太一を除く4人が子供の姿に戻ってしまうという、三度目の異常現象。いつものようにふうせんかずらが現れないことを不思議がる4人だったが、実は太一の前にふうせんかずらではない「二人目」という存在が現れており……というお話。「ふうせんかずら」以外の存在の登場で、あちら側の事情が少しだけ透けて見えた巻。このまま異常現象の原因や「ふうせんかずら」側の事情には触れずに話が進むのかなあとおもっていたので、今回の展開はやや意外だったかも。
今回は唯や青木の「過去」がメインの話で、とにかくなにより青木がかっこいい!!自らの記憶のない間に浮上した「唯に似た容姿の元彼女」の話と、思い悩む唯の姿を見て普段の彼らしからぬ迷いを見せた青木だけど、一度心を決めたあとはどこまでも強かった。相変わらず、彼らの見せる青春具合にはニヤニヤしてしまう。
ところが、事態が解決したと思いきや——その後の展開が物凄かった。子供になる時間が予め決まっていたせいでなんとか取り繕われていた「日常」を完全に崩され、どこにも行けず、事態を解決する手段を持たない彼らに襲いかかった恐怖と絶望。そんな中、トドメを刺す様な出来事が伊織の「日常」に襲いかかり、解決の為動いた彼らにあまりにも最悪なタイミングで襲いかかる「異常現象」……と、とにかく容赦ない展開に翻弄された。
何とか事態が終息してホっと一息という感じだけど、何もかもが決壊する目前ギリギリで現れた「ふうせんかずら」にも、今までに無い不気味な意図を感じるし、次の巻では畳み掛けてきそうな気配だなあ。次巻が待ち遠しくて仕方ない。
それにしても、最後の最後で通じ合った伊織母娘、というか伊織母がかっこよすぎるんですが。青木の大活躍がふっとびそうな勢いのオトコマエ具合に噴出したよ!!