Gosick 〜ゴシック〜 | 今日もだらだら、読書日記。

Gosick 〜ゴシック〜

 

日本から西欧の小国・ソヴュールに留学している少年・久城一弥はひょんなことから図書館の塔の上に居る変わり者の少女・ヴィクトリカと出会う。ある日、殺人事件の解決に協力したヴィクトリカへのお礼としてヨットクルージングに出かけた二人は“幽霊”が現れると言う船の事件に巻き込まれ、その謎に挑むことに…

今のうちに買わないと挿絵つきで読めなくなっちゃうよ!」という脅迫観念(違)の元、今更読み始めました。(←どうやら挿絵付き「Gosick」が別途出るようですよ!)第一次世界大戦後のヨーロッパの小国を舞台に、日本の帝国軍人三男の少年が少し不思議な女の子に振り回されるというおはなし。同じミステリー文庫の「しずるさん」シリーズのような、安楽椅子探偵モノなんだとなぜか思い込んでいたのですが、普通にミステリーしてました。

ヨットに乗りにきたはずが、なぜか不吉な噂を持つ“幽霊船”に乗ってしまい、噂の通りに同乗者がどんどん死んでいってしまうという状況の中、見た目は可愛らしい少女なのに、老獪な印象を持つヴィクトリカが時々垣間見せる少女らしい一面が可愛らしかった。作家・桜庭一樹というと「推定少女」や「少女には向かない職業」のイメージが私の中で非常に強く、そういう作品と比べると「Gosick」は「らしくない」印象を受けたのですが、読み終わってから再考すると、「EVE THE LOSTONE」が持っていた雰囲気に近いのかなあとか思いました。いえ、展開が無茶すぎるとかそういう意味ではなく、あくまで持ってる雰囲気が!逃げ場の無い閉鎖空間の中で、徐々に“死”が間近に迫ってくる感覚とか、そういうあたりが。過去の「QueenBerry号」での、エレベーターのトラップはトラウマすぎる…。

ミステリーというよりは少年少女の冒険話として面白かったです。Twitterで「角川つばさ文庫から出せばいいのに」という意見を見て「なるほど」と思ったのですが、青い鳥文庫とかと一緒に並べたい気がします。

個人的に、「あわせて読みたい」児童文学は「クレヨン王国と水色の魔界」。
1円玉の話がトラウマすぎる。

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クレヨン王国水色の魔界 (講談社 青い鳥文庫)三木 由記子
講談社 1991-06-15

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