自体は王道すぎるほど王道な爽やか青春ストーリーでした。他所の感想サイトさんでも言われていましたが、一途にゲームにのめり込む少年がその世界での“最強”を目指しながら、自らの“リアル”での生活との両立を見出していくという方向性は、他所でも言われてましたがあの『連射王』に通じるものがありますね。

自分の世界にのめり込むあまりに友人を作る事も出来ず、同時に自らも友人を作らない事を良しとして生きてきたタカヒロ(真一)と、自分とは正反対の明るくて社交的な性格なアスミ(明日美)がリアルの世界では文化祭、「サウザンドソード」の世界では最強のプレイヤー“闇”を倒すため…とお互いの正体に気づかない(真一はその“フリ”をした)まま行動を共にする事になり、2つの世界を通してお互いの抱える違った一面を垣間見ながらも歪みを克服し、成長していく過程が非常に素敵でした。更に、二人を取り巻くクラスメイト達や「サウザンドソード」で合間見える強敵たちも非常に暖かい人たちばかりで、読んでいて心地いい。「悪者」も「嫌なヤツ」も居る世界だけど、それでもこの世界に登場するキャラクターたちはどこか優しい。エピローグの赤シャツのエピソードがあまりにもこの物語の本質を物語っているように思えて、思わずニヤニヤしてしまいました。とにかく、非常に爽やかな気持ちで本を読み終える事が出来ました。

“世界最強”を目指す物語ながら、誰にでもどこにでもありえる親近感もたまらない。続編になるのか新シリーズになるのかはわかりませんが、作者さんの新作に期待!!

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コメント

  1. さひろ より:

    よい作品でしたよね!
    チェック済みかもしれませんが"FB Online"の"特別書き下ろし短編"『虹』も要チェックです!<https://www.enterbrain.co.jp/fb/03novels/03c_0801kensora/03c_0801kensora.html

  2. うらら より:

    さひろさん、コメントありがとうございますー!
    あ、そういえばFB公式に書きおろし短編があったんですね!
    購入前にそういうコンテンツがあったことは覚えていたのですが、実はまだ読んでませんでした;
    近いうちに読みに行ってきたいと思います。情報ありがとうございました!