夢魔と人間の混血のため夢魔としての能力が低く、満足に精気を奪うこともできないミアリ。他の悪魔達ですら苦戦する高潔な聖騎士・ユーシウスを堕落させろという命令を受けて嫌々人間界に降り立つが、あっさりユーシウスに正体がバレてしまった上、彼に飲ませようとしていた媚薬を自分で飲む羽目に!?すっかりメロメロになってしまったミアリを邪険にもできず、自分の部屋でかくまうことになったユーシウスだが……というお話。とりあえず本屋で手にとって帯で盛大に噴出したのは私だけじゃないはず。
序盤の媚薬を飲んでしまったミアリの残念なメロメロっぷりに笑いが止まらなかったんだけど、それ以上に媚薬が切れた後の二人のもどかしいながらも完璧にバカップルにしか見えないノロケっぷりに笑いが止まらなかった。お互いに「「魅了の魔法!」」とかいってるけどそれ単なる恋という名の魔法ですよね!?的な。
主人公2人もいいけど脇役も美味しい。ミアリを良いようにこきつかいながらもなんだかんだで愛着を見せる下級悪魔・アドルニ様の行動にはときめきっぱなしだし、お互い嫌いあっていたユーシウスとカルガが徐々に本当の主従となっていく様子には主従萌えとして本当にニヤニヤが止まらなかった。そしてすっかり確信犯となったカルガがミアリをけしかける様子が微笑ましくて微笑ましくて!!
同時期にはじまった小野上さんの新シリーズ「イノセント・スター」と比べるとややこちらの方がシリアス度が高い感じのストーリーも良かった。続編が出るかどうかは解らないけど、続きがあるならカルガさんの活躍に期待したいです。