[著]竹岡 葉月 [絵]よう太 「人力リバーフェスタ」で演劇をすることになった雪国達空舟五中とローズロワイヤルは、青美女学院で合宿を行うことに。必死な稽古の合間で女の子たちに着せ替え人形にされたり、肝試しをしたり……と夏休みを満喫する一同だが、雪国の秘密を知る「X氏」から脅迫を受けて!? |
カラー挿絵のはっちゃけ具合がすばらしいですねさいんこさいんたんじぇんと!私もあんなハリセンほしいです。舞姫モードの雪国はぶっちゃけ舞姫と区別つかない状態なので正直「女装萌え」という感じではまったくなくて残念だなあと思っていたらこんなところでカラー挿絵でやってくれるなんて男らしすぎる!一生ついていきます!!
それにしても、雪国近辺の女性関係がどんどんすごいことに……鳥子じゃないけど、「こんなたらしに誰がした」ってツッコミしてあげたくなります。雪国の気持ちは明確に蜜に向いてるんだけど、気づいてない胡蝶の宮と、あきらめきれない鳥子の行動と二人の気持ちに気づけない雪国、そして雪国と舞姫の入れ替わりがひたすら事態をややこしくしちゃってる感じが……鳥子が言うとおり、蜜と雪国がくっつくのはこのわだかまりをひとつひとつ解いていかないといけない…って思うとなかなか大変そう。買い物に行った時の、鳥子の心からの言葉が胸に痛いのに、何の疑いもなく「悪戯だ」と言われた言葉を信じてしまう雪国に思わずやきもきしたり。
3巻とは打って変わって女の子らしい部分を覗かせた鳥子とは対照的に、胡蝶の宮は「ローズロワイヤル会長」としての、かっこいい部分が多かった気がします。ただのお嬢様ではなくて、ひとつの団体を統べる長としての矜持もプライドも持ち合わせている彼女がかっこいい。一方でそういった上に立つ者としての責任を背負いきれるほど大人になれているわけでもなくて…体育倉庫で弱気になる彼女の姿がとても印象的でした。
しかしなんといっても今回一番面白かったのはやはり雪国の女装シーンとラストの人力リバーフェスタでのしっちゃかめっちゃかなお芝居だったかな。必死に雪国達が戻るまで劇をつなげようとする皆の思いとは裏腹に、どんどん変なことになっていくお芝居の様子が大変そうだけどものすごく楽しそうで、笑いが止まりません。そして今回最後まで可哀想な芝目……(笑)
X氏の正体も発覚してようやく元の鞘に納まった雪国&舞姫。次はどんなお話になるのか、とても楽しみです。今回割りと鳥子&胡蝶の宮にいいところもってかれ気味に感じたので、蜜の活躍も期待したいかも。