[著]八薙 玉造 [絵]瀬之本 久史 このままでは皆を護る事はできない…そう悟ったエミリーは、かつて彼女の命を狙い、大切な人たちを奪い去ったグレンの父・ノーフォーク公ジョゼフと直接対決することを決意。僅かな供を引き連れ、敵地に侵入したエミリーは諸侯を王宮に集め、王位の完全な返還を提案するが… |
とりあえず、真っ先にひとこと。
「2巻の展開が生ぬるい。がっかりだ」とか思ってる人は
今すぐ書店に行って買ってくるといいですよ?
…今回は本気で……凄いです。作者本領発揮しすぎです。
ノーフォーク公との形の上での和解、弟王ガスパールとの姉弟関係改善、そしてエミリーの完全な王位返上……と物語が希望に向かって動き出す……と思ったらラストで盛大なちゃぶだい返し。
1巻での容赦ない展開とは打って変わって2巻・3巻で描かれてきた展開は全てこのエピローグで全部叩き壊す(←ネタバレ)為の布石だったと言う訳なのですね。あんまりにもあっさりと語られるのであやうく見落としそうになりましたがまさか物語最後の1行だけで今までの努力を全部無に返すとは…なんという容赦のない物語だろう。そしてなんて悪趣味なんだこの作者!(※最大級の褒め言葉です)
とにかく3巻終盤までの希望に満ちた展開が、とても幸せそうに見えるだけにラストのどんでん返しの威力が絶大すぎる。仲の良さそうなエミリーとガスパールの姉弟の姿も、愛憎を経て今までのような「憧れ」ではない、等身大の父親の姿を漸く見ることが出来るようになったグレン親子の関係も、そして「もう誰も大切な人を失いたくない」と懇願するエミリーの姿も、全てが痛い。全てが良い方向に向かっていたと思えるだけに。
本当にここからどういう展開になってしまうのか…楽しみのような、心配のような。
この物語だったらあっさり全滅エンドとか来てもおかしくないんじゃないかと思い始めました。
とりあえず、来月発売の「第四幕」に期待。
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