アリアンロッド・リプレイ・ルージュ+1 ノエルと白馬の王子 | 今日もだらだら、読書日記。

アリアンロッド・リプレイ・ルージュ+1 ノエルと白馬の王子

[著]菊池 たけし / 久保田 悠羅 / F.E.A.R. [絵]佐々木 あかね

ライン王国の事件を解決して一息ついていたノエルは、何故か財政難のダイナストカバルを救うため、トランと一緒にお祭りでヤキソバのテキ屋をやることに。ヤキソバ屋は盛況でかなりの儲けを得たのだが、なにやらヘンな奴が現れて…!?
  個人的お気に入り度数
個人的お気に入り度数
アリアンロッドルージュ「+1」っていうのは「ルージュ+」の 1 巻という意味ではなく、「ルージュ」「+1」という意味だったという驚愕の真実。

みっしょん06直前の、ノエル達4人の最後の平和なひと時が描かれる「ノエルと白馬の王子」と雑誌に掲載された4コマに加えてランダムダンジョンで繰り広げられる超サバイバルなリプレイ「魔を貫く者」を収録。帯に書かれた矢野さんのセリフに、うっかりじんわりせずにいられない。

「白馬の王子」はトランとノエルの二人にゲストキャラ・ヴァルを加えて送る、思いっきりギャグなシナリオ。ヴァルの妹の仇で自称“ノエルの婚約者”の白馬の王子様とのトンデモ対決までしっかりダイスで行われて、こんな事までTRPGで出来るんだなあという懐の広さを魅せ付けられるシナリオでした。大食いだの幅跳びだのクイズだの…とオバカな競技が目白押しで大変面白かったのですが、何よりも噴いたのはやはりポージング対決でしょう。これはないwwwwしかも勝負の結果が……もう神すぎるwwww

金に困った「ノエルの父親」と資金繰りに苦労する「ダイナストカバル首領」とか、既に本編を読み終わっているとニヤリと来るネタも非常に多く、とにかく笑いまくりの短編だったのですが、やっぱり“あの悲劇の直前”であるという演出が際立っていて不意を付かれてジーンとさせられることが多かったです。特にエンディングの演出はあざとすぎて不覚にも泣いた。くそう、こんなところでトラン×ノエルを半公式にされたって嬉しいんだか哀しいんだか!!

そして何気に必見なのが佐々木さんの描く4コマです。ジュライ可愛いよジュライ。

そして残る「魔を貫く者」ですが…申し訳ないけどなんでこれに収録したのかが良くわかりません…ゲストキャラもあっちのリプレイの人だったし、「ハートフル」の方に収録すればよかったんじゃない?最初から最後までルージュキャラのネタかと思っていたので、GMもメンバーも殆ど変えての「プラス」に凄いびっくりしたというのもあるのですが、それ以上に、これまでとは打って変わって露骨に上級者向けのシナリオに戸惑いました。私の中で「ルージュ」というシリーズはとにかく初心者向けにTRPGの楽しさを知ってもらう為のコンセプトで作られてるシリーズっぽい印象があったのですが…。

上級ルールブックどころか初心者用のルールブックも読んだこと無い、単にノエルとその仲間達の行く末を楽しみに読んできた私のようなTRPGも殆どわからないズブの素人には、殆ど理解できないシナリオになっていて、読みながらモニョモニョしてしまった。せめてランダムダンジョンのルールくらいはもうちょっとしっかり説明して欲しかったなぁ…なんかこの本を読んでる人なら上級ルールブックや「ハートフル」読んでて当然だよね!?的な雰囲気が全体的にあって、物凄いキツかったです。キャラクターにもストーリーにもイマイチ感情移入できなくて、ゲーム性優先のシナリオという感じだったのでそちらも併せてつらかった。

そういえば、「白馬の王子」のラストに出てくる魔族の女性はこちらの短編に出てきたショコラって女性という事でいいんでしょうかね。いかにも今後本編に絡んできそうな出方をしていたので色々な意味で期待していたらそのまま正体すら明かされずに終了してしまって拍子抜けでした。

うーん、最初の「白馬の王子」が凄いツボだっただけに、後半で興をそがれてしまったカンジがして凄い残念でした…
記事への反応
なにかあれば
  • わかる(0)
  • 面白かった(0)
  • 興味が湧いた(0)
  • 持ってる(0)
  • 買いました!(0)
  • ぱちぱちー(0)